ホームページは昨夜復旧したようで、今回は3年分支払ったから
暫くは安心ですが・・・ よく考えると更新が毎年じゃないから
忘れるわけで、、ま、プロバイダーが変わらなきゃ問題ない。

今日は友引でお休みでーす。
と言っても葬儀中に電話をくれた人達の事前相談入会が数件ある
から・・・と千明から言われました。 休みじゃねぇし・・・

この一週間は数年前に葬儀した家族だったり、NPO設立当初に
入会した家族だったりと、知ってる顔の多い週でした。
だから余計になのですが、相手も僕の事を知っている人達だから
最初から本音で話してくれます。

その中の一人は2年前に奥さんの義姉を家族葬で送った方でした。
70代も後半ですからお爺さんですが、今回は奥さんでした。

名前だけでは誰か分からず、病室に到着すると僕の顔を見るなり
「あ、武井さんお久しぶりです。 お世話になります」と挨拶を
されると見覚えのある人、ただ鼻に酸素チューブをしています。

「あれ? 酸素チューブ始めたの?」

「そうなんですよ、2年前は元気だったのにね・・・」と自分で
話してくれたので、僕の記憶に間違いないと分かりました。

前回は義姉でも家族葬をした人ですから、奥さんなら当然家族葬
だと思いましたが、安置をして、末期の水をとり、線香を供えて
もらうと最終の打ち合わせに入り、最初に確認に入ります。

「ごめん、2年前の時に奥さんもいた?」

「いや、もう入院してたから葬儀にはいませんでした」

「だよね・・記憶に無いから聞いてみたけど、奥さんは何年位の
入院生活だったの?」

すると娘さん達が「4年以上になります」と答えてくれました。

なるほどねぇ・・・ほんの少し考えて言いました。

「お父さんさぁ、奥さんの葬儀も大事だけど、4年間の入院生活
なら相当費用が掛かったはずだし、お父さん自身も酸素ボンベを
引いて歩く生活じゃない・・・ だから今回の葬儀は個室安置に
すれば家族や親戚が会えるし、その後は火葬で良いんじゃない?
自分の生活だって守らなきゃだし、酸素だけでなく医療費だって
これから掛かるしさ、お母さんもそのほうが安心して成仏できる
んじゃないかな」

幸い家族も賛同してくれて火葬だけの葬儀で決まりました。

前夜の夜お母さんが好きだった『餡子』と『ようかん』を棺の中
に入れてあげたいと、娘さんが持ってきましたが、手には化粧水、
粉のファンデーション、口紅を持っていました。

「化粧してあげていいですか?」

「どうぞ、どうぞ、娘が化粧してくれたら嬉しいよね」

と暫し見ていましたが、冷たい遺体の顔に化粧するのは初めての
事ですし、粉のファンデーションでは綺麗に塗れません。 それ
でも娘がした化粧だから良いかなと思ってみてる。
最後の口紅を塗り終わった顔を見ると、オバQのようなくち・・・

「・・・・・その口紅、もう少し何とかならない」

「駄目ですか、、お母さんいつも1時間以上掛けて化粧するほど
化粧が好きで綺麗だったんですよ・・・」

とスマホの写真を見せてくれると、小奇麗にした人が映っており
70代の写真だと言うのです。 だとしたら若く見えます。

僕に言われて化粧を直すのですが、よりひどくなる・・・

「分かった、なら僕が化粧してあげるよ」

化粧道具を持ってきて死化粧を始めます。
コンシーラ、ファンデ、ほお紅、口紅、最後に髪をムースで整え
全ての作業はわずか10分ほどで済みました。 すると・・・
「そう、これがいつものお母さんの顔です。 綺麗です、、あり
がとうございます」そう言って娘さんは泣き出します。

家族葬229.000円パックから、89.000円パックに変更はするし、
死化粧は無料だし、忙しいばかりで利益の少ない日々です。

でも火葬中の集金でお父さんが言いました。

「誰にも言ってないけど、年間40万ほどの年金だから、正直な
ところどうしようかと思ってたんですよ。でも武井さんが今回の
葬儀を勧めてくれて、ほんと助かりました。 ありがとうござい
ました。 今度は自分の時も宜しくお願いします」
半分笑いながら、半分泣きながらの本音でした。

「まだまだ元気で、これからは自分の人生を謳歌しなきゃね。
あと10年は楽しまなきゃだよ」 と笑いました。

こんな会員さん達が僕の仕事人生を後押ししてくれてるんです。
そう言えば、先日葬儀を紹介した葬儀社の社長が言ってました。

「武井さん所はお客とか、会員って言う感じじゃないですよね。
数日間葬儀で接して感じるのは信者ですよね」だそうです。



葬儀に対する考え方、家族毎に違う家族目線を最初から最後まで
ブレることなく貫き通す。 ただそれだけの事しかしていません。
たったそれだけで信者のように慕ってくれるなら、葬儀屋冥利に
尽きるというか・・・多分、葬儀を仕事にしている経営者ならば、
誰でも信者が創れるのが今の葬儀業界なんだろうと思う。

ん? たった今電話が入ってますが、対応してる千明の感じから
搬送が入ったみたい・・・ 間が良いというか、間が悪いという
のか、現在時刻10時過ぎ、、1時間後には市内の病院に向かい
ますが、電話の向こうで故人の旦那さんであるお爺ちゃんが言う
には「お金が無いけど、どうすりゃ良いんかねぇ」と言ってたら
しく、千明が「心配しなくて大丈夫ですよ」と言ってた意味が、
ようやく理解できました。 やっぱ休ませてくれないのね・・・

我々にピッタリのことわざ・・・
「貧乏暇なし」か「稼ぐに追いつく貧乏なし」10年間でどちらも

経験してきたように感じますが、現在はどちらでしょう。


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