人が生まれ終幕までに様々な儀式や区切りを通過します。

出産祝い、お七夜、お宮参り、七五三、入園入学式、卒業式、
十三参り、成人式、結婚式、銀婚式、金婚式、還暦祝い、更に
喜寿、米寿、白寿、他にも色々な儀式はありますが、これらの
儀式について、する、しないも含め親戚やら周囲から何か言わ
れることは、まずないだろうと思います。

しかし何故か葬儀だけは、やかましいほど周囲や親戚、田舎は
隣保までもがくちを出すし、ネットの中でさえ、適当なことを
さもさもそうに、あーだ、こーだ言う人がいるのが不思議です。

最悪なのはマナーと称する人達の話題だと感じます。
マナーとは、こうしろ! ああしろ!というものでなく、本来
周囲を不快にする行為は慎みましょうが、大前提のはずです。

極端な話、どの食器をどう使おうと人に迷惑を掛けず、料理を
旨く食べれられる場になれば、テーブルマナーはしっかりして
いるけど、不味そうに食べたり、批判的な発言をする人よりも
料理を作ってくれた人は嬉しい、有り難い場になるでしょう。

葬儀の中で仕事をする人達、宗教者、葬儀屋、納棺師、花屋、
返礼品屋、料理屋、司会者、などが色々言うのは内容はどうで
あれ、自分達の仕事を増やそうとしたり、必要だと肯定したい
営業の一種だから理解もできますし、聞いている側も商売だと
理解しながら聞けるでしよう。

今の日本、僕がこうして好き勝手を言うように、何を言っても
自由なのは確かですが、その偏見に乗って後悔しない事です。

マナーと称する偏見、宗教者からの偏見、普通と称する偏見が
最たる偏見でしょう。 

単純な事で言えば黒の略礼服がマナーです。
こんな内容の記述はいくらもあるでしょうが、僕に聞かれたら
「黒が無ければ、それっぽい物で充分、紺やグレーのスーツに
100円ショップで黒ネクタイ買って締めれば良いよ」と答える。
スーツが無ければ、スーツじゃなくて良い。 

大事なのは支度でなく心だからです。 仕事着だって良い。
ちなみに、あんしんサポートは一年中、黒のジーンズに、黒の
ポロシャツ、季節により黒のベスト、黒のジャンパーを着てる。
その最大理由は、葬儀場で後ろから見たら会葬者だか、仕事の
人か分らないのと、我々の仕事は葬儀を滞りなく施行する立場
であり、着飾る事より作業のできる支度を優先しています。

設立当初は、斎場に行くと『えっ!?』って顔もされましたが
周囲はすぐに慣れ、遠く離れていてもすぐに我々だと分るため
「あんしんさーん」と呼ばれたり、会葬者の人達はすぐに声を
掛けてくれるし、家族親族も探すのが簡単なようです。

でも黒ジーンズは年間8~10本ほど購入、黒の色が褪せてきたら
履くことはありません。 ポロシャツも同様、ジャンパー、ベストの

類は1人10枚くらいは用意してありますし、靴も年間数足は購入
しています。 千明など同じ靴を10足以上持っています。
多分、スーツの人達より費用的には掛かっているでしょう。

スーツを着るのがマナーとか故人、家族への礼儀でなく、家族の
代わりに、会葬者や親戚に葬儀の具体的部分や知識などを提供
するのが我々の仕事であり、家族側の人間だと考えています。


病院にお迎えに行き、故人をストレッチャーで寝台車に載せると

担当してくれた医師、看護師さん達に「お世話になりました。あり

がとうございました」と挨拶をすると、家族も一緒になって並んで

頭を下げ挨拶をするのが極普通の流れです。

この時から家族の一員としての対応が始まります。


ついでに言うと、親戚の人達にとって前日や朝に顔を合わせた
時は初めての人でも、数時間後には親しみのある人になれる事
清めの時間や、葬儀が終わる頃は笑顔で話しのできる人になれ
るのが最高の担当者だと思っています。

一昨日の家族葬、昨日の直葬、どちらも自営の家族でしたが、
どちらも、それなりの事情がありました。

自分達家族の事情・・・ 家族関係もあるし、費用面もあるし、
親戚との関係もあるし、もっと複雑な事情がある人達もいます。
その人達、その家族の持つあらゆる事情に最適な対応ができる
こと、家族が自分達の事情を本音で早い段階で言える雰囲気の
人間であることが最も重要です。

それには葬儀社側がマナーだの、常識だの、一般的には・・・
なんて言葉をくちにしているようでは、まず無理でしょう。

そしてもうひとつ、著書にも書きましたが『老人破産』が当然
になる時代が訪れています。 
貯金1.000万円は論外、2.000万でも自分だけ、残る家族生活
まで考慮すると、とりあえず3.000万円~の貯金が必要な時代
が来ているのを理解しているでしょうか?

すでに葬儀がどうの言ってる時ではないのです。
あなた自身の生活、残る家族の生活を大事に思うなら、今すぐ
葬儀に対する概念を変えるべきです。 
遺骨、墓についても同じ、全て考え直す時代が来ています。

この話しを評論家がしているとか、葬儀とは関係ない人が書く
なら、他人ごと、対岸の火、だから書けるんだと思われても仕方
ありませんが、日々葬儀施行をし、葬儀で生活している本人が
書いている点に留意して頂ければと思います。

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