今回の話に出てくる夫婦は、昨日遺骨を持って来館され、ブログに書く
かなぁと言う僕に「書いてください」と了承を得ていますから、詳しく
書いても問題はありませんが、業界にある体質そのものが問題なのです
から、寺の名称は避けますが、良く考えて欲しいと思う。

8月の盆明け、いつものように会員さんから対象者逝去の知らせです。
8月は毎日の搬送が続き、葬儀や火葬の合間に搬送するパターンが多く、
いつもより30分から、長い時は1時間ほどお迎え時間が遅くなる日も
ありました。

あんしん館に到着すると、内容が決まっておらず打合せ後の安置です。
聞くと夫婦ともに北海道の出身で、亡くなったご主人の母親も北海道の
方であり、北海道に寺もあり墓もあるというのです。

なら、とりあえず『直葬』だけして、後はどうするか相談すれば良いん
じゃないの?と伝える。

でも旅支度くらい整えてあげ、読経と戒名はつけてあげたいと言う。

そこで「戒名を付けて貰う事はできるけど、その戒名のまま墓に入れる
のは難しいと思う。 中にはそのままの戒名で良いと言ってくれる寺も
あるけど基本的には納骨読経だけで10万円掛るよ。 中には納骨だけ
でも50万円なんて言う寺もあるけど、そんな寺は抜けたほうが良い」

と伝えましたが、それでも良いからと、枕経と戒名と湯かん納棺を行う
家族葬パックに決まりました。

すぐにベッドの安置作業を始めますが、手と足がパンパンに膨らんでる。
点滴のし過ぎ? 一歩間違えば皮が破れて体液が吹き出そうです。
過去に一度ありましたが、独特の臭いはするし布団類全て駄目になった。

合掌も指先だけ組ませ、バンドで止めてある・・・
すぐに合掌は外し、湯かんまでに少しでも水が引いてくれる事を願う。

多少のむくみは仕方ないと思うけど、破裂しそうなほどになるまで点滴
するってのはどうなんだろうと思う。 点滴液が減っていれば良いって
もんじゃなく、手足の状態も確認すべきだと思うけど・・・

翌日の湯かん前、再度手足の確認をすると、足を持ち上げようとしたら
指が皮を破ってしまいそうな感じです。
そこで家族に手足を確認して貰い、旅支度を整えるか、手足の上に置く
だけにするかを家族に決めてもらいました。
手足の上に置くだけとなりましたが、賢明な判断だったと思います。

いつものように、笑いあり、泣きありで和気あいあいとした葬儀の時間
となってくれ、翌日の火葬の待ち時間では「温かく送れたし、良い葬儀
ができて本当に良かった」と喜んでくれたのです。
あとは『ゆうパック』で焼骨を北海道に送り納骨すれば完了・・・
のはずでしたが、数日後家族から散骨と永代供養墓納骨を依頼する電話。

葬儀後は全て千明が対応するのが、うちの流れですが特殊なケースの為、
直接聞いてみることにしました。

「〇〇〇宗の寺の戒名でなければ入れられない」と言われたと言う

なら「戒名を付け直して貰えば良いだけじゃないの?」

ですよね。それを言うと「葬儀も同じ宗派でなければ駄目だと言うし、
結局は葬儀を全てやり直さないと墓に入れないって事ですから、50万
とか払えって事らしいから止めたんです」との事でした。

間接的に聞いてる事ですから、何処まで正確か分かりませんが、葬儀が
どうのと言っても、群馬県で逝去した訳ですからね。

北海道まで遺体を運んで、なんて事になったら、いくらの費用が掛かる
のかって事だし、群馬で葬儀したり、火葬するのは当然の事です。

この話しを聞いたままの内容で僕が解釈すれば・・・

ようは、葬儀をした時に要求する布施を額面通りに欲しいって事です。
でなければ墓に入れないってのは人質をとってる側の『脅し』です。
しかし、寺の予想は外れ家族は尻をまくったという流れでしょう。
強欲過ぎて、一銭にもならなかった寺の話です。

例えば・・・・

『本来は菩提寺であるうちで葬儀されるのが通例ですが、群馬に住んで
おられたなら仕方のない事、布施も葬儀も費用が掛かった事でしょう。
とはいえ、納骨となれば他宗での葬儀や戒名という訳には参りませんの
で、改めて当方で読経させて頂き、戒名を授与させて頂ければと思うの
ですが如何でしょう。 本来なら50万円が当院布施ですが、お話しの
内容はよく分かりましたので、ご家族はお越しに成らなくても、戒名と
葬儀、納骨まで全て当方で行い20万円の布施でさせて頂きますが・・』

あくまで僕の例えでしかありませんが、家族にとって20万円は決して
安いとは思わないでしょうが、金額的には仕方ないかなの範囲でしょう。
更にこんな言い方をするだけで、住職の人柄に感謝されることでしょう。

この家族・・・墓参りで行く以外、寺と付き合う事はないでしょう。
寺にしてみたら、実質檀家が減り、収入も得られなかったわけです。



相手の事が考えられない人が、宗教者になってはいけません。
利己主義の人、我がままな人、人として問題のある人なども含め、誰で
も僧侶になれる事そのものが問題なのかもしれませんね。
・・・僧侶になって煩悩を払うって事もあるから、僧侶になるではなく
寺の住職になってはいけない人・・・かな。


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