午前10時来館の相談が済むと11時30分、すぐに朝食兼昼食へと
出掛けて、12時45分には、あんしん館に戻ります。
予約通り午後1時に相談者が来館しました。

お婆ちゃん、その一人娘、娘の長男の三名です。
来館理由を聞くと、お爺ちゃんが大腸癌で余命わずかと宣告を
されての来館でした。
誰かの紹介のようですが、あまり多くを語らない家族です。

聞くと普段は、お婆ちゃんとお爺ちゃんの二人で生活しており
一人娘は埼玉県に次男と住み、長男は群馬の他市に在住という。

墓もなく、葬儀経験もないようです。
話しの勧めにくい家族でしたが、あとはマイペースで話をする。

家族葬+宗教者(居士戒名付)で32万円弱、散骨+永代供養墓
で54.000円、飲食を入れても40万円で済むと式場を見せて話し
安置室も見せると、次は69.000円~169.000円の直葬があり、
直葬+散骨=10万円のぱっく60と、アッサリ話をする。

あとは新しいパンフレットを見れば分ると葬儀の話はここまで、
葬儀の話しを30分はしてないだろうと思う。

この先1時間30分は、葬儀の話題の中で家族がボソッ、ボソッ
と言って気になった部分の話題となりました。

1.住居の土地名義がお爺ちゃんの弟になっているが、弟さんへ
 土地代金支払いは終わっている。 が、名義変更してない

》お爺ちゃんの委任状を作り、お爺ちゃんの弟と法務局に行き、
 名義変更の手続きを、すぐに始めること(自分でする)

》状況によっては、お爺ちゃんでなく、お婆ちゃんも飛ばして
 娘か孫の名義に変更する。 駄目なら逝去時はお婆ちゃんを
 飛ばして名義変更すれば登録免許税は一回分省ける

2.お爺ちゃんが逝去すると、年金が1人分になるから、お婆ちゃ
 んの生活を最優先した葬儀内容にすること

3.お爺ちゃんの年金通帳は、委任状を作ってすぐにカード作成

4.年金と葬祭費の支給説明

5.今回は火葬する行政と死亡届を提出する行政が異なる話

6.お爺ちゃんの写真を持って行き、写真で自分の人生を振り返
 らせてあげること、葬儀はすでに始まっていること

帰り際、お婆ちゃんが言います。
「普通聞けないような話しを聞かせて貰って本当にありがたい」
この家族も安心して帰れたようです。

相談の日、夕方病院で話しがあると呼ばれていたそうです。
決して良い話しではないでしょうが、まだ話しができる段階で
来館してくれた事で、少しだけどお爺ちゃんとお別れの時間を
過ごして貰えるだろうと思います。

葬儀屋の自覚に乏しいのは、これが理由かもしれません。
葬儀の話しを長々している事は、まずありません。

その理由は葬儀慣れしている人以外は、何を聞いても分らない
のが本当のところだからでもあり、どんな説明をしても多分、
具体的なシメージができないのでしょう。

昨日、少し前に葬儀した家族が、他の人を連れて入会に来たと
聞かされましたが、僕の講演を聞いた事のある方のようです。
それでも「こんなに良くして貰えると思わなかった」と言うの
ですから、話しじゃ殆ど分ってねぇんだな・・・と分ります。

本来なら家族毎に適した葬儀相談ができる場があってくれたら、
その組織は出来れば消費者側に立った第三セクターなら、最善
なのですが、葬儀社が経営する葬儀相談所では自己宣伝なのは
間違いないから、消費者が求めるものとは違います。

最近は僕が最初から相談をする事はあまりありません。
千明がどんな相談にも、臨機応変な対応できるようになる目的
もあるし、差し迫ってない人は世間話的な時間になり易いのも
あるからですが、何気ない話しの中にも、しっかり聞いてると
急を要する話題があったりするのが、ちょっと気になります。

今日はこれから納骨に行かねばなりません。
カロートのメジはつり、フタ開けは僕がやりますが、カロート
内に入るのは千明の仕事です。 

最近はあまり色々やりませんが、9年間で葬儀関連の事は全て
できるようになっている自分にも驚きます。
これも全て資金的な余裕の無さがもたらしてくれたものです。

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