よくポックリ死ねたら最高だね・・・と耳にしますし、時々90数歳の方が食事を

して目を離した数分で亡くなっていたとも聞きますが『それ良いな』と思った事も

ありませんので、正直なところポックリ逝くというのを実感できませんでした。

ところが前回ブログ、花屋の社長の生き方と逝き方を見て『なるほどなぁ』これが

最高の幕の引き方かもしれないと初めて感じたのです。

 69才で現役の花屋さん・・・少し早いとは思いますが、花屋さんって店の中は

一年中寒くて、夏場は特に寒く、身体は芯から冷え切ってしまう仕事に思えるし、

生花スタンドは水も入っているので以外に重く、葬儀、結婚式など時間で動く仕事

でもあるし、何と言っても生物ですから、枯れるし、腐るし、彼岸、盆、正月など

極端に高値の仕入相場になるのが当たり前だし、葬儀屋の我々でさえ葬儀の依頼が

いつ入って来るか分らないのに、いつでも生花を準備しておくのは大変であろう事

くらい僕でも分ることです。 本人も言ってましたが、好きじゃなければできない

仕事・・・本当にそうだと思います。 手も荒れるし・・・見た目ほど綺麗な仕事

でないのは確かです。 

だけど『花』が大好きな人だから仕事が大好きで、午後6時を過ぎれば仕事が無い

限り1年365日毎日欠かさず、行きつけの店で、いつもの仲間と飲む、これが唯一の

趣味というか、楽しみな人で実行し続けた人でもあります。

周囲の同級生の多くはテレビの番付が仕事のような生活をする中、69才まで現役で

大好きな仕事をし続けるから、好きなだけ飲める収入も得られるし、今は独り身な

のですから誰にも気兼ねする事なく、自分の好きな人生を、精一杯楽しんで生きた

人なのは家族の言葉からしても確かでしょう。

26日の仕事が済んで、いつものように飲み仲間と飲んで、もう一軒はしご酒をして

ご機嫌で自宅に戻り、自分の部屋へと階段を上り始めた途端の心停止、あっという

間もなく一瞬で逝ったと考えられると検視した警察から言われたそうです。

いかがですか? 確かに少し早いとは思いますが、75才まで今の仕事を今と同じに

続けられた確証はありません。 心筋梗塞や脳溢血で倒れて入院生活を送ることに

なるかもしれませんし、痴呆で施設のお世話になるかもしれません。

そう考えると、69才現役のまま一瞬にして逝く・・・最高の逝き方かもしれないと

思えてきました。 大好きな仕事を生涯現役のまま一瞬で逝く、これこそが多くの

人達が望む生き方であり、逝き方なのかもしれないとも思えます。

 僕も同じような生き方、逝き方ができたら最高かもしれないと思えてなりません。

但し、何の準備もなく突然逝かれた周囲、一連の流れを客観的に見ていると、大変

なんて言葉では推し量れないくらい大変なのが分るほどです。

 うむ・・・もしかしたらエンディングノートは現役を引いた人より、現役の人の

ほうが遥かに必要度は高いかもしれません。 好きな事をやり続けるのですから、

最後の最後まで準備万端にしておく事こそ、我が人生を存分に、何の心配もせずに

突き進む極意かもしれません。 

 一度の人生・・・精一杯仕事をし・・・精一杯楽しみ・・・不安に怯えて生きる

より・・・毎日を・・・今を楽しむ人生を送れる人間になろうと、改めて思わせて

くれた先輩の終幕でした。

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