4日間続いた葬儀も本日でようやくひと段落です。

前橋は初夏の穏やかな陽気ですが、九州の人達は初震から一週間

続いているわけで、身体は勿論だけど、いつ地震が来るか分らな

い精神的ストレスも相当なものだと思います。

老人や子供達や障害を抱えた弱者の人が心配ですね。

さて、昨日ブログの中に書いた一文を抜き出してみました。

『ぶっちゃけ、安かろう、悪かろうの葬儀なら簡単にできます。

しかし豪華さもあり、高品質で、温もりある葬儀を低料金で提供

し続けるのは簡単ではありません』

この部分意味合いが少し分り難いと、うちの千明に言われました

ので、少し噛み砕いて書いてみようと思います。

とにかく安い葬儀用品とか、粗悪品を使用する事で原価を下げる

という感覚になるらしい・・・なるほど、言われてみればそんな

印象を受ける文章ですし、解釈も間違っていません。

そこで低料金でも安易にできる葬儀と、低料金では至難の葬儀、

その違いとポイントを書いてみます。

・葬儀用品が粗悪品の使用は論外ですが、安い、高いという基準

 ではなく、一般の人達が見た違和感の有無が基準です。

・品物は全て違和感の無いものなら全く問題はありません

『例題1.棺』

『山形フタ付き布棺』が違和感の無い物でしょう。

そこで葬儀社は、昔からある白木の合板で平らなフタ付の棺を

パックに入れておけば、多くの人は違和感を感じるから、山形の

フタ付布棺に変更したくなる・・結果料金が上がる図式です。

でも葬儀パックは、一応棺も入ってますよが葬儀社の逃げ道。

『例題2.祭壇』

皆さんは『祭壇』と言われたら花、果物など色んな物が供えられ

ているもの・・・なんて思っていませんか? 現実は違います。

数段の棚があるのが祭壇であり、そこに供える殆どの物は家族や

親戚などが買って供えるものです。だから思い込みだけで依頼を

すると寂しい祭壇になると分って色々注文して高額になる。

書き出せばいくらでもありますが、先に書いたように家族が違和

感を感じない物なら全く問題ありませんが、他社より安く仕入れ

するのは難しいですから、単純に利益を減らします。

問題は『人』であり『人件費』です。

「人を増やすのは簡単だけど、それは料金の値上げを意味する」

時々僕が家族に言う言葉です。 すると家族はこう言います。

「ならパートとか、アルバイトを使えば良いのでは?」

パート・アルバイトの場合、搬送、安置までは教えればいくらで

もできるでしょうが、打合せができるでしょうか?

ましてや相談などできるでしょうか?

決められた料金体系の中から、家族に選ばせるなら出来ますが、

あんしんサポートに依頼する家族の多くは、その時点で相談して

決める事のほうが多いのです。 

入会した1年前と今では、財布事情も大きく変化していますし、

家族だけでなく、親戚との問題、特に故人の兄弟姉妹などから、

金も出さないくせに、くちだけ出すなんてのは日常茶飯事です。

そうそう、時々ボランティアをしたいと言ってくれる人達もいる

のですが、現時点では全てお断りしています。

人の死は医者でも分らないのですから、いつ電話が入るかなんて

全く分りません。 ボランティアはご自分の都合で来たい時だけ

来るってことになります。 それでは仕事になりません。

更に備品の整理や清掃などについては、時間があるなら自分達も

空いてるので頼む必要はありません。

 前橋市は申請者が市民であれば、何処の誰でも無料で火葬して

くれる為、県内でも火葬数は多く、数時間の差で友引が絡むと、

2日間や3日間向こうに行くのは普通、結果は料金に跳ね返る。

また昨日の一般葬でも感じましたが、葬儀場の出入り口に暇そう

に立っている葬儀社の人、清めの待合室には2人の女性が立って

人の出入りにドアの開け閉めをしてくれるのですが・・・

こんな人って必要ですか? 当然2名の人件費は家族払いです。

こんな人手は不要と思っているので、人手を増やすならまずは搬送

部隊ってことになるのですが・・・・

昨日の一般葬は200名弱でしたが、我々2人と一人男性が入った

3名体制で、後は返礼品屋さん、花屋さん、司会とアシスタント

という布陣でしたが、500名でも同じ布陣で行ってきました。

午後式はどんでんで他社が入りましたが、少なく見ても我々の

倍以上の人数で動いていました・・・当然費用は掛かってます。

200名(一般108、新生活77)、料理45名、居士戒名付宗教者

公営斎場使用料、消費税まで全て含めて99万円でした。

結果は黒字の葬儀となり、49日忌明け法要、本位牌など全てを

賄える結果となり、後に残された奥さんの生活に支障の出る事は

無くなっただけでも、あんしんサポート施行は成功です。

直葬であっても、一般葬であっても後に残る家族の生活に支障の

ない料金でありながら、家族の持つ温もりの中で送る・・・

やっぱ、これだけは譲れない部分です。

安物を使い流れ作業で心の無い葬儀なら、低料金は決して難しい

とは思いませんが、使用品、豪華さ、人の温もり、そして我々が

最も必要とされるのは『全面信頼できる人』であることです。

これを続けるのは至難という言葉がピッタリするほど、現実には

難しいことだと感じています。

僕が時々『口先だけの評論家』や『机上の空論者』を否定する

ような事を書くのは、現実を知らないのに『だまし絵』が実際に

あり得るように書く人達がいたり、葬儀に決まりがあるかの如く

さもさもらしい嘘を書く、それを一般の人達が真に受けるから、

悪習慣が変わらないのも要因のひとつだからです。

されど現状が最善とは思えませんので、本来は半径30km

圏内で協力できる葬儀社が、ひとつの搬送部隊を持てれば

搬送専門業者の半額で何とかなるような気がします。

がしかし・・・近くの葬儀社で本当の協力などできるか?

近隣葬儀社同士が真の協力しているのは見た事がない。

多分、業界の中にその感覚は無いんじゃないかなぁ。

あんしんサポートが相手じゃ尚更かな・・・

 にほんブログ村

ひとつひとつの葬儀を確認・反省・向上する為に書く実践日誌であり
これから葬儀を経験される方々が後悔しない葬儀をする参考書にと
思いを込めて書いています。 宜しければクリックをお願いします