著書が出来上がって、最初に読んで貰ったのがうちの奥さん。
ちゃんと理由があるんです。
例えば各葬儀パックのパンフレットを作る時、ホームページを
作る時、うちの場合全て自分で行い業者さんが入る事はない。
第一の理由は一番安いから・・・っていうかお金が無いからと
言ったほうが正解に近いですかね。
前職の経営者時代は、全てプロに任せるところから始まってた
のを考えると、元々好きでやっているのではなさそうです。
余裕は無いけど、どうしたら出来るか?
何でもそんな風に考える性格なんでしょう。
『不言実行』は基本的にしません、、ではなくできません。
それほど強い心は持ちあわせていません。
坊ちゃん育ちですから根は軟弱だと自分では思っています。
そこで『有言実行』という形になります。
日本人気質の中に、くちにして出来ない事があると「あいつは
大ぼら吹きだ」とか「大風呂敷を広げて」と言われそうな雰囲
気はありますし、それが嫌でくちにせず結局は達成出来ない人
って結構多いんじゃないでしょうか?
この場合、僕なら出来ずに終わるでしょう。
他人から何か言われる事より、したい事が出来ないほうが嫌な
性格ですから、出来るかどうかは別として口に出してみる。
すると相手は突っ込んできますから、少し具体的な発言をする
ことになり、自分の考えが段々まとまってくる。
これを繰り返すと詳細な具体案が浮かび上がってきます。
ただ比較的良し悪し、出来る出来ないが、ハッキリしています
から、良いという人、嫌だという人に分れるだろうと思います。
この辺りから僕のキャラもできているのではないでしょうか。
では何故奥さんに読んで貰ったかです。
チラシ、パンフレット等々、完全独学ですから最初に出来上が
った内容から、少なくとも10回以上は変更し続け、20回とか、
30回とか作り直すのは、極々当たり前だし出来上がったものを
見ると、最初とは全く別物になるのが普通です。
これをそばで見ている千明に確認して貰うと、どうしても人情
として「良いんじゃないですか」的な言葉が返ってくる。
ところが、うちの奥さんはそんな苦労は知りませんから、見た
瞬間に「分り難い」と一言で駄目だしをします。
腹の中では『なにそれ!?』と思っても、実際に見た人達から
言わせれば、奥さんと同じ意見だろうと思えます。
その奥さんに読んで貰った評価は・・・
「サラッと読めたし、なるほどねぇって何度も思ったから中々
良いと思うよ。 故人を偲ぶが泣けて良かった」だそうです。
元々本を読むのが好きな人ではありませんから、彼女が良いと
言ってくれたら誰でも読める本だと言われたようなものです。
また千明は聞き上手です。
僕が相談を受けたり、葬儀打合せをしていれば、隣で会話内容
とか必要事項のメモを取ってくれ、後で非常に役立ちます。
頼ってきた人からの完全信頼には少し弱さを感じますが、誰に
対しても無難な立ち回りができるタイプです。
これから先の事も考慮して、最近は千明が事前相談をする事が
増え、僕は事務所にいる事が増えています。 話しの中で千明
自身が迷ったり、即決し兼ねる時は僕に連絡をしてきます。
しかし僕と話しをするより、気楽に話しが出来たり、僕よりも
聞き易いと感じる人もいるはずです。
言葉は知っているし、何となく理解してきた言葉でもあるけど
適材適所の実際として理解したのは初めてかもしれません。
適材適所とは人の持つ長所ばかりでなく、短所も使いようで、
長所にも成り得るし、背伸びしたり、無理したり、自身を隠し
たりせず、素の人間性で対応できるのが適所のようです。
葬儀社を経営するのも、別の経営をするのも、或いはサラリー
マンをするのも個々の性格、持ち味、雰囲気、容姿はそれぞれ
ですから自分の持ち味を出したり活かしたりする仕事をする。
もしくは、そう心掛けるのが疲れない方法に思えます。
誰もが終幕後の費用を心配することなく、自分の人生を精一杯楽しめる世の中にしたい
創業者の思いを後世に伝え、当時何を考えていたか嘘のつけない自分日誌でもあります