珍しいパターンですが、主治医から搬送依頼の電話が入る。

準備を整え午後10時過ぎ、公営住宅2階の自宅にお迎えに行く、そこ

には死亡診断された故人が介護用ベットに横たわっている。

息子さんとご主人の手を借りて搬送シートにくるみ、寝たまま身体の下

で両側から挟むような形で乗せられるスクープストレッチャーを使って

階下に下し寝台車に乗せると、あんしん館に搬送してご安置をする。

予想外の会員さんの為、改めて会員証を確認すると今年59才の方であり

家族とは違う信仰のあった方だと分る・・・

家族が到着すると、いつもなら末期の水をとり、線香を供えるのですが

故人の信仰では線香は使いませんので顔を見るだけです。

9月に入って癌だと分ったと聞き、当然ながら家族は葬儀をどうするか

など考えてもいなかったでしようから、入会された時の話をします。

すると、どうも年上のご主人は自分が看取ってから・・・と考えて入会

しておいたようでしたが、希望は『お別れ会』でした。

これなら、自分の信仰にも影響なく、家族親族の思いも汲んであげられ

ると考えてのことだったようです。

ならばと、ご本人もお別れ会で送ることになりました。

① 12時に集合してお別れ会の始まり(故人の好きだった音楽を流す)

② 本日の流れ、葬儀とは、供養とはなど話す

③ 家族(娘)の手により死化粧と整髪

④ 家族の手で納棺

⑤ 故人の好きだった洋服類をご遺体に掛ける

⑥ 各自が故人への思いを手紙に書いて棺に入れます

⑦ 供えた生花、故人の好きだった食べ物他を入れる

⑧ 故人への手紙を家族の誰かが読む

⑨ 喪主であるご主人の挨拶

⑩ 出棺、火葬(火葬中は斎場待合室にて清め)

⑪ 骨壺に拾骨、最後に喪主挨拶でお別れ会終了

このようなパターンって結構あるのでは? と感じます。

例えば・・・ですが、家族は仏教、故人はキリスト教とか、仏式と神式

とか、同じ仏教でも故人は創価学会とか、ってのはよくある話・・・

そんな時は意見の強い人にでなく、故人も家族も納得できる葬儀方法を

今回のように創り出せば良いのです。 また線香を供えたいと思ったら

家族に聞き、問題無ければ供えれば良いし、三途の川の渡し賃、六文銭

って仏式だけの話しですが、家族が持たせたいと思うなら、宗教がどう

でなく、持たせてあげれば良いと思います。

前橋は葬儀、告別、花入れで1時間後に出棺となる葬儀が普通ですが、

今回は宗教者も入らず2時間20分ですから、もしかしたら途中で間延び

した感じになるかもしれません・・・が、全然問題なし、全然いいって

のが本音です。時間があったら故人とのお別れをすれば良いだけです。

自宅でご安置して、周囲で家族が話してると思えば同じこと・・・

少しでも家族が家族との別れを受け入れる時間となり、家族が自分達の

手で温かく送ってあげられたと思えれば最高の葬儀です。

20日正午から始まった葬儀、時間が余ると覚悟していましたが、孫達が

自分で書いた手紙を読んでくれた事で、一気に感動の葬儀となりました。

その流れで、あちこちで故人の思い出話しや、久しぶりに会った親戚の

近況報告などで時間を持て余すことなく、滞りなく進み、先ほど喪主は

奥さんの遺骨を抱え「初めて経験した葬儀だけど、感動したし良かった

です」と笑顔で帰って行かれました。

家族の持つ様々な事情に対し臨機応変に対応しつつ、生活に支障の

出ない料金で行う葬儀、改めてプロとしての自覚をさせて貰った葬儀・・・

今回のあんしんサポート総額は税込198.000円のお葬式でした。

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