本日は台風の進路状況によっては暴風雨の予想と警報が出て
いた前橋でしたが、少し雨が降っただけで峠を超えました。
東北地方へ上陸横断して日本海へと進むようですから、進路
に当たる地域の人達は大変でしょうが、大きな被害を出さず
通り抜けて欲しいものです。
そんな訳で、本日の葬儀、湯かんは避けたのですが、昨日の
午後5時~家族親族10名での湯かんを行いました。
今回の家族は神式の葬儀です。
前橋は、、というより、あんしんサポートに限ってなのだと
思いますが神式の葬場祭は100件に1~2件あるかないか
ですから、その度に『あれ?』って考える部分があります。
神式よりキリスト教式の葬儀のほうが多いです。
神式の湯かんなら、神職はいませんから家族親族の手で納棺
すれば完了、あとは仏式の白装束にあたる神衣(烏帽子・笏
のついた袴着)を身に付ける程度です。
午後5時祭壇を背に座り、故人の布団を挟んで、親族10名
祭壇に向かって座ると、湯かんの開式です。
初めにこんな風に聞きました。
「本日の湯かんは神式の湯かんとなりますが、神式湯かんを
経験した方はいらっしゃいますか?」
すると、予想外の結果・・・家族でさえも未経験と分った。
「えっ!? 家族も未経験なの?」 「はい・・・」
ほんの数秒考えてから、こう言いました。
葬儀を突き詰めると宗教儀式ではなくなり、家族が家族との
別れを受け入れる為の時間だと分ります」とその理由を延べ
列席者が納得したのを確認すると更に続けて話します。
「今日の湯かんは、皆さんの知っている仏式湯かんと神式の
作法を混ぜた湯かんをしましょう。 この中にキリスト教徒
だとか、創価学会の方がいたら、自分の信仰で温かく送って
あげてください」と始めたのです。
供養を始めとした仏教用語であっても、良いと思う事は伝え
線香を供えたほうが葬儀の感覚になる人が多いだろうと考え
『線香』と『洗米』両方を置き好きなほうをして貰います。
また葬場祭(葬儀)の時は玉串奉天の仕方、音をさせないで
行う2礼2拍手1礼の偲び手なども練習して貰いました。
烏帽子を被り、神衣の上から綿衣裳の紋付羽織袴姿にして、
笏(しゃく、聖徳太子が手に持っている板)を袴に挿す。
中々立派な日本男児といった印象になりました。
しかし、三途の川の渡し賃はしっかり持たせました。
僕自身も初めて経験する湯かん納棺でしたが、家族や親戚は
自分達の知ってる事もあれば、初めて聞くこともあったりと
和気あいあい、笑顔と温かい空気の中での90分でした。
今回の葬儀で感じたのは、日頃から馴染みの無い宗教儀式に
緊張したり、堅くなったりするより、失敗も良し、知らない
ことなら聞くも良しといった時間を過ごしたほうが、親族が
心地よい、和やかな時間を過ごす事で家族も良い時間になる。
我々のような普段から知らない人間と、心を開いて話すには
難しくない会話を続けるのが、結局は最速だと感じました。
但し、その話しの内容の全てが商売でなく、自分達のことを
考えて話してくれているのだと、聞いてる親族が感じられる
必要だけはあるでしょう。
これから明日の葬儀用品を車に積み込みますが、本日夕方に
自宅に帰らせたいと思っていたと家族に聞かされ、ならばと
棺を寝台車に載せ、自宅まで行ってストレッチャーを下して
10分ほど家族と話しをしてきました。
時間がなければできない事ですが、ほんの少し時間があれば
できる事はしてあげる・・・ 当然無料・・・
自宅から、あんしん館に戻る車中、あんしんサポート成立当初と
変わらぬ対応がひとつ出来たと自己満足した我々でした。
誰もが終幕後の費用を心配することなく、自分の人生を精一杯楽しめる世の中にしたい
創業者の思いを後世に伝え、当時何を考えていたか嘘のつけない自分日誌でもあります