前回ブログで『我々にとって事前相談は参考書的存在』だと
いった感じの内容を書きましたが、この2日間に来館された
家族にとっては我々以上にメリットのある事前相談でした。

一軒目の方は元々前橋出身で現在は長野県在住、ただ母親は
地元前橋の施設でお世話になっているといった内容のメール
から始まりました。

全ての確認事項をメールで行うつもりでしたが、お母さんの
いる施設に行くからと確認した夜、逝去の一報が入りました。

全ての確認が済んでいる為、施設内で死亡診断書の申請者欄
への記入を済ませると、一旦長野に戻る事ができました。

また今回の施設は、何度か伺っている事もあり、社長も極力
家族に負担が掛らないようにと、あんしんサポートを紹介さ
れるような施設ですから、ご遺体の要所部位にペットボトル
を凍らせて置いてくれました。

しかし、こんな事をしてくれる施設は、まずありません。
火葬が済むまでご遺体を看る家族にとって大切な事ですが、
送り出せば終わり・・・感覚の施設に限って「死後の遺体に
触れるのは違法行為」と杓子定規な事を言うものです。

だからこそ家族が事前に、或いは逝去直後に施設に依頼する
必要があるのです。 施設職員は医療に関しては素人です。
心臓から遠い部分の細胞が死に腐敗が始まっていることなど
適切な判断はできません。 何も無ければ良いことですが、
腐敗臭が始まったら・・・施設はどう責任をとるのか!?
家族が思っている葬儀が出来ない可能性もありえるのです。

2件目の家族・・・
実は昨日夕刻から、あんしん館にご安置されています。

一昨日夕刻、隣接市で仕事を済ませ、ようやく昼食をとった
のは午後5時過ぎでした。 食事を始めると電話が入る。

午後6時30分頃なら戻れると伝えると、その時間に合わせ
来館されるという。 急ぎの対象者がいるようでした。

戻って準備をするとお母さんと娘さんの3人で来館です。
対象者はお母さんの姉さんで、お金は無く自分達も余裕など
全く無いから、直葬して貰えれば墓には入れられる・・・

単純な発想ですが、良く聞くと墓には入れて貰えないだろう
事は明白でした。 若干小細工があるので明言は避けますが
今だけでなく、先々も考慮した最善と思える方法を伝える。
出来るだけ費用を掛けず、遺骨の供養まで出来て、残る墓の
諸問題も避けて通る方法でした。

自分達の素人感覚で葬儀を向かえたら、残る姉妹家族は後々
掛る金銭的負担は少なく見ても100万円は超えるでしょう。

安心しました。 と帰った翌日の午後2時過ぎ、病院からの
連絡で心肺停止と聞かされ、これから病院に向かいますとの
連絡、死亡診断は午後3時16分の為、翌々日の火葬です。

家族関係事情、対象者と姉妹家族の財布事情、遺骨の問題、
今ある墓の対処方法、そして葬儀の流れと費用総額まで全て
納得した翌日だったからでしょうか・・・
指定先の病室にお迎えに行き、我々の顔を見るとホッとした
笑顔で会釈してくれた家族が印象的でした。

こうしてみると、葬儀施行する我々にとっては・・・

① 家族達の性格や考え方を知る絶好の機会
② 家族の財布事情(本音の)をお互いが知る機会
③ その上で家族関係、家族の希望、遺骨処理等の全ての流れ
  とか費用を事前企画立案できる時
》その結果として家族が納得、満足できる葬儀が可能となる

一方、家族にとっての事前相談とは・・・

1. 間違った思い込みを訂正され、最善の対処法を考えられる
2. 費用事情、家庭事情がある場合、事前に本音を語れる事で
  最善策の提案をして貰える(葬儀社の能力によるけど、、)
3. 事前に費用、内容が正確に分る事で大きな安心感がある
4. 逝去後に必要な様々な諸手続きが事前に分り、生前に対処
  しておくべき事、逝去後に行う事の殆どが事前に分る

改めて葬儀社、家族、それぞれのメリットを書き出してみて
感じるのは、あんしんサポートの事前相談と一般的葬儀社の
事前相談・・・文字は同じでも内容が全く違うだろう事です。

過去の宗教葬儀を語り、当社の葬儀パックを語り、故人への
供養だと追加を勧め、葬儀は結構な金額が掛るのものと腹を
括らせ、入会と事前積立を勧める・・・
事前相談というより、葬儀社の事前告知でしかありません。

と、ここまで書いたら事前相談の方が来たので行ってきます。

・・・・1時間後

やっぱ、うちの事前相談は葬儀の事など、10分程度あれば
充分過ぎるほどの説明ができます。 
それより相談者個々の抱える問題、課題が話しの中心です。
本日の相談者、、まだ30代ですが糖尿病の合併症で片方の
目は視力を失い、指も失い、透析をしている方で未婚ですが
母子家庭で子供を育てる妹がいるそうです。

この相談者にとって、最善の方法と思える相談をしました。
5分間は葬儀パックの話、あとの1時間は相談者にとっての
必要事項を話してきました。

自宅逝去の対策、預貯金の管理、葬祭費関連、生前しておく
べき事柄、終幕後に必要と思われる費用等々・・・

事前相談をした家族が良く言う言葉「安心しました」
この意味が何となく分ったような気がした事前相談でした。


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