前回の最後に『御身大切と考えるなら』『理念を前進させるなら』を
各々いくつか羅列しましたが、その詳細を書き出してみます。

今回は『御身大切と考えるなら』、次回『理念を前進させるなら』と
なりますが、未だ答えらしいものは出ていません。

そろそろ、あんしんサポートの進むべき未来像のヒントくらいは出て
きて欲しいものですが、どうなることやらです。 結果が出るのか、
出ないのか、とにかく最後まで書き進めてみたいと思います。
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》無理をしない事・・・
》或いは、料金を上げて人手を増やすこと・・・
》あんしんサポートが、各地域に誕生すること・・・
前回書いた項目ですが、こちらは三つしか書いてありませんね。
それでは、具体的にはどうなるかを書き始めてみます。

》無理をしない事・・・

我々2人の身体が壊れない葬儀なら、直葬専門に近くなるでしょう。
しかし直葬だけの葬儀は、我々が対象とする家族の意向だろうか。
葬儀が発生した時点で、かなり財布事情が苦しい人達の助けにはなれ
るでしょうが、対象家族となると、ちょっと違ってくる気がします。

前に何項目も羅列したように、対象家族は全て同じ感覚ではないです。
6.9万円が大変な家族もいれば、10万円くらいならの家族もいるの
ですから、対象家族が納得できる葬儀はすべきだと思うのです。

としたら、我々の身体に無理の無い程度の会員数に絞る・・・
そんなのどう考えても無理な話しで、机上の空論にもなりません。
例え会員数が半減しても、同時期に逝去者が偏れば同じことです。

この箇条書きには良質な答えが出せない・・・検討枠から外します。

》或いは、料金を上げて人手を増やすこと・・・

これは可能でしょう。
皆さんは1名か、2名増やすだけでも・・・何て思っていません?
それは我々と同じ役職で、同じ感覚の人間以外は駄目なのです。

今は、僕と千明の役員だけですから、労働基準法もクリアしています
けど、一般職員ならそうはいきません。
労働時間、残業手当など、全てクリアし、3交代勤務で尚且つ休日が
取れる体制を作らねばなりません。

2名体制で3交代なら、我々の他に最低4名が必要です。
更に休日を考慮すると2名増員、計8名体制が最低限となるでしょう。
これで初めて堂々と仕事をして貰える事になるのです。

6名分の人件費が増えると当然、今の料金では出来なくなる。
単純に6名×年収300万円だとしても1800万円です(福利厚生考えず)
年間180施行なら、1施行当り10万円の上乗せが必要って事です。
単純計算すると6.9万円が直葬16.9万円になるわけです。
こんな料金なら、あんしんサポートである必要はありません。

増員計画としては、他にも夜間搬送だけのアルバイトを利用する事も
考えられるのは確かです。 夜間の搬送が無ければ我々の疲労は減る
訳ですから、夜間搬送2名が出動した場合、1名1万円で動いてくれ
たら、上手くいけば2万円程度の値上げで納まってくれるかもです。
でも、長期的に考えると夜間搬送以外は、全て今までと同じですから
根本的な解決にはなりません。

もうひとつの方法として、夜間搬送と、忙しい時のみ、搬送業者依頼
という方法もあり得るが、1名で2万円は最低掛るのと、あんしん館
には搬送してくるのを待つスタッフが絶対に必要です。
安置さえしてあれば、後の手続きや打合せは翌朝ってのも有りだな。
ある時期を乗り切る程度なら、あり得る手段かもしれません。

そうそう、時々ボランティアに応募してくれる人もいます。
でもボランティアの人は、自分の空いた時間に来てくれるのです。
しかし我々の仕事は対象者次第ですからお断りしています。

掃除や整理整頓でもと言ってくださる方もいます。
お気持ちは有難いのですが、我々は相手の都合で動いていますから、
ボランティアの方の近くにいて指示することはできません。
搬送が入れば出掛けるし、社外の仕事でも出掛けるから、館内にいる
時間が無い時もあれば、その予測すらできないのです。

》あんしんサポートが、各地域に誕生すること・・・

これは利用家族にとって、大きなメリットになるのは間違いないけど
あんしんサポートの仕事をしたいと思う人が居なければ成立しない。

もし県内に数か所、独立採算のあんしんサポートが存在してくれたら
葬儀施行、人員補填、諸経費、広告宣伝などマスメリットや融通する
メリットが、そこそこ発生する可能性もあります。

また全国全県に開設できたら、全国で葬儀支援するのは夢ですからね。
我々の部分はさておき、利用者目線で県外の開設は大歓迎です。

実は今東北にお住まいの方から、あんしんサポートのような仕事をし
たいと連絡を貰っています。
また先日は関西の葬儀経営者から電話がありました。 
短時間の電話なので事細かに話しはできませんでしたが、我々の活動
に関心がるようです。 その方自身の事も葬儀内容も全く分りません
が話しを聞く限り、考え方が僕らに近いんだろうと思えます。

