ちと遅くなりましたが、気づいた事があるので書いておきます。
著書は縦書きPDFを転写している為、漢数字になっています。
すんげー読み難いですが、その点ご了承ください。
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家族目線なら見える葬儀の疑問【お布施・謝礼】
葬儀は神式・教会式、或いは無宗教式など様々な葬儀の形態があり
ますが、ここでは最も多い仏式で僧侶をお願いした時に発生する【布
施】を取り上げたいと思います。
初めての葬儀で、ど素人だったからか、お寺に行きお布施の交渉を
し、結果として三十万円が下がった事で、そんなもんだと思っていま
したが現実は違いました。初めに分ったのは【葬儀屋さんはお寺への
布施に関しては一切関わらない】という事で、聞けばお寺さんが拒否
反応をするらしいのですが、実際のところは分りません。
ですから、何も分らない葬家は、唯一の頼りである葬儀社に拒否され
、友人知人・親戚などから利用するお寺の布施相場を教えて貰うこと
になるのですから、ここでも言いなりが基本となってしまいます。
肝心の布施ですが、【布施】と呼ぶにはあまりに高額です。
葬儀経験者一一〇名に聞いた限り二十年以上前の経験者の中には、
院号付きで一〇万円だったと言う人もいますが、今は居士・大姉戒名
の場合、三〇万円~六〇万円で、平均四〇万円程度のようです。
信仰心の厚い人達なら四〇万円でも高くは無いのかもしれませんが、
普段会った事もなく、どんな人間かも分らずに、拝んで、戒名を付け
て貰うだけで四〇万円は、無信仰の僕にとってはあまりに高額過ぎで
すし、話しをしてくれた人達の大多数は、僕同様の意見なのです。
なのに、墓を建てたら、お坊さんに拝んで貰うでしょ?
という自称無信仰者も居るのです。
日本人は、子供が生まれると、おくるみに包んで神社に行き、七五
三で神社に行き、結婚式は教会で挙げ、亡くなると寺にお願いする。
実に不思議な国民とも言えますが、
その程度の信仰心なのが、一般的な日本人の姿だという事でしょう。
そこで一般の人達にどんなお坊さんが良いのか聞くと、こんな回答
が多かったのです。
一、葬儀・法要など必要な時に依頼し、普段の付き合い不要な人
二、一、と重複しますが、寄付の要らない寺やお坊さん
三、大柄な態度や話し方をしない、偉ぶっていない人という内容で
したが、一般消費者なら誰でも当たり前に言うであろう回答でした。
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現在の布施相場は、執筆時点より値上がりしています。
当時の相場として
『信士信女 15万円』『居士大姉 30~60万円』でした。
しかし、今は・・・
『信士信女 30万円』『居士大姉 40~80万円』ですかね。
院号は今も相場が有って無い戒名ですから別とします。
単純に金額だけ見ても高いですが、問題なのは信仰心です。
信仰の厚い人達なら、50万円が100万円でも良いでしょう。
何を新興宗教と呼ぶかの問題は別として、各新興宗教を見れば明白な
ほど寄付、寄進額は半端なく高額ですが、自分が納得して寄付をして
いるなら、他人がとやかく言う問題ではありません。
しかし葬儀に関しては、かなりニュアンスが違います。
自分の意思でなく、世間や、周囲に対して、或いは周囲からの中傷も
強く、家族だけの意見が唯一通り難いのが葬儀だからです。
布施の金額設定は根拠が全く分かりません。
布施は気持ち・・・ そんな寺は極々少数でしかありません。
何処もしっかり料金表を作ってあります。
また葬儀を始め、法要、祈願など、全て金を貰う事ばかりで、宗教者
と呼べる事をしているでしょうか?
だから最も料金の高い業者だというのです。
その結果が現在のように寺離れが増えて、存続できない寺が増えて、
宗教界でも意見が分かれて、崩壊しつつあるのですから、正に仏教の
熟語である『自業自得』を実践しているようなものです。
多分、自分達の生活確保を考えると、檀家数に対しての年間葬儀数は
机上ですが算出できます。 そこから導き出した金額かな?と思うの
ですが、圧倒的多数は近くの寺が集まって何となく出した金額・・・
そんなところでしょう。
自分達の生活確保だとしたら、無制限で僧侶を増やすシステムが問題
なのは明らかです。 人口が減っているのに僧侶が増えたら余るのは
子供でも分かる算数、上納金のシステムにも問題があるでしょう。
色々書くことは尽きないほど、突っ込める部分が多い宗教界ですが、
一般消費者は自分達の生活だけを考えれば良いのです。
寺が食えるか、食えないかは各住職の裁量です。
あんしんサポートに来てくれる住職の方が言うのに、うちに来るよう
になってから忙しくなったと言います。
時には忙しくて困ったとさえ言うのです。
僧侶といえども、時代を読み、時代に順応しなければ生き残れない。
そんな時代になったという事でしょうし、現行宗教界の流れは一般の
消費者にとって決して悪い傾向ではありません。
文末ですが、宗教者と十把一絡げで決めつける事はできません。
あんしんサポートをお手伝いしてくれている宗教者の方々もいます。
個々の個性もあるし、生格考え方も違いますが、宗教者というよりも
人としての優しさを備えておられる方達です。
葬儀社であれ、宗教者であれ、政治家や、公務員、どんな仕事でも、
大切なのは職業や役職でなく『人』としての資質なんだと思う。
誰もが終幕後の費用を心配することなく、自分の人生を精一杯楽しめる世の中にしたい
創業者の思いを後世に伝え、当時何を考えていたか嘘のつけない自分日誌でもあります