孤独死の火葬が終わって戻ってきました。

昨日朝、警察署へ遺体の引き取りに行った方ですが、明らかに年々

増えている孤独死の方の火葬です。

弟さんがトイレの前で亡くなって倒れていたのを発見したとの事。

お母さんの時に利用する予定で入会している兄夫婦からの依頼と、

相談でしたが、とにかく費用の掛からない葬儀でお願いします。

とのことで直葬69.000円税別を勧めました。

お兄さん夫婦から聞かされた故人の生活は、国保も払ってないから

歯医者も行けず、歯は一本もなく、医者も行かず、床屋も行けず、

少しの年金は2万円の家賃を払えば、どうやって食べて行くのか?

と思える生活だったそうです。 

その話しを聞いた時、秋にお兄さんの葬儀をした弟さんの事を思い

出しました。 直葬費用を出したのは全て三男で、僕と同い年61才

になった次男は亡くなったお兄さんと一緒に住んでいたそうです。

しっかり者の三男は「次男の兄貴は仕事もしないし、飯も食わずに

酒ばかりのんでるから、いつ死んでも不思議じゃないんで再入会を

お願いします」と言い、それを隣で聞いてた61才の次男は、文句を

言う訳でもなく、言い訳もせず、隣で声を出さず笑っている・・・

今回の方と重なるのは『無気力!?』のワードです。

普通に考えれば、まだまだ仕事もできるだろ?と思うし、言われる

でしょうが気力が失せる現実は何処にあるのでしょう。

勿論、個々の問題もあるし、景気、税金、保障、制度などあらゆる

課題はあるでしょうが、600万人の独居老人・・・ってのが僕の中

では、どうしても引っかかります。

人が元気で張り切って生きていく上で、自分以外の人と交流も無く

自分だけで・・・なんてできるでしょうか。

世間からの孤立、家族からの孤立が大きな要因のひとつでは?

少なくともサラリーマンや自営業で生計をたてている時なら孤立は

してないでしょうから、50代に入ったら将来的に孤立をせずに済む

方法を考える必要がある気がしてなりません。

年令を重ねて初めて本当に分ることがあります。

人の肉体は間違いなく衰えること、いつ大病するかもしれない事、

そして、人は一人で生きる。 孤立して生きるのは何より辛い事。

僕らが行う孤独死の葬儀でシミジミと語る兄弟姉妹からの話から、

僕なりに見えてくるのが遅くても50才になったら対策をとる。

子供がいて結婚しているなら、同居を前提とした老後から・・・

独身で子供がないなら、兄弟姉妹や他人との共同生活も一考・・・

各々が自分の置かれている環境中で、とれる最善策を実行してみる

のが独居老人を少しでも減らす事に繋がってくれたらと思います。

しかし現実に対処していく事も重要で、毎日どこかで孤独死がある

時代であり、貧困老人も生きていくのが最優先ですから、何をどう

考えても超低料金、出来れば死後の費用は心配のない、無料で対応

して貰える世の中が必要だし、それを目指したのは間違ってないと

感じますし、最近市外からの入会も増えていると聞かされ、支援の

範囲だけでなく、費用面でも前橋市と同一料金での対応を、県内に

広げる必要性があるとつくづく感じています。

葬儀とは、、などと宗教者や葬儀屋にお金の掛かる事を、さもさも

げな理屈を付けて言ってる人達は自分の都合か、貧困の現実を知ら

ない恵まれた人だけでしょう。 勿論、一銭も取らずに宗教儀式を

している宗教者の方なら話しは別です。

理屈ではなく、現場から見えてくるもの・・・

家族から聞かされる本音の言葉・・・が僕らの指針です。

「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ」

踊る大捜査線の中で言ったセリフですが、孤独死も突然おきる訳で

机上の空論的理想論や、宗教者や葬儀屋の偏った意見、更に評論家

の書いた実態を知らないマナーや葬儀論など、僕のところに相談に

来る家族にとっては論外と言える人も少なくありません。

余裕の無い状況下で行う最大の判断材料は『葬儀とは』ではなく、

『親戚の自己満足』でもなく、『慣習』でもなく、無理せず使える

お金の中で行える葬儀、遺骨処理、住居片付け、家賃、水道光熱費

更に月々の支払いも含めた『費用問題』がダントツなのです。

常に相談する家族の立場に立ち続け、世間や親戚から暴風壁になり

今の家族の財布事情で可能な、極力無理のない葬儀を、その場で

提案し実践。 さらに家族が希望しない限り追加は出さない。

火葬後、相談に来てくれたお兄さん夫婦が深々と頭を下げ、お礼と

感謝を言葉を述べ、安堵の表情で帰る姿を見ると、今回の提案も

何とか成功したとホッする自分がいる。

我々の存在を心の支えにしてくれた家族の為にも、葬儀に対しての

新たな感覚を浸透させるべく進む事になるでしょう。

↓↓↓↓
  
にほんブログ村


ひとつひとつの葬儀を確認・反省・向上する為に書く実践日誌でもあり、

これから葬儀を
経験される方々が後悔しない為に役に立てたらとの


思いを込めて書いています。 宜しければクリックをお願いします