一昨日は家族親族27名の湯かん納棺、うちでは非常に多い人数、

比較的少数で行っている理由は、義理で参加した人達ってザワザワ、

おしゃべりをしたり、家族がやたら神経を使う親戚が参加してると

温かい空気にならないからで、家族と親しい(親交ある他人含む)

人だけで行うほうが、温かい空気になるからと以前も書きました。

されど親戚が多く、故人を慕う人が多ければ人数が増えるのも当然

ですから今回のように、時にはもっと大人数にもなります。

納棺師として懸念するのは、せっかく参加したのに手足は拭いても

旅支度は手を出せず、座っているだけは極力避けたいことです。

いつものように始まり、湯かんとは、供養とは、49日とは等を話し

手足を拭う簡易湯かんを行い、経帷子(白装束)を身に着ける際は

手足を持ちあげる人、身に着ける人、縛る人と全てを身内で行って

貰い、横からアドバイスする形での湯かん納棺となりました。

午後2時から始まり、午後3時30分までの90分間、これまたいつ

ものように、涙あり、笑いありの和気あいあいと、温かい空気の中

みんなで送る時間になってくれました。

一人一人が焼香し最後に棺のフタを閉じると湯灌納棺の儀終了。

そこから、持ち寄った料理や菓子類をみんなで食べ、故人の話しや

昔話をワイワイしながら3時間ほど過ごして解散しました。

ほのぼの・・・という言葉がピッタリな良い雰囲気の時間です。

湯かん納棺後、数人の親族から「良いお話しを、ありがとうござい

ました。 お話しを聞きながら涙がとまらなくて・・・」とお礼を

頂きましたが、納棺師冥利に尽きる時・・・と言えるでしょう。

翌日は変則な時間設定の葬儀です。

午前10時、家族親族による葬儀開式、1時間で初七日法要まで行い

準備をして花入れや、好きな食べ物など入れると、午前11時40

分頃から一般の人達による会葬と、親族はおしゃべりタイム・・・

1時間30分ほど一般の弔問を受けながら、親族は数か所に別れて

気の合う者同士が昔話に花を咲かせる・・・

全国に点在している親戚が集まって、懐かしそうに昔話を話す風景

って葬儀の時しか持てないのでは・・・その意味でも葬儀後の90

分は大きな意味があるように感じます。

午後1時に棺のフタを閉じる時、親戚一同が目を赤くしています。

1時10分に出棺、親族は先に斎場に行き1時20分霊柩車出発、

火葬に入ると家族親族40名ほどで清めです。

食事をしながら先ほどの続きを話し、みんなが笑顔になってます。

約60分後に収骨、斎場外で喪主が挨拶し葬儀終了、焼骨は自宅に

戻って後飾り祭壇にご安置、葬儀の全てが終了しました。

いつも思う・・・家族親族は葬儀期間中、泣いたり、笑ったりして

家族の死を受け入れるようです。

家族親族の心をそのまま出せる場の空気を作り上げること、無理に

悲しそうな顔はせず、和やかな雰囲気を保つこと、そして我々都合

より家族の都合を優先した流れを設定する事、それが温かく送れた

と感じて貰える葬儀の骨子なのかもしれません。

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