世の中には様々な理由で、見知らぬ土地で生きている人達もいて
何事もなく生活している時なら、どうってことありせんが、逝去
すると色々な部分が表面化してくるものです。
今回2度目になりましたが、訳ありの人達に仕事を提供している
会社があります。 法的には分かりませんが、仮に問題があった
としても世の中には必要な会社に思えます。
一般的には住所不定や、身元保証者がいなければ採用される事は
ないですから、その人達は日雇いでしか稼げません。
その人達に住居を貸し与え、仕事をさせ給料を払ってくれるので
すから・・・世の中は綺麗事ばかりではありませんし、建前とか
法律で決めたからと全てが通用する訳ではありません。
問題はそんな人達が逝去した時なのです。
火葬するには死亡届出書の提出が絶対条件ですが、申請者として
記入できる人は限定されています。
親族,同居者,家主,地主,家屋管理人,土地管理人等,後見人,
保佐人,補助人,任意後見人 だけが申請者となれます。
親族はすぐに行政が探しますが、拒否される事のほうが多いです。
後見人以下は関係ありません。 すると、独居者の場合、家屋管
理人,土地管理人だけが残りますが、これも様々な事情で依頼が
できないとなると、あとは行政が申請者となるしかありません。
まず警察が入ったら親族以外に遺体を引き渡す事はありません。
その場合、市役所等の福祉課に引き渡す形になり、費用を出して
くれる人がいれば、行政から引き渡される事になります。
但し形式だけですから、実際は警察から葬儀社が引き取ります。
結局、行政が承諾すれば上記の中から、可能な申請人項目として
支払いする方を申請者とするわけです。
また病院の場合なら医院長が家屋管理人として、施設に於いても
同じでしょう。
今回も色々ありましたが、無事火葬までこぎつけました。
ただ市役所内での報告は毎度の事ながら出来ていません。
課が違うと報告もしておかないのは我々には解せません。
福祉課で許可しておきながら、死亡届を受理する市民課には連絡
さえしない・・・どういう感覚なのでしょう。
依頼した雇い主は面倒見が良く、火葬後は自分で建てた墓に入れ
てあげるのですが、今回は十数年秘書のように仕事もしてきた人
のようで納得できる。 しかし前回依頼された故人は会社の金を
使い込んだ人だと、経営者でなく、社員の人から聞かされました。
そんな人でも最後は墓に入れてあげたようです。
世の中、日の当たる場所だけで成り立っているのではありません。
日陰に生きる人達はいくらでもいます。
多くの人達は、そんな人を敬遠するし、時に軽蔑さえしますが、
明日は我が身だと知るべきです。
ホームレスや、日陰で生きる人達の多くは好きで、そんなことを
しているのではありません。 かつては高級車に乗り、高額収入
だった人も沢山います。 ただちょっとした判断ミス等で会社は
倒産、家族は離散、逃げるように見知らぬ土地に流れ着き、今を
生きてる人達だったりするのです。 中には皆さんもテレビ等で
何度も顔を見ていた人だっているはずです。
多分・・・稼業の倒産で蒸発した僕の父親もそうだったでしょう。
世間から逃げるような事をしたのですから、褒められることでは
ありませんが、今の境遇や結果論だけで判断せず、その人の持つ
人間性で判断するくらいの器は欲しいものです。
まだ50代で、ガッチリした体格の故人でしたが、本日午前9時
警察署にお迎えにいき、そのまま火葬場に搬送し火葬炉に入る。
会社の人達は焼香だけして仕事に行って貰いました。
焼骨は納骨する数日後まで当方で預かることにしました。
普通の流れで火葬できない人達は、僕から見ると弱者の人達です。
きっと自分の死後を心配しながら生きている人も多いでしょう。
だから、あえて言います。
元気なうちに死後の計画を全てしておくべきです。
自分が生きて元気なうちなら、その時の対処法を考えられます。
今回のように50代で頑強な人でも、心臓が止まればアウトです。
『転ばぬ先の杖』・・・きっと自分の心が軽くなりますよ。
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