10年前、投資はせずにゼロから始めたのが、あんしんサポートです。
確固たる理念だけを貫き通して今があります。

10年間、自分達だけで行ってきた為、葬儀施行に限らず、企画、話術、
遺影作成、パンフ作成、ホームページ、納棺師、生理解剖学、遺体の
知識、死化粧、遺体の状況のよる対策、掃除の速さに至るまで、あら
ゆる面で蓄えた知識、スキル、ノウハウは気がつけば、かなり高度な
ものとなっています。

これらを僕らと同じ土俵で新しく始める人や、同じ土俵に上がれる発展
途上の葬儀屋さんに提供したら、10年間の全てを短期間に伝授する事も
できるわけです。

本来余り好きな言葉ではありませんが『if』もしもを考えてみます。
もし我々のノウハウで、あんしんサポート同様の理念を持つ葬儀社が
全国に誕生したら、、どんな答えが出てくるかちょっと楽しみです。

その前に、少し同業者の共存について触れておきます。
ハッキリ言って同業者の同地域での仲間は長期的に見てあり得ない。
その理由は、必ず格差が生まれるからです。
一方が忙しくて、一方が暇なら、暇なほうは面白くないのが本音です。
この両者が本音で仲間のままでいられるはずがない。

同地域で同業者が、仲良しさんのままでいられるとしたら、どちらも
閑古鳥が鳴いてるような場合と、主従関係限定になるでしょう。
組合でも、何でも本当に仲良くなれるのは、本音で語り、損得の無い
他の地域の人だけです。 

但し、強豪相手にタッグを組むとか、小さな個では不可能な事、自分
だけで出来ない事でも、個が集団になる事で可能になったり、集客力
とか経費削減に繋がるなど、メリットのほうが大きくなれば話しは別、
長期で考えると、何とも言えませんけど・・・

さて、さきほどの話しを考えてみましょう。
現存のフランチャイズでなく、新たな組織体が創り出せ、そこに集う
経営者が集まれば、将来性も含め一番可能性のある手法になり得る。

なぜなら、葬儀の仕事は人が存在する限り終わる事はない。 しかし
経営者は老人になり体力の限界が来ると廃業するしかありません。
一般的には子供が後を継ぐのでしょうが、子が親と同等以上の能力を
備えていれば良いですが、そうとは限りません。
『三代続けば末代続く』のことわざがあるほどです。
でも集団になる事で、人材の遣り繰りが可能になるって事です。

分かり易く言うと、昔の城のようなものであり、武家時代の世継ぎは
養子縁組は普通にあった事で、この辺りも参考になると思います。
また城は変りませんが、城の主は時代によって代わっています。

城とは『葬儀社』のことで、経営者が老いると廃業するのが普通です。
実際は隆盛な時期があったとしても、経営者の老齢化に合わせるよう
衰退するのが個人経営ですから、子供達が受け継ぐ魅力の無い仕事に
なっているからの廃業って事なんだと思う。
ようは衰退する前の葬儀社の時点から次の一手打つのです。

近い将来に老いた経営者は給与と葬儀社経営権の譲渡収入が得られる。

具体的に書き出しながら考えてみます
A葬儀社の経営者が僕のような年代に差し掛かり、経営が成立してる
として、施行数があるなら、そこに次期経営者候補の人材補給するこ
とで、廃業せず経営の存続が図れる。

第一として、会員さん達との約束が守れます。 
入会時は若くても、会員さんの年齢が終幕に達した時の経営者の健康、
年齢も同じように年老いている事もあります。 或いは会員が知らぬ
間に廃業してた。 なんて事だってあり得ます。
しかし次期経営者、更に次の経営者を受け継がれたら問題ありません。
次世代の人達は能力が備われば、時期経営者の道が開ける。

別のパターンとしては、
単独で経営が成立しない葬儀社の場合、近隣の仲間と合併させる事で
経営存続への道が開けるし、葬儀社の器や葬具や会員を利用できる。

(2)1576. 先人に学ぶで書いた過去の個人経営者が、殆ど壊滅を
した最大の間違いは『欲』と『先の時代が読めない事』だと思う。

自分が創めた事業だから、子供に譲りたい、商売していれば食える。
時代の先を見ようとせず、過去の繁栄に執着した結果として行き詰る。
俺の店、俺の会社・・・お山の大将では、いつか破綻がくる。

だから会社(店)は、経営者とは別人格を持ってると思えば良い。
次の経営者は子供や孫かもしれないし、他人かもしれないが葬儀社は
いつまでも存続し、会員は安心できる。

中々面白い発想ですね・・・もう少し突っ込んでみましょう。

前経営者は自分のできる仕事をする事で、規定の給与を受け取れる。
また経営権の譲渡費用を、次期経営者から満額になるまで毎月貰える。
年金+給与+譲渡収入があれば、食えるんじゃないかな。
廃業すれば、事業からは無収入ですからね。

