前回ブログで、あんしんサポートに限って言えば自宅の安置が
非常に少ないと書きました。 
その最大理由が家族の大変さである事は変わりませんが、真夏
だけはご遺体についても支障の出る場合があるからです。

医学者ではないので正確には分りませんが、終幕の迎え方は、
人それぞれ全てが違っているはずです。

元気だった人が突然、心筋梗塞や脳溢血であっという間の死も
あれば、心臓に遠いところから徐々に活動を停止して、最後の
心肺停止で逝去と診断される事もあるでしょう。

真夏の猛暑で問題なのは後者の場合です。
分り易く言うと心臓が停止した時、すでに腐敗が始まっている
部位があるご遺体もあり得るということです。

葬儀社での安置なら、室温管理や冷蔵庫などを対応することで
腐敗の進行を停止できますが、自宅安置の場合は難しくなる。
弔問客も来るし、故人のそばで話し込む事も多い・・・
それでも逝去から最短で葬儀になれば良いのですが、逝去から
葬儀までの期間が長いと腐敗が進むことになります。

腹部等の身体は凍結しても問題ありませんが、顏や頭部の凍結
はできませんから、腐敗は進行することになります。
以前も書きましたが、顏の横にドライアイスを置いたとしても
気休めにしかなりません。
問題は死臭というより腐敗臭がしてくること、死臭も腐敗臭も
基本同じだと思うのですが、逝去から早い段階の臭いと、ある
程度時間経過した遺体の臭いは違います。

腐敗が進むと顔が黒ずんでくるので見た目で分ると思います。
安定枕を使用しているなら、頭部下に樟脳を10個ほど入れた
状態で湯かん等行い、納棺したら消臭剤スプレーをしっかりと
枕全体にしておきます。 
この段階ならばドライアイスを剥き出しにして顔の周囲に置く
のもありで、棺内の温度は下げられるでしょう。

また腹部が臭う時は、ドライアイスは包まず、そのまま浴衣等
着衣の上に置き上からタオルを掛ければ減りは、もの凄く早い
ですが間違いなく凍結してくれます。 ドライの上から普通に
布団を掛けておくと良いでしょう。

依頼はいつも綺麗なご遺体ばかりではありません。
腐敗してたり、原型を留めて無かったりもありますが、葬儀の
仕事をする限り避けて通れないのですから、毎回違うご遺体を
しっかり観察して、最善の方法を迅速に見つけ出し対処できる
だけの知識を持つ必要があるでしょう。

我々の場合、元々が素人でしたから、首つり自殺、投身自殺、
車で130mダイブ自殺、孤独死腐乱遺体、川底で発見遺体等、
今から思えば驚きと戸惑いの連続でした。

それでも逃げる事なく、やってこれたのは素人ゆえの使命感が、
それだけが前に進ませたのだと思います。
だからでしょうか『葬儀屋は儲かる』という話しは素直に納得
できない自分がいますし、生活は出来ますがそれほど儲かって
いる感覚はありません。
ぶっちゃけ、サラリーマン役員時代、前職の社長時代のほうが
仕事も楽で収入もあったのです。

しかし、今ほど生き甲斐、遣り甲斐を感じた事はありません。
良く人は「あと10年若かったら・・・」と言います。
本音で言えば10年若ければ52才ですから、僕も同じ感覚を
持ちますが、こればかりは無理なこと・・・
だから気持ちは50才を迎える40代後半のつもりでいます。

いつも元気で、いつも前向きに、、いつも向上心を持って前を
向いて進み続けるしかありません。
多分、僕と実際に話した人達は62才を迎える人間に見えない
だろうと思います。 大切なのは実年齢より心の年令・・・
そうでも思わなきゃ、やってらんねぇ・・・ってね。v(^^)


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