先日NPOと行政の仕事もしている人から、葬儀お願いメールが
来た直後、本人から依頼電話が入った。
前橋から片道45分ほど離れた市の病院で、お父さんが亡くなっ
たが余裕がなく火葬だけの葬儀をしたいと言う。
ちょうど事務所で仕事をしてたし、午前12時過ぎの搬送だから
火葬の依頼なら問題ないと承諾した。
葬儀は夫婦と小さな子供2人の4人で送る火葬でした。
待合所に案内して暫し仕事の話しをする。
子供達が自然体験をするようなNPO法人を夫婦でしてるらしい。
あまり突っ込んだ事は聞かなかったけど、自然体験のNPO法人
だけで、どうやって食ってるんだろうと思った。
参加費を徴収したところで、たかが知れている・・・
到底食えるレベルではない、とすれば助成金や募金かな!?って
とこだろうが助成金や、募金の分配金は安定した収入ではない。
あとは寄付金だろうが、それほど集まるとは思えない・・・
ご主人が自分達の活動内容を、ハツラツと話している間は黙って
聞いていましたが、何を聞いても・・・どう聞いても食えるとは
思えず、話しが途切れた時に聞いてみた。
「我々より長い活動期間の人に失礼な話しだけど、その活動で食
えてるの? ・・って言うか、それで14年間も続けられている
ことのほうが凄いと思うんだけど・・・」
すると「確かに・・・子供達が小学校に行くようになったらどう
しようかと思うのが本当のところです。 厳しいですよね」との
話しに、本音だろうと思えた。
そこで周辺の3市を対象にすれば、60万人程度の人口にはなる
だろうから、葬儀の仕事をすれば良いと勧めた。
夫婦で行えば家族が食えない事もないし、子供達が小学校、中学、
高校、大学と進学しても、あんしんサポートなら食えるくらいの
収入は得られるはずと話しておいた。
久しぶりにNPO法人を運営している人達と、NPO設立を考え
ている人達に言いたい。
》NPO法人にするのはナゼですか?
》NPO法人にするメリット、デメリットを考えてみましたか?
》NPOは助成金で運営できると思っていませんか?
NPO法人、群馬県に850法人ほどあり、全国5万法人がある。
しかし休眠中のNPOが半分はあるんじゃないかな・・・
更にその半分以上は自力で食えないんだと思う。
またNPOの数割は僕らが見てもうさん臭い。
何で半分も休眠してるか?
ネットで検索したらメリットとして以下があげられていた。
①個人よりも社会的信用が得やすい
②契約の主体となり、団体名義で契約、登記、口座開設ができる
③所有の主体となり、団体として財産の所有ができる
・これはメリットとは言い難い、法人解散した場合も考えよう
④公的施設の利用料が減免される場合がある
・こんなの殆ど無いだろうと思う
・収益事業をしていれば地域の公民館さえ借りられない
⑤指定管理や公共事業の受託の可能性が高くなる
・これも現実には無いと思っていい
⑥領収書などの印紙税が減免される
★これは確かにメリットだと思う
⑦会費や寄付金が課税対象外になる
・これも一概にYESとは言えない。会費については内容次第だ
⑧職員採用が有利になる場合がある
・まぁ、無いわな・・
⑨助成金・補助金の応募要件に法人格を求められる場合がある
・この部分はその通りですが、だから助成金がある訳ではない
⑩広報に取り上げられ機会が増えることもある
・これについては、お遊びや趣味のNPO限定だろう
一方デメリットは結構ある。
・毎年法人内容も知らない県庁職員に決算報告を出す義務が発生
・法人税は株式会社と同じ
・法人解散には金が掛かる(だから休眠が多いんだと思う)
・法人だから一人でも社会保険強制加入の義務あり
正直なところNPO法人だからのメリットはさしてない・・・
にも拘わらず、安易な感覚でNPO設立が多いのは、単なる認証
制度だからだと思うけどなぁ・・・
認証とは『所定の手続きが決められた通りにできてる』これだけ
なのだから誰でもNPO法人は作れると思っていい。
活動内容の制約がある・・・なんて言う人もいるが、普通の商売
なら大抵の場合、理屈が付けられるから問題はない。
だから、うさん臭いNPOがいくらでもあるわけです。
さて、これからが本題です。
しかし、社会貢献を本気で考えているNPOは実在します。
上に書いた子供達に田植えをさせ、稲を育て、米を収穫して食う。
自然の中でこんな経験をさせたい・・・そりゃ良い! と多くの
人達が賛同はしてくれますが、専従者は食えません・・・
だから諦めろとは言いませんが、食える事業をして、食える中で
自分達のしたい事をする・・・こんな考え方をしなければ存続は
できないと思っていい。
設立当初あんしんサポートも同じでした。
理想は高々と掲げはしても、低料金、低利益では食えない・・・
でも、僕の計算では必ず食える時が来るというものでした。
設立から9年目の今、普通に食えてます。
いまだに施行数は130%の伸長率って凄いことなのです。
さらに嫌な仕事を断ることさえできるようになっています。
趣味の世界や、自己満足のNPOは好きにやれば良いでしょう。
しかし生活を掛けてやっている人達に言う!
助成金や寄付を当てにしているようでは事業にならない。
まずは自分達だけで食える事業をし、行政も含め誰も文句を言え
ないだけの事業にするのが大前提です。
社会貢献、奉仕の心があるなら、あんしんサポートをやれば良い。
普通に食えて余裕ができたら、したい事をすれば良い・・・
どちらも定款でうたえば良いだけの事、じつに簡単なことです。
ついでに言うと、葬儀のノウハウは全て揃っています。
丸投げした葬儀社の言う通りなら、僕らの動き、話しを見て真似
できれば、利用者が信者みたいになるらしいから、極普通に考え
れば、絶対の言葉が使えるくらい食えると思うけど・・・
今朝は9時30分から納棺師です。
朝型人間じゃないけど、今はヴィヴァルディの四季を聞きながら
ブログを書きながら心を平坦にしています。
穏やかな心は顔に出ますから、家族が僕の顔を見るだけでも安心
できれば、温かく送れる葬儀になる空気は作れますからね。
誰もが終幕後の費用を心配することなく、自分の人生を精一杯楽しめる世の中にしたい
創業者の思いを後世に伝え、当時何を考えていたか嘘のつけない自分日誌でもあります