あんしん館開設準備から丁度2年を迎えますが、その2年前から我々を

手伝ってくれてきたのが、今年32才になった僕の息子でした。

彼の大好きなお爺ちゃんが亡くなった時期と、美容師として勤務する中

全てのスタッフが自分同様、精一杯仕事をする人達ばかりでは無い訳で

上に立つ者としての苦悩を抱えた時期とも重なった事と、葬儀の仕事を

目の当たりにした時、彼の発した「葬儀の仕事って家族から感謝される

だろうね。 見ていてそう感じるよ」の言葉は意外でもあるのと同時に

もしかしたら?と思い彼を誘ったのです。

30才を前にした彼に伝えたのは「今のサラリーマン美容師を続けると

したら、10年後はマネージャーとして働くか、フランチャイズとして

美容室を経営するかだけど、マネージャーとして生きるなら、経営感覚

などと、かなりの先見性が無いと加齢と比例して会社のほうが強くなる。

フランチャイズ美容室だと、毎月ロイヤリティーとして5%以上は取ら

れるだろうから、それに勝る価値があれば良いけど、同時に会社の決め

事には絶対服従というとリスクもついてくる。 

分り易い例だと、消費期限の過ぎたお弁当やパンなど傷んでなくても、

販売できず廃棄する決まりになっているだろうが、その費用は全て店舗

持ちじゃないかな、、本部は「適量の発注うんぬん・・・」と現実には

無理な言い訳をするんじゃないかと思うが、契約書に記載されているの

だろうから従うしかない。 でもそれじゃ商売にならない・・・

仮に利益率30%だとして、100円販売なら原価70円って事になる。

それを一個廃棄すると70円の利益を穴埋めするには、3個売らないと

穴埋めできない。 どう考えても商売としての成立は難しい。

だからと言って安く売る事も認めてないのが現実のようですから、店舗

では最低限の発注をしたいところだが、買う人の心理はパンが一個だけ

置かれていたら、残り物のように感じる訳で・・・尚更売れない。

等々フランチャイズの持つ怖さの本音をも伝える事と、自分の将来を考

える年代に入るのだから、少し客観視するのも方法との提案でした。 

そう話す理由のひとつに、僕自身が美容室経営者として生きてきた中で

男性の場合、40才が現役美容師として限界だと感じているからであり、

40才以降に登り坂がくる美容師は殆どいないと思うからです。

ならば別の仕事を考えるのも悪くないのでは? と誘ったのです。

あんしん館を設立する準備から安定するであろう1年間の約束でした。

しかし予想以上に葬儀依頼が増える中、息子も相当迷ったようです。

周囲の人達から「跡継ぎができて良かったね」と言われる度に、彼の中

では様々な葛藤があり、聞く度に辛かったことでしょう。

我々も彼があんしんサポートを続けくれたら・・・そんな甘えもあった

訳で2年前の約束など忘れたかのように仕事をしてきました。

今年の7月、8月は去年より暇だった事もあり自分を考える時間が持て

たのでしょう。 お盆が過ぎた時、彼から自分のしたい事、自分の夢を

改めて告げられたのです。

僕が葬儀の仕事を天職に近いものだと感じるのと一緒で、髪を切ったり

パーマを掛けたり、カラーをして相手が喜んでくれるのを見ると・・・

『よっしゃ!』と思う自分がいると言われた瞬間に答えは出たのです。

僕の我がままで、彼には申し訳ない事をした1年間でした。

1年の約束がさらに1年間増えたのですから、その分、僕にできる事は

バックアップしてあげたいと思っています。

男性の多くが経験する30才前後の焦りというか、サラリーマンのまま

過ごすのか、起業するのか、自分が一生していく仕事は何なのか・・・

彼もその一人なのは間違いありません。

あんしんサポート代表としては、引きとめたいけど、父親としてならば

『自分の心がいつも青空でいられる仕事をし、愛する家族の為に頑張る

事が楽しい、笑顔でいられる人生にして欲しい』と思うのです。

葬儀の仕事をした2年間は、普通では経験できない多くの経験と、人が

感動してくれる仕事のあり方、言葉でなく現実のお金の有る無しなどを

各家庭毎に見てきたことなど、大きな彼の財産となってくれるでしょう。

年令は2才増えましたが、人の心の本音を学べたはずです。

冬を迎える頃には、彼が美容室の経営者として働く姿が見らるでしょう。

いつか自分が現役美容師は難しいと感じた時、年齢的にも葬儀が身近に

感じられる年代になった時、これからの人生を考える時が来るとしたら

選択肢のひとつとして『あんしんサポート』を思い出して欲しい。

それと事業は真面目に頑張れば何とかなる時代ではありません。

勿論、やる以上は成功を目指しますが、思うようにならない現実なんて

当たり前のようにあるのですから、時に父親として、時に経営者の先輩

として、時に人生の先輩として、いつでも相談して欲しいものです。

いつか僕を遥かに超える大きな人間になって欲しいと思うのと・・・

自分と同じ価値観で暮らせる出会い、家庭を築いて欲しい・・・

父親として、そう思うのが僕の本音です。

今まで2年間、無理を言って付合わせてごめん。 そしてありがとう。

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