1400話を超えて日常の出来事、その時々の自分の思いなどを
書き続けているのですから、まぁ、似たような内容は何回も重複
しているのは間違いありませんが、日誌だから当然とも言えます。
1月半ばから2月12日まで葬儀が続き、昨日待たせていた方の
事前相談等でバタバタ動き、14日墓誌彫りは1件ありますけど、
ようやくホッとできる日がやってきました。
この1か月は、いつも以上に様々な家族の葬儀があったからなの
でしょうか、僕の中で『葬儀の原形』が明確になってきました。
言ってる内容は10年前と一緒なのですが、10年間に施行した
葬儀の家族背景も積み重なり、より重みあるものになりました。
また僕の主張する葬儀は、施行をする側(葬儀社)の持つ条件に
よって三通りに分かれるだろう事も分かりました。
これから各葬儀社の事を書きますが、まともに葬儀出来ないとか
悪名高き葬儀社などは論外として考えてください。
『完全商売の葬儀社』
圧倒的多数、99%はこの部類の葬儀社です。
表面的には、さもさも家族の味方のような事は言いますが、その
実は完璧に商売でしかありません。
お金に余裕のある家庭なら、さして問題はありませんが余裕無い
家庭にとっては最悪な葬儀社となるでしょう。
霊感商法、誘導商法を当たり前のように駆使します。
通夜式を行い、祭壇の前で僧侶が読経して、家族は弔問客に頭を
下げるのと、親族等への雑用に追われる葬儀、ようするに現行に
多い葬儀が良いと思う方は、何処の葬儀社でも問題ないでしょう。
『気持ちはあるが現実が追いつかない葬儀社』
少数ではありますが、僕の主張に近い感覚を持った葬儀社も実在
するのは確かなようです。 日本で僕だけが主張する何てことが
あるはずもなく当然のことですが、理想と現実が一致しない・・・
或いは一致できる現状に無い葬儀社です。
分かり易く言うと『食える状況に無い』とか『借金等で稼がなけ
れば経営が成り立たない』ってことです。
上記葬儀社よりは間違いなく、利用者からみれば良心的だろうと
思いますが、食えるようになったから・・・ 借金がなくなった
から・・・と、料金を下げる事はまずないでしょう。
『僕と意を同じくする葬儀社』
残念ながら同じ感覚を持ち実行している葬儀社は知りません。
多分、似たような・・・はあるでしょうが、同じは無いだろうと
思っています。 僕の視野が狭く間違っていたらごめんなさい。
上に『・・・と、料金を下げる事はまずないでしょう。』
と書いたのには理由があります。
理事やお世話になった人達とのやり取り、そのものだからです。
設立が決まり、定款を作り、料金設定の段階になった時、7万円
だった国保からの葬祭費が5万円に下がるのと同時期でした。
そこで5万円火葬支援パックを提案したわけです。
当時全国全県を調べても最低10万円位だったと記憶しています。
皆さんは心配してくれ、こんな風に言われました。
「武井さんの気持ちは分かるけど、まずは10万円で設定をして
経営が成り立ち、もっと下げても問題ないと確信したら値下げを
すれば良いんじゃないの? 10万円だって充分安いでしょ」
この提案その通りだし安全策だと思いました。
しかし拒否した訳ですが、その理由は以下の2点からでした。
『第1ポイント』
葬儀で商売がしたい訳でなく、人が生まれりゃ死ぬのは当たり前
なのだから、本来行政が火葬までは責任もって行うべき事と思う。
しかし現状は高額な金が掛かり、死後費用の心配をしながら生き
ている人が大勢いるのだから、せめて国保から支給される葬祭費
だけで火葬できれば、一銭も無くても焼骨にはなれる・・・
死後の心配だけはする必要が無くなるはず・・・
『第2ポイント』
仮に10万円で施行して依頼者が沢山いれば、経営は楽になるし
給料もしっかり貰えるし、設備等も充実できるようになる。
その現実が分かってて尚、料金を下げる気になりますか?
