10年くらいの近未来予測については、多少人様より長けてる
部分のように感じますが、商才については全くの凡人であると
明言できるのが武井という人間です。
35才で起業してから、地域の名士と呼ばれる人達との出会い
などにも恵まれたにも関わらず、僕の嫌いな人種だと避けたり、
それを踏み台にして成り上がる・・・的な発想は全く持たずに
きた訳で、客観的に捉えれば自社の成長を経営者自らが拒んで
きたようなものです。 どう考えても凡人でしかありません。
分かり易く言えば、大きな事業のできる器で無いってことです。
だからと後悔している訳ではありませんから、多分根っからの
凡人なんだろうと思います。
ただサラリーマン時代から10年後はこうなるはず・・・
という感覚だけは少し長けていた事が、何とか事業を存続して
来られた要因のひとつだろうと思います。
また商売屋に生まれ育ち、仕事も小売業、卸売業の中で生きて
きた事で、経営者や先輩から色々な商売に対する考え方、理念
というものを良くも悪くも見せて貰えました。
ただ正直なところ、建前言葉の羅列、理想だけの理念など納得
できる経営理念のほうが少なかったです。
営業会社は売れる話法、集金、利益の確保などがテーマでした。
小売業では顧客のニーズに応えての売上増がメインテーマです。
売りに行く仕事と、買いに来て貰う仕事では、立ち位置が違う
ことに気付きました。
営業は物より自分を売るほうが売り上げは上がります。
極端な話、あなたが勧めるなら買うよ・・・って感じです。
一方、小売業は人間性より商品と価格が最優先します。
極端な言い方をすれば、販売員は誰でも良くて値段と品質には
妥協しないのが消費者です。
葬儀業界はどちらにも属しません。
近しいとすれば、医者、占い師、などでしょうか・・・
依頼に来た人は言いなりです。
料金が高い・・・ 腕が悪い・・・ 当たらない・・・と思う
人は最初から来ないだけの事ですし、最初から売り手側が断然
有利な状況下から始まります。 ある意味、特殊な職業です。
なら楽で良いかと言えばそうではありません。
医者は治せないと判断されたら『藪医者』のレッテルを貼られ
患者は来なくなりますし、占い師も同様でしょう。
ところが葬儀屋は、適当な事をし、支払いは家族だからとやり
たい放題をしても、葬儀という特別な儀式感覚が、仕方ないと
思わせるようで、それが今の葬儀業界を創り出したのです。
しかし、いくら葬儀業界は特殊だと言っても、雑な仕事をして
高額な料金を請求し続ければ、評判は落としますから依頼者は
どんどん減るのです。 昔は盛大に事業していた葬儀屋さんが
今は暇になっていたら、こんな葬儀をしてきたって事です。
いつも大手に対しては、悪口のほうが多いですが、ある面では
凄いとさえ思うのです。 僕にはできないからです。
大きな資本を投資し、大きく豪華な建物を建て、沢山の人達を
雇い、高額な葬儀をしても尚、依頼者が減らないとしたら・・
凄い商才だなぁ・・・って思うのも本音です。
でも僕に、その能力は無いし、きっと大手葬儀社にとって、お金に
余裕の無い人達の葬儀は対象外なのでしょう。
しかしこれは悪い事と思わないし、極当たり前の商売感覚です。
ただ稼業の倒産依頼、小市民として過ごしてきたからでしょうか、
僕に出来るのは下記商道の原理原則だけでした。
『より良い物をより安く』これが商売の原理原則でしょう。
『良い物』と『安い物』は反比例しますし、誰から見てなのか
によっても全く違うものになります。
僕自身を考えても分かります。
以前の法人経営者時代、車はセルシオ600万円、靴は自分が
履きやすいメーカーの物で、当時2~3万円ほどだったと思う
のですが、同じ物を数足づつ注文しておきました。 ついでに
ポロシャツは3万円ほど、ネクタイはダンヒルで15.000円位
だったように思います。
ところが、今は乗り出し28万円のガイヤ、靴は数千円のもの、
ポロシャツは980円程度、ネクタイはしません・・・
収入水準によって同じ人間でも異なるのです。
でも以前ならこうだったのに・・・という感覚は皆無です。
きっと元々が物やお金に対する執着が薄いんだと思います。
それは稼業が倒産を経験した事で、執着しない事が自分自身を
守ることに繋がると・・・自然に学んだのかもしれません。
そんな僕から見ると、余裕の無い人達を対象とした原理原則が
一番分かり易く、利用者の感覚も理解し易かったのでしょう。
最低限必要な物は全て備え、誰が見ても違和感の無い物を使い、
時間や日を選べない人の死でも、追加不要な設定をした上での
低料金設定が『より良い物をより安く』になると考えました。
読んで分かるように単純で素朴な商法を取り入れてます。
そこにあるのは全てが利用者目線で設定したものばかりです。
但し、葬儀の詳細に拘りのある人の依頼は受けません。 その
理由は単純明快、そんな費用は貰っていません。
だから葬儀の大枠は作ってありますが、葬儀の良し悪しを決め
るのは細かい内容でなく、そこに集う人達によるからです。
これに対し多くの人は、自分目線で見て、自分の感覚で料金を
設定し、押し付けの『安いだろ』『良いだろ』と迫る・・・
自分で設定した料金と内容って、自分が利用者なら間違いなく
利用すると思うものでしょうか・・・ 対象者の人の大多数は
利用したいと思って貰える内容と料金なのでしょうか・・・
ブログを読んでくれる方が富裕層なら、話しは違ってきますが、
もし余裕の無い現在であるなら、あんしんサポートのパックを
ひとつ、ひとつ、内容と料金確認してみれば分かります。
確認した人が業界の人なら、これでやっていける?って思うの
かもしれませんが、消費者にとっては業者の経営が成り立つか、
成り立たないかなど全く関心は無いのです。
中島みゆき『わかれうた』の如くなのです。
『人ごとにいうほど、たそがれは優しい人よしじゃありません』
消費者はそれほど、優しくないし、自分勝手だし、利己的だし、
お利口さんで非常な存在だと思って間違いありません。
でもそれが消費者なら、その感覚を利用すれば良いと思った。
それと頭を下げるのが嫌いだし、人が喜ぶ姿を見てると自分も
嬉しくなる性格の全てを合算してみると、その答えは意外にも
簡単で、それが建前ではない『家族目線の徹底』だったのです。
起業した事業が思わしくない・・・
年々売り上げが下がっている・・・
これから起業しようと思っている・・・
現事業者、事業者を目指す人で、特別な能力に自信の無い人は、
今回のブログを良く読んで、何が言いたいか考えてみると良い
ように思います。 最後に僕が言いたいことは・・・
『自分を殺さず、自分に合い、無理をせず、続けられる事が大事』
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