『儲けようと思ったら儲からないのが商売』何十年も前から
耳にしているし、何となく分ったような気でいた言葉・・・
事業している人なら、一度や二度は耳にした事があるんじゃ
ないかと思います。

前回の事前相談してない家族の依頼は、最初が打合せとなる
わけで、実に難しいし、いつもの家族目線が発揮できないと
僕が思うのだから、家族に伝わるものだって、いつもと違う
だろうと思える。 

家族は葬儀経験など無いのですから、違和感も無いし不満も
感じはしませんが、事前相談した家族とは現実が違う。

それを裏付ける依頼が翌日19日にあった。
午前5時過ぎ電話で起こされ、指定された病院へのお迎えと
安置、打合せと順調に進むと、朝が早かったし昨日は時間を
待って食事に行こうとしたら搬送だったから、今日は早めに
食おうと午後2時過ぎに出発すると、前日同様の搬送依頼が
入る・・・結局、昨日同様午後8時の食事となりました。

話しを本題に戻すと、
指定先の病院に到着すると早朝と休日の為、病室へのお迎え
でしたが、我々の姿を見つけると、事前相談をした家族達は
安堵した表情を見せます。

あんしん館個室に安置し、末期の水をとり、線香を供えると
葬儀の最終打合せに入ります。
初めは当方紹介宗教者で家族葬との事でしたが、どうすれば
良いか迷っている感じでした。 

そこで列席者数を聞くと家族3人だけと言うので、入院やら
自宅療養している時の事を聞く・・・ 生前家族は精一杯の
ことをしてきたと分り、なら、死んでから見栄も要らないし
後に残るお母さんの生活を優先した葬儀が、お父さんも安心
して成仏できると提案する。

最終的に個室安置、枕花、2L遺影、枕経、戒名、野位牌で
149.000円+税で決まりました。

昨日、午後6時からの枕経が済むと、家族3人と我々2人の
5人だけでの納棺、式場祭壇の前でお母さんも手を添えて、
家族が自分達の手で納棺し、着物、好きな食べ物、生花等を
入れて、お父さんの思い出を話します。

「こんなに温かく送れる葬儀は初めてです。本当に良かった
私の時もお願いしますね」と泣き顔だけど安堵の笑顔で言う。

こんな家族を見るといつも思う・・・
これが本来あるべき葬儀の姿じゃないかなぁ・・・
親戚や会葬者に神経を使い、宗教者と葬儀屋の為にしている
ような葬儀を当たり前と思っている人達に教えてあげたい。

葬儀は皆さんが知ってるものより、もっと温かく、穏やかな
時間の流れる・・・そして自分達で送れたと思え、安堵感の
漂うものですよってね。

安置直後、この家族と少し話しをする時間がありました。
「初めて相談に来た時、何も分らない私達に色々説明してく
れたり教えてくれて、費用も含めて、来る時は不安で一杯で
したが帰りは『安心』して帰ったんですよ。 本当にあんし
んサポートなんですね」と笑いながら言う家族・・・続けて
「ここの事は人に言いたくなっちゃうんですよ」と言う。

『あ、この人も同じような事を言ってる・・・』

そう、同じように言う人が多いですが、社交辞令だと思って
さして気にもしていませんでした。 似たような言葉だけど
少しニュアンスの違う言葉もあります。

「知り合いに紹介しますよ」と言った類の言葉です。
これは社交辞令に近く、まぁ、あてには成らない言葉です。

ところが、家族の言った「紹介したくなっちゃうんですよ」
間違いなく誰かの前で、あんしんサポートの話しをしてる人
でなければ言わない言葉です。 この人から話しを聞いた人
なら、葬儀を考える必要が生じたら、真っ先に家族に相談を
したり、うちに問合せをする可能性大です。

商売の定義は人により、業種により違うでしょうが、葬儀の
仕事ほど家族目線に立ち易い仕事はありません。
また家族の都合に関係なく訪れる葬儀なだけに、初めての事
だから何をどうして良いか分らず、費用も見当つかずなのが
多くの家族の本音です。

その現実と供養という言葉を巧みに使って、高額葬儀にして
いるのが葬儀社と寺なのは誰もが認めるところでしょう。

そんな中だからでしょうか、ちょっと家族目線に立ち、後に
残る家族の生活を考えた提案をし、その姿勢を最後まで貫き
通すだけで『家族自らの意思で宣伝カーになる』のです。

結果、家族からみても儲け優先とは違う次元の感覚になって
いるのでしょう。 商売とは思えない、時には慈善事業とも
感じるのかもしれません。

今回もそうですが、家族が僕の身体を心配してくれます。
もう少し料金あげて、人を増やし武井さん達も休めれば長く
続けて貰える。 と言った内容の言葉はとにかく多いです。

本日のテーマ『儲けようと思ったら儲からない』というのは
今のあんしんサポートような状況の事かもなぁって思った。

利益より、家族の事を考えた事業をしていると、我々が思う
以上に家族は感動してくれてるのかもしれません。
それを友人、知人、親戚に伝える家族・・・ 
その結果、依頼者が増え続ける・・・
一件当たりの利益は少なくても、数やれば食えるくらいの
利益はでるし、もっとやれば、より会員さん達が便利になる
ような設備投資に使える・・・すると更に会員数は増える。

『儲けようと思ったら儲からないのが商売』とは、裏返せば
一件当たりの儲けは少なくても、儲けより利用者の喜ぶ事を
続けていれば、利用者が増えてちゃんと儲かるよ・・・
って事を伝えてる言葉のように思えたのです。

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