今日は午前の火葬一件だけですから、肉体的にも精神的にも
ゆったりしていますので、火葬炉に火が入るまでは待って、
待合所で集金の際に少し話しをしました。

昨日午前中に火葬した家族は、斎場内では話しもできません
でしたが、昨日の夕方、本日午前と来館された時点で必要な
話しは済ませることができひと安心です。

本日の火葬の家族は、最初から費用重視6.9万円以外は考え
てもいませんでしたが、昨日書いたように我々が忙しくて、
すぐに冷蔵庫安置も出来ませんでした。
でもその数時間は、個室で故人と一緒に過ごして貰えた訳で
バタバタ慌てはしましたが良い面もありました。

料金最重視な家族なだけに墓はあるか? 
墓が無い場合、遺骨はどうするかと気になっていたのです。

墓は親戚の墓所が寺にあり、そこに土葬すると言う。
「土葬!?って、、今火葬しちゃってるけど・・・」
「あ、そうですよね。 えっと、お墓の土に埋めるんです」
「あー、カロートは無くて骨壺を直接埋めるってこと?」
「はぃ、そうです」

土葬と聞いた時は、ちょっと驚きましたが希に骨壺を墓所に
埋める家はあるので、こんな風にアドバイスをしました。

》フタ付のバケツを購入して、骨壺を入れて埋めること。
・骨壺のまま埋めると泥まみれになるからです。

》埋めた場所に大きめの石を置くこと
・土中の骨壺は移動しますが、後で掘り出す時の目印になる

》寺の墓所なら絶対に費用は掛かるが、お気持ちでと言われ
 たなら、戒名は後で余裕ができたらお願いしますと言い、
 1万円~3万円包めば充分、穴掘りは石屋さんに依頼せず
 自分達で掘れる。 出来れば1m近く掘るほうが良い。
 また後日、家族の都合で、家族だけで埋葬することだけは
 寺に伝えておくよう伝えました。
 埋葬に寺が関わると費用が発生しますからね。

》納骨は49日に拘らなくて良いから、まずは自宅に置いて
 納骨の意思がまとまったら、お父さんと子供達と日程調整
 して埋葬すれば充分、塔婆など立てなくても良いと伝える。

》納骨は家族が集まり、息子達が穴を掘ってバケツに入った
 骨壺を埋葬、墓前に線香と花を供えれば良いとも伝える

》娘さんは都内で仕事をしてるし、他の兄妹も近所でないの
 だから、墓参りはお父さんに任せて、子供達は母親を思い
 出した時に手を合せる事、毎月28日の命日には『元気で
 過ごしてる事を、各々の生活場所で良いから、手を合せて
 お母さんに伝える事』が供養だと話す。

》最後に何か分らない事があったら、いつでも連絡するよう
 伝えて待合所をあとにしました。

》拾骨には千明が向かいましたが、いつもは僕が言う話しを
 家族にしたら、全員が箸でなく手で拾骨したそうです。
 近いうちに再入会に来るとも言ってたようです。

僕は金銭的に余裕の無い家族が一番気になります。
本当なら、こうもしてあげたい、ああもしてあげたい、、と
思うのが家族の本音ですが、でも出来ないと続くのです。

してあげたくても、出来ない事ばかりだと、心優しい人なら
自分を責めたくなる事もあるだろうし、故人に申し訳ないと
思う部分もあるでしょう。 

だからこそ葬儀は内容の問題ではない事、供養にお金は掛ら
ないが、心が無いとできない事、そして、例え火葬だけでも
温かく送れるし、本気で送ろうとする人だけがいれば良い事
などを、葬儀屋である僕のくちから聞けば、プロの人がそう
言ってくれた・・・と家族は安堵できると思うからです。

本日火葬された家族を事を書きましたが『これが家族目線』
と思える家族へのアドバイスでしょう。

僕がしているアドバイスや発言内容を良く見てください。
何か気づきませんか? 全て家族に最良と思える発言だけで
我々は勿論、寺からの目線は一切ありません。

当然、悪習やどうでも良い既成概念など触れもしません。


余裕の無い家族にこそ、徹底した家族目線発言なのです。

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