今から10年前、嫌々でしたが、NPOあんしんサポートを
設立する事になり、東奔西走していた頃、極一部の支援者を
除けば、葬儀社、寺だけでなく一般市民でさえも『そんなの
できるはずがない・・・』とくちには出さずとも腹で思って
いるのが分るし、他人によっては『新手の詐欺か!?』何て
思われてもいたようです。
中には「千明さん騙されてるんだよ」と千明に忠告した人も
いたようですが、葬儀社始めませんか? と言い始めたのは
俺じゃなくて、千明だっつーの・・・と思ったものです。
素人の僕の中にあった素朴な疑問をひとつ、ひとつ形にして
いく事で、あんしんサポートの骨子ができました。
仕事着はポロシャツとジーンズだし、国保支給の葬祭費5万
円だけで可能な火葬パックを設定するし、寝台霊柩車の距離
不問設定、時間外加算なし、祭壇灯篭類は全てレンタルとか
今では当たり前にある散骨、墓閉じなど当時は業界の常識は
全て無視した結果となりました。
但し、、家族の希望要望には沿ったものばかりでした。
霊柩車を始めとして、仏具はヤフオクや楽天で買ったのも、
当時は驚かれたものです。 全ては低料金で高品質の葬儀を
実現する為の布石でしたが、その甲斐あって温かい葬儀だし
使用する物は高品質だし、それで超低料金の葬儀をして貰え
るのが、あんしんサポートとまで言われるまでになりました。
昔のブログを読んで貰えば分りますが、滅多に依頼の無い頃
葬儀が終わると、ご褒美として幸楽苑の298円のラーメン
一杯づつと、餃子と半炒飯のCセットひとつを2人で食べて
いましたが、昼食は2人とも手弁当でした。
とても食うには程遠い時期が3年間ほど続いたでしょうか。
当時は別の会社を持っていた事もあり、あんしんサポートの
収入など気にもしませんでしたが、相談しに来られる家族と
膝を交えて話す回数が増えれば、増えるほど感覚の差が気に
成り始めたのです。
自分はしっかり収入があり、お金が無いと相談に来る家族の
話しは聞くし、言ってる事は今と変わらないのですが、その
自分が嫌になってきたのです。 偽善者・・・のようでね。
それが会社を無償で譲る事になるのですが、冷静に考えると
自分でも『馬鹿じゃねぇの』って思ったのが本音でした。
食える保証もない、食えてる訳でもない、なのに何故全てを
捨て背水の陣を張る・・・自分でも理解はできません。
その時、あんしん館を設立するのですから、見様によっては
『お馬鹿なおっさん』と思われても不思議ではありません。
食える自信があった訳でもありません。
何どか書きましたが、今になって思えば何かに突き動かされ
ていたような・・・遠い昔の物語を聞くような感覚でした。
法人を全て引き渡し、あんしんサポートのみ収入源となった
24年11月から、何故かちゃんと食えるだけの収入が確保
し続けられているのだから不思議と言えば不思議です。
いつの間にか飯も食えるようになりました。
若干余裕も持てるようになりました。
入会者は年々増えています。
施行数も毎年増加しています(売上は落ちてるけど・・)
正直、先のことは分りません。
いつか食えなくなるのかもしれません。
でも今は、間違いなく右肩上がりの現実です。
でも料金は上げていません。 客単価は下げています。
但し・・・問題がない訳ではありません。
毎月『血糖値』と『肝機能』の定期検査をしています。
本日15日午後2時が予約だったので、昨日搬送した葬儀の
準備と本日火葬をこなし、午後1時30分病院に行き採血と
検尿を済ませ、検査結果を待っていると千明から搬送依頼が
入ったと連絡・・・担当医も僕の仕事を知っているので待て
ないから後日検査結果を聞きにくるからと伝える。
総合病院だから、看護師に告げたのですが、診察室の医師に
聞こえたようで、すぐに呼ばれ検査結果と次回の予約をして
戻りすぐに搬送、安置、市役所への届出は午後4時を過ぎて
いましたが、許可証発行までの時間で、今日も市役所近くの
ファミレスで初めての食事・・・
検査結果は、血糖値は抑えられているけど、肝機能の数値が
悪くなっている・・・こんな不規則な生活してれば当然だと
思うけど、この仕事を続ける限りどうにもならない。
なら人手を増やせば良いじゃん・・・その通りです。
しかし今の料金設定では続けられない、我々を頼りにしてる
人達、安心しましたと笑顔で、時に泣き顔で感謝する人達の
為にも2人で踏ん張れる所まで踏ん張りたいと思う。
個人葬儀社の人達に問う・・・
この文章を見てどう感じますか?
入会者は増え続け、葬儀依頼も増え続け、単価を下げてもか、
下げるからか、、右肩上がりが急坂のあんしんサポートです。
今の事業は、あんしんサポートと同じようですか?
伸びていますか?
毎日のように入会者が来館していますか?
葬儀をした家族からの紹介が圧倒的多数ですか?
・・・そして、食えていますか? 余裕がありますか?
明るい未来がありますか?
9年前から始めて、3年間食えなくて、4年目から食える
ようになって、6年目から急増が始まった・・・
これが過去10年間の推移です。
それで分った事があります。
事業とは、一般消費者の本音を知り、その本音に沿って少し
前を歩けば成功する。 少なくとも失敗はしないという事。
僕が業界の常識ではなく、利用者の希望要望だけを優先して
きた今、成長しているのですから、僕と同じ感覚の葬儀なら
『いつやるの? 今でしょ!』という事です。
時代は光速だと書きました。
何事に於いても成功には『才能』と『運』が無ければ成功は
しませんが、もうひとつ『時期』機を見る能力も必要です。
個人で葬儀を仕事にしている方々にとっては、千載一遇の
チャンスが到来しているように思えるのですが・・・
掴むか、逃がすか、それは経営者の自分次第です。
誰もが終幕後の費用を心配することなく、自分の人生を精一杯楽しめる世の中にしたい
創業者の思いを後世に伝え、当時何を考えていたか嘘のつけない自分日誌でもあります