明日、49日法要を迎える家族がいる。
我々も故人とは6年前の葬儀からの付き合いがあった方でした。
6年間で4回の葬儀で顔を合せてきた。
自分の長兄の葬儀、次は次兄の葬儀、長女の葬儀、長女の相手の葬儀
でしたが、長女夫婦の葬儀は全ての采配をし、2人の兄達の葬儀では
家族の後ろで支えてきたような人でした。
この感覚は家族内でも同様だったようで、ご主人、娘と息子、そして
孫に至るまで全ての家族の後押しをし、陰から支えてきたようです。
長年病気をしてからの他界であれば、家族達も心の準備はできますが、
突然にも近い状態からの他界だった為、その衝撃が強かったのは我々
にもひしひしと伝わってきました。
当時の我々は、少しでも故人を偲べるよう助言をしてきました。
葬儀が済んだ時、家族の個々から『温かく送れたから良かった』との
声を聞いた時はホッとしたものです。
故人が信頼していた人達が施行する葬儀だから、言われた通りにしま
すとプレッシャーの掛った葬儀でもありました。
あれから足掛け2ヶ月が経ちました。
新盆が来年の事もあり、葬儀後に家族と会うのは初めてに近いです。
その間は来館してもあえて顔を出さず、会わないようにしてきました。
物事には『時間』という薬以外は役に立たない事もあるからです。
僕が顔を見せれば、家族の個々から生前の思い出話しが出てくるのは
間違いありませんが、また家族を葬儀の時に引き戻す事になる。
思い出以上に大切なのは、個々が母親から自立することです。
きっと亡くなった、奥さんであり、母親でもあり、婆ちゃんでもある
故人も、その部分を心配していることでしょう。
『ほら、いつまでもメソメソしてるんじゃないよ。前向いて歩きな』
とでも言ってるかもしれません。
家族にとって婆ちゃんの死は、色々な事を学んだことでしょう。
》死は他人事でなく、家族にも終幕が訪れるという現実
》その現実は、ある日突然やってくる事もある現実
》母として、祖母として、支えてくれた日々への感謝
》家族を支えるとは、の実践を何十年にも渡ってみせてくれた感謝
》自分達が受けた愛情を、自分の家族や子供達に伝える自覚
そして、いつか必ず迎える家族との別れを知った事で、日々の生き方
毎日の過ごし方、家族への考え方などを改めて感じたことでしょう。
精一杯の愛情を注いでくれた故人を忘れる事はありませんが、過去に
縛られてもいけません。 『ありがとう』の感謝の心を、いつも持ち
ながら我が人生の前を向き歩き続ける事が大事であり、自分が受けた
愛情を子供達や孫達に伝えていくのも大切なことでしょう。
家族全員が、毎日を元気な笑顔で過ごす姿を見せ続ける事が、何より
故人の供養になると信じて、後に残る家族の一人、一人が我が人生を
精一杯楽しみ、謳歌する事が一番大事です。 そんな姿を全員が見せ
られたら、きっと婆ちゃんは笑顔で見守ってくれることでしょう。
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