前回ブログに「依頼を受けない」でなく「依頼を避けたい」と書いたのは理由があって

今回のように400名を大きく超える会葬者の葬儀になると、生花も60本、70本と多く、

供物も多いため、葬儀期間中の電話やFAXが引切り無しに掛かってくる・・・

最少人数で運営しており、会員さんから依頼が入った場合、どんな事があっても依頼は

受けますが、それでも時間の遅れなどで100%のお世話が出来ない可能性大なのです。

いつも心掛けているのは、直葬でも家族葬でも料金に関係なく『納得の内容で、満足の

葬儀』が大原則なのに、納得の内容は問題ありませんが、満足の葬儀が出来なくなる。

『納得の内容』

簡単に言うと葬儀で使用する葬具類(棺、骨壺、白装束、遺影、etc)等ハードの部分と

湯かん納棺、花入れ(お別れの儀)などの具体的内容のことです。

例えば『棺』なら、木目張りの平棺をパックで設定しておき、山形蓋の布棺に追加料金

変更させるのでなく、初めから山形蓋の布棺を使用するといった感じで、葬具の全ては

誰が見ても違和感の無い物を使用するのが大原則です。

『満足の葬儀』

ソフト面とも言える為、紙面では伝えられない部分でもあります。

例えば『湯かん納棺の儀』『死化粧』の文字はどこの葬儀社も同じ文字ですが、内容は

全く違うのが実情です。 仏式家族葬なら湯かん納棺はパックに含まれていると思うの

ですが、白装束付の直葬パックもあったりします。 問題はどう使用するかです。

簡単に手足を拭き、白装束は手足の上に置くだけ・・・ 何てのも多いのが現実・・・

死化粧も化粧をすれば良いってもんじゃないと思うけど・・・残る家族の好みの問題も

あるとは思うけど、僕は眠っているような安らかな顔に化粧するのが基本、眠っている

のですから真っ赤な口紅など着けて寝る人はいません。 家族が見て寝顔だと思えれば

安堵するのが僕の知る多くの家族だからです。 必要なら目を閉じ、くちを閉じておき

家族が「そういえば・・・病院から戻った時は目を開けてたよね!? くちは開いてた

よね!?」と後から分るくらい自然な顔になるのが一番だと考えています。

 その最たる儀式が湯かん納棺の儀で5分、10分で終わる葬儀屋もあれば、専門業者に

依頼する湯かん納棺もあれば、うちのように家族が家族の手で行う湯かん納棺もある。

ポイントは終わった時、家族が『自分達の手で送ってあげた』と思えれば正解です。

当方紹介の宗教者なら、戒名を付けるのに故人の性格、趣味、仕事等を出来るだけ聞き

依頼する僧侶にFAXして、家族が納得できる戒名を付けて貰ったり、お清めの席では

『故人を偲ぶ』という故人の事を書いた紙を料理の下に置き、せめて最初の数分間だけ

でも故人の話しをしてくれたら供養になると実施しています。

搬送から始まり、拾骨し、自宅安置するまでの期間、様々な場面で家族目線を実践する

ことが結果として『満足の葬儀』に繋がると考えています。

 大きな葬儀のほうが利益は多いですが、その期間中に我々以外頼れない人達の家族に

もしもの事が起こり、我々が迅速に対応してあげられなかったり、いつもと同じような

心遣いをしてあげられない結果となったら、僕の中には後悔が残ります。

それが『依頼を避けたい』葬儀ということなのです。 今回は若者の突然の死でもあり

当方で葬儀をされた家族数件からの同時紹介もあり、何とか無理してお受けしましたが

同様の規模の葬儀は、多分今回が最後となるでしょう。

式場内に座る倍以上の人が溢れ出た賑やかな葬儀・・・臨機応変の対応は過去にホテル

で結婚式の婚礼美粧を数件していた経験から、パニックになる事もなくスムースに定刻

で進行し、午後式を行う業者へも時間通りの引き渡しとはなりましたが、会葬者を混乱

させずさばくだけで精一杯なお葬式となりました。

前日の湯かん納棺で家族に伝えておいた話「明日は会葬してくれる人達への対応だけに

追われ、故人を温かく送ってあげられるのは難しいでしょう。 しかし今日は家族親族

みんなで温かく送ってあげられます。 今からの2時間そんな時間にして欲しいと思う

のと、僕からの提案ですが、寝台車なら僕の他に2人が乗れますから、故人と両親だけ

ですが、彼の通った学校を一周してきませんか!?」と伝えると「ぜひお願いします」

 一年早い成人式のつもりで真っ白真綿の紋服姿を整え、学校の周りを一周してくる。

僕らができる家族目線葬儀の一コマでした(勿論無料です)

本当の家族目線の葬儀、真心のこもった葬儀を行うには、施行する我々に心の余裕がな

ければ到底できません。 流れ作業の葬儀では絶対にできないのです。

 お陰様で家族親族からは深々と頭を下げて頂けるほど感謝され、盛大な葬儀としたら

家族目線を随所に実行できた事への安堵と、他の会員さんに迷惑を掛けずに済んだ事に

ホッとしているのが本音です。 本日も数人の事前相談と入会者が来館されています。

大きな葬儀のほうが利益は大きくとも、我が使命は弱者の葬儀支援、お金の無い人達の

の葬儀支援と心して、これからも邁進して行こうと意を強くした日でもありました。

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