供養について考えるきっかけとなったのは設立当初の葬儀だった。
自宅に安置された故人の横に三段の自宅祭壇が置かれたが、祭壇
には何の飾りもなく、確かに少し寂しい感じはあったけどさして
気にすることも無く、僕の中ではどっちでも良いことだった。

しかし、それを見た家族が独り言のように言った。
「お金が無いから仕方ないよね・・・」
その言葉を聞いた時『はっ』と思った。 
僕にとってはどうでも良いことだけど、お金が無くて供えてあげ
られない家族にとっては辛いことなんだと・・・

事務所から灯篭飾りと、菓子盛を持ってくるように指示を出して
祭壇を飾る。 賑やかな祭壇になったが家族から言われた。

「武井さん、飾ってくれた飾り類、恥ずかしい話だけど、お金が
無いから持ち帰って貰って良いですか?」

家族には何も言わず飾ったのだから当然の言葉でした。

「あははっ 心配しなくて良いよ。 飾りはうちにある物だから
事務所に置いてあっても、ここに飾ってもおいても一緒だかさ、
僕の好きで飾った物だから費用は掛かりません。 ただし葬儀が
済んだら事務所に持って帰るけどね」 
サラッと話すと家族は安堵の笑顔で「ありがとうございます」

これが、祭壇飾り類を実質無料でレンタルするきっかけでした。
そして供養の在り方について考える事にも繋がったのです。

無駄に大きな祭壇は何の為?
祭壇飾りを買わせる為か、、、 虚勢と見栄の為か、、、
そう考えると、葬儀品の1つ1つが理解できない物ばかりです。
祭壇に何万円どころか、何十万円もする生花を飾るのは何の為、、
数千円もする料理を出すのは何の為、、、
僧侶を呼んで50万円も払って読経と戒名は何の為、、、

何を見ても『葬儀は宗教儀式にあらず、家族で送るものなり』が
根底にある僕にとって、納得できるものではありませんでした。

宗教者の読経と戒名については、宗教儀式として葬儀を捉えれば
理解はできますが、布施と呼ぶには金額があまりに高過ぎです。

今あんしん館式場の祭壇には以下の物が飾ってあります。
『回転灯篭3対』『バブル灯1対』『白灯篭一対』『菓子盛1対』
『造花2対』『四華花1対』『金属制釈迦像1体』『A2サイズの
電照十三仏』『キラキラ回転灯1対』全て実質無料レンタルです。

これらは、どう考えても葬儀に必要な物ではありません。
使うとすれば盆くらいでしょうが、本来の盆提灯とは違います。
ようは葬儀の時だけ賑やかなら良い訳です。 だからレンタル・・・

ついでに言うと生花スタンドも、どっちでも良いものです。
献花したい人の多くは名前を出したいのが本音のようです。

生花、灯篭、供物を供える多くは、供養というより祭壇の賑やかし
であったり、自分の名前を出したいからだったり、他の人がしてる
から自分も仕方なく・・・が多いんじゃないかな。
その供物代を現金で渡してあげるほうが家族は嬉しいのが本音。









でも故人を偲び供養で何か供えたいと考える人もいるでしょう。
だから、無料レンタルで無くて良いから、葬儀社は低料金でレン
タルし、レンタル品に名前を張り出すとか、別紙に『献花・金壱萬
円・□〇△〇様』とでも書いても良いんじゃないかなぁ。
仮に三千円でレンタルしたら、七千円は家族に現金が入ります。

生花も一緒、棺に入る花は限界があるのです。
式場にズラーッと並んだ生花スタンド・・・ 
これ全部お金で貰えたら家族はどんなに助かるでしょうか・・・

昨日も、余命数日と宣告された家族が、入会と相談に来館し話しま
したが69.000円直葬で良いと伝えると安堵していました。

これで入院中のご主人にもしもの時が来たとしても、慌てる事なく
費用の心配をすることも無くなり、今という時間を雑念を持たずに
有意義に過ごして貰えることでしょう。

そう、この夫婦の葬儀はすでに始まっているのです。
死後費用の心配が解決されたことで精神的には相当楽になります。
これから、どれくらい2人の時間があるかは、神のみぞ知るですが、
ご主人との時間を雑念なく過ごせることでしょう。

いつも言うように供養にお金は掛かりません。
供養の根底は『故人の事、忘れないことです』が、これは逝去後
の話しであって今は存命中なのです。
1日、 1時間、 1分を大切にすべき時なのです。

この家族に今、あんしんサポートがすべきこと、それは逝去後に
掛かる費用の不安を取り除いてあげることが第一です。
そして逝去後は、後々家族の生活に支障の無い葬儀を提案し施行を
するのが、安心して成仏できる事に繋がり、故人の供養にもなる。

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故人の供養を本気で考えるなら、供物や花を供えることよりも、残る
家族の生活を考え、少しでも葬儀費用の足しにと、名目は花代でも
何でもいいから現金を渡してあげるべきだと思うけどな・・・
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そして、これが本日の回答です。


これからの時代、綺麗ごとや、建前や、過去の慣習に囚われるより、

葬儀を行う家族にとって本当に必要な事をする。

そんな考えかたと行動が必要な時代に突入しているのです。

この考え方、葬儀社にとって決してWelcomeな事ではありません。

それは、葬儀を生業とする あんしんサポートにとっても同じです。

でも、それが必要な時代が訪れ、そう望む家族は間違いなく増える。
だから、あんしんサポートは葬儀支援センターと名乗るのです。


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