前回ブログをアップして間もなく、一本の電話が入る。
あちゃー、、この疲れたタイミングで搬送だと思いましたが、
明日以降になるが警察署まで行って貰えますか? との電話、
故人の名前と管理している電話番号を聞くと会員さんでした。

自分で来館し、直葬+散骨パックが良いと入会手続きをした人
だと千明が覚えていました。
その娘さん夫婦からの電話で、入会確認と葬儀依頼でした。

電話で少し話しを聞くと、7月31日の新聞は無く、8月1日
以降の新聞は溜ったまま、異臭で発見されたのは10日の夜、
公営住宅4階に住んでいたそうですが、エレベーターを降りた
瞬間に凄い臭いがしたと娘さんが言っていました。

電話の向こうでは、現場検証している警察官の声も聞こえてい
たそうですが、葬儀屋さんに遺体袋を持ってきてくれるように
伝えてくれと言われたと聞き、普通に運べる状態で無い事だけ
はすぐに分りました。

遺体袋には2種類あって、原型を留めた遺体で体液なども出て
なければ白い不織布のような素材で出来た袋と、体液が出たり
腐敗が進んでいる時は、青や緑のビニールみたいなラバー素材
みたいな袋で、白い袋は遺体の入ったままで持ち帰りますが、
後者の袋は持参した遺体袋に入れ替える事になっています。

理由は単純で1枚1万~2万円以上するからです。
とは言え、その袋から遺体を出すのは至難の業です。
腐乱遺体、強烈な悪臭、蛆虫だらけ、体液血液でぐちゃぐちゃ
なのは分り切っていますから、新品を購入し後日警察署に渡し
当日は袋に入ったまま引き取ってくる事になります。

11日は盆飾り作りの予定が組んである為、いつもより早めに
出発して、いつもより頑張って作業、終わると事情を説明して
すぐに出発を繰り返していると、昼前に家族から電話が入る。

そこで検案書を病院から貰ったら、すぐにあんしん館に来て、
死亡届の記入をしてから、警察に行きましょうと伝え、盆飾り
作りは一旦中断し、記入が済むと警察署に引き取りです。

マスク2枚、ゴム手、徳用樟脳1袋、白のガムテープを持って
棺一式と搬送シートを持ち、更にフリスクを2粒くちに入れて
警察に行き、裏側にある霊安室に向かいました。

棺を積んだストレッチャーで霊安室に入ると、強烈な腐敗臭、
予想した通りでしたから、袋は後で届ける旨を伝え袋のままで
棺に入れ、搬送シートで包み、樟脳を1袋撒くとフタを閉じて
フタと棺の境目、窓の隙間を全てガムテープで塞ぎます。

そのまま火葬場の冷蔵庫に預け本日の朝一番で火葬しました。

いつも言うように孤独死は独居者がいる限り無くなりません。
が、しかし、凄惨な遺体になる事は避けられます。
親、兄弟、叔父叔母、最後を看る予定の人がいたら、とにかく
朝晩一日に2回の『あいよコール』を毎日欠かさず行うこと、
これだけは続けて欲しいものです。

朝は『起きてるかーい、体調は良いかーい』『あいよー』
夜は『戸締りと火は大丈夫かーい』『あいよー、おやすみー』

これで無事である確認もできるし、もし病気だったり、怪我を
して動けなかったら確認に行けば助けられるし、もしもの時も
誰も会えない凄惨な遺体にならずに済みます。

今回の家族は本日午前9時、娘さんが一週間ほどアメリカでの
英語体験旅行に出発する事になっていると聞き、斎場に行った
としても会える訳ではないから、両親揃って娘の出発を見送り
そのあとで来て焼香、火葬が終わったら拾骨、それから遺骨を
あんしん館に持ってくるよう伝えて、前日火葬場の担当者にも
その旨を伝えておきました。

故人の娘夫婦であり、アメリカ英語研修旅行に行く娘の両親は
我々の提案が意外のようでしたが、安堵と感謝の言葉を何度も
繰り返して自宅に戻っていかれました。

と、これだけで終われば疲れも、そこそこで留まってくれるの
ですが、12日午前6時、午前9時、たて続けに搬送依頼です
明日からお盆・・・この話しは次回にさせて頂きます。


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