皆さんは分からないけど、俺は料金を下げようと思わないだろう
から、結局は10万円から下がる事は絶対にない。
もし下げる時が来るとしたら、それは依頼数が減った時だろう。
しかし、それでは内情が全く違うし、根底から違ってくる。
だから『借金はしない』『5万円が実現できる設備投資をする』
どんなに理想を語っても、利用する人が大勢いなければ、事業に
成らないはず、駄目ならいつでも撤退できる体勢は崩さない。
これは10年後の今でも貫いている姿勢です。
30名式場、安置室3部屋、待合所1、駐車場20数台を有する
あんしん館は賃料を払って借りていますが、建設費も含めて当時
支払ったのは税込21万円だけです。
寝台車1台、霊柩車1台、軽自動車1台、軽トラック1台そして
僕が乗ってるトヨタガイヤ1台、計5台の車両と、永代供養墓も
保有していますが無借金です。
散骨場についてはNPO法人で所有すると、法人解散時が面倒に
なるので、うちの千明が所有し、あんしんサポートは借りている
図式になります(現時点では無償です)
簡単に言うと借金はゼロです。
極端な話し、明日「やーめた」と言えばそれで終われるのです。
勿論そんな事はしませんが、それだけ身軽な状態にしている。
ただ一人親方でも法人は厚生年金、社会保険が強制加入となって
いましたから、昨年から社会保険に切り替えました。
納得できない法律でも、法律は法律ですから、とりあえず従った
上で問題があれば次の手を打つのが武井流です。
今回一番言いたいのは次のことです。
あんしんサポートは設立から数年間、施行数は増え続けましたが
食えるところまで届きませんでした。 しかし会員数が増え続け
依頼数が増え、施行数が損益分岐点を超えた数年前から、食える
事業へと転換したのです。
5万円火葬支援パックを始めとして、全てが低料金設定ですから
普通の葬儀社の何倍のも施行が無いと食えません。 例えば、、
5万円火葬なら、全部利益でも5万円でしょ。
・夜中に起こされ2人で動く
・寝台車が動き、安定枕付搬送用シート使用
・ドライアイス15㎏
・線香具一式、安置具一式・安置所
・死亡診断書の届出代行(コピー)、火葬場予約
・山型フタ付布棺一式
・霊柩車搬送
・白7寸骨壺一式
・全行程の人件費・・・この全てが含まれるのです。
どう考えても、利益が少ないのは誰でも分かるでしょう。
これが食えるまでに数年掛かった理由です。
しかし予想通り、もしくは予想以上に入会数は増え続けました。
評判が評判を呼ぶと言いますが、90%以上が紹介となります。
そして、いつの間にか食えるようになると、無借金が本来の主張
だとか、目的を強烈に後押ししてくれます。
その結果、嫌な人、あんしんサポートで無くても葬儀できる人の
依頼は受けず、我々じゃなければ葬儀依頼できない人達を優先し
対応しているのが昨年から今年です。
医師から数日と宣告された会員さんが、連絡くれる最大の心配は
最終的には葬儀費用絡みなのです。
だから連絡のあった会員さんの依頼を優先し、我々の身体が拘束
される日数の多い大きな葬儀を他社に回すなどするのです。
この1か月はバタバタした日が続き、2人揃ってバテました。
この間は精神的にも、肉体的にも余裕が無かったからでしょうか、
全ての建前や、鎧を脱いだ『礎』が顔を見せたようです。
あれだけ葬儀を忌み嫌ってきた僕が、葬儀の世界に身を投じると
決意した当時、理事達を説き伏せて押し通した設立当初から持つ
強い思いである『礎』が再燃している自分に気づきました。
葬儀を仕事にする方々、それぞれに思いはあるでしょう。
どれが良いか、悪いかの問題ではありません。
これから暫くは『葬儀の真髄』by武井を書いてみたいと思う。
誰もが終幕後の費用を心配することなく、自分の人生を精一杯楽しめる世の中にしたい
創業者の思いを後世に伝え、当時何を考えていたか嘘のつけない自分日誌でもあります