更に自分が育てた葬儀社も継続させられるのも魅力だと思う。
仕事が出来なくなったら、年金と譲渡収入になりますけどね。

次期経営者は、経営権の譲渡金を払う訳ですが、まとまった金は無い
でしょうから、毎月の給与から支払う事になる。
簡単に言うと、毎月の支払い分は、仕事量を増やして稼げばいい。
但し、依頼者の葬儀費用を吊り上げるのでなく、施行数管理が基本で、
その他にも、集客業務や仕事量で稼げるシステム作りが必要ですね。

単体で経営が成立しない葬儀社は経営能力に欠けるのですから、統合
したり、経営手腕に優れた人を経営者として迎えたり、全体、個別の
勉強会等で、スキルアップし経営の存続を図るのが先決かな・・・

大雑把ですが、こんなシステムが完成すれば、働く人達もただのサラ
リーマンでなく将来の経営者としての道は開けるし、個人なら自分が
病気になった時点で終わりですが、その点に関しても危機感は薄れる。
そしてなりより、広い地域での葬儀支援が可能になるのがいい。

一番の難題は『欲』です。
自分が創めた葬儀社なのだから、自分が経営者なのだからと金銭欲や
自己顕示欲が強いと、ともに仕事をする仲間と上手くいかない。

『個』<『会員』『社』の図式を身体に叩き込む事が大切です。

その結果として、より多くの収入が得られると思えばいい。
組織の中で経営能力ありと認められた者が、組織のバックアップの基、
経営に取り組み、成果が出せれば経営者になれるとしたら・・・
働く人達も本気でやれると思いませんか?

この場で書きながら考えた事ですから、完全なものではありませんし、
可能、不可能も全く分らない状態です。 
がしかし、何事も真剣に考えれば道は開けるんじゃないかと思う。

どんなに隆盛な事業でも個人経営はもろいものです。
病気、怪我、ちょっとした事があれば終わりなのが個人経営です。
そんな経営者を沢山見てきたし、過去には一緒に仕事もしてきた。

されど、小さな個だから出来る事、個でなければ出来ない事もある。
そのひとつが、あんしんサポートの葬儀支援なんだと思う。

個々がお山の大将の集合体でまとまるのか?
この点に関しては、企業のサラリーマンは、同じ形をしたブロックに
例えられるでしょう。 綺麗に足並みが揃って綺麗に整列できます。
個人経営者は河原の石のようで個々がバラバラですから、一見すると
どうにもまとまらない感じがします。

しかし城の石垣を見て欲しい・・・
ひとつひとつの石は全て形は違うのに、何百年と城を支えています。
上手く組み合わせれば、同じ形のブロックより明らかに頑丈です。
更にバックアップしてくれる組織があれば、より強くなれるはず。

この発想が、どれほど高い壁で、厚い壁なのか、或いはすぐ乗り越え
られる程度の壁なのかも全く分かりません。
この考え方自体が可能か不可能かも分りません。
しかし個人経営者の方は、同じ壁に突き当たる人は多いはずです。

実はこの発想の基になっているのは、僕が経営していた美容室です。
あんしんサポートに全力投球するにはと、株式会社を黒字閉鎖した
訳ですが、その時考えたのは『顧客』と『スタッフ』の事です。

美容室を有償提供したら、少なく見ても数千万円にはなるでしょう。
すると僕は収入があるけど、譲り受けた人は大きな借金をする事に
なります。 借金を背負った経営者はどうしても儲けたいと思う。
すると今まで顧客目線だったものが、儲けたい経営に変ってしまう。

それは顧客にとって今迄より魅力の無い美容室になってしまう。
その結果として、顧客は減り、店は衰退し閉店するかもしれない。
経営者の能力不足で経営破綻なら、当然だから気にもなりません。

だけど売却収入を得た僕だけが良い思いをし、その挙句に借金返済
しなければの思いで利益追求に走って、上手くいかないとしたら、
顧客にも、頑張ってくれたスタッフにもいい結果にならない。

でも僕が一番最初に投資したのは700万円でしかない。
月々にしたら29.000円くらのもんでしょう。
そのお陰で20年以上食えたんだし、投資以上の収入を得られたのは
間違いないのだから、それ以上欲張る必要はない。

僕が食って来られたのは、顧客の皆さんのお陰であり、スタッフ達が
頑張ってくれたお陰なのだから、僕の利益よりもお客様とスタッフの
事を優先したほうが、後々後悔せずに済むだろう。
頑張ってくれたスタッフにも恩返しができる。

この考え方が良し悪しは別として、その結果として今があります。
今から10年前にあったことは事実です。 

同じような発想で、元経営者も食えて、次期経営者も本気で頑張れる
方法論のひとつとして考えてみました。

次回、理念と対象者の実態から考えるです



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