朝9時、シャワーを浴びて出ると起きてきた息子と廊下で会う。

「おはよう」と互いに声を掛けると、2階の部屋にある携帯が鳴った。

なんだろ? と電話に出ると搬送依頼で、自宅で亡くなって医師が来て

診断をしているらしいとのこと。

自宅で亡くなったにしても、事前に死亡診断してくれる医師を確保して

あったなら大正解と思い、息子にドライアイスを取りに行く指示をして

事務所に行くが、あんしん館安置なのに家族は2人とも運転ができない

との事で、寝台車と軽自動車2台で自宅に向かった。

到着すると居間で仰向けに寝ていたお爺ちゃんの喉元には、クッキリと

縄の跡が残っており、亡くなり方も含め、頭の中を一から整理する。

① 死亡診断した医師は事前に確保していたのでなく、警察が呼んだ人

  であり、検案書を病院に取りに行く必要があること

② 家族も寝耳に水状態で、早朝の散歩にでも行ったのかと思っていた

  らしいが仕事場に入ると、ロープを二重に巻いてぶら下がっており

  50代と70代の女性2人で何とか下ろして、庭を挟んだ自宅まで

  2人で運んだのだと言う・・・男の我々が2人でも重いのに、よく

  女性2人だけで運べたものです

③ 家族すら理解できない行動なのと、親戚付き合いもなく、近所付き

  合いも無い地域だと聞かされる

④ ならば最短の火曜予約をし、火葬だけは済ませてから今後の対応策

  見当もありだと伝えると、2人だけで火葬したいとの事

⑤ すぐに火葬予約をするが、翌日の友引明けは取れず、翌々日の朝一

  火葬をとることにする

⑥ 死亡診断した医師の所へ検案書を取りに行き、警察署に持っていく

  必要があるのは分かっていたので、千明の軽自動車に2人を乗せて

  警察の手続きを済ませて、安置するあんしん館に来る指示をする

⑦ 車の運転が出来ないのだから、安置直後は「末期の水をとり」「線

  香を供え」自宅に送り返して、次は火葬当日に会えれば良いのなら

  最も低費用で済む「納棺安置」を勧める

検案書は4万円掛かったそうで・・・いつも思うが実にアバウトな金額

設定だとしか思えない。 医師により2万円~8万円ほどの幅があって

支払額はちーっとも納得できないのが現実である。

その検案書を担当警察署の担当刑事に渡し、コピーを取って貰うと基本

的には手続き完了となり、その先は通常のご遺体と全く一緒です。

あんしん館で打合せをすると、火葬式8万円+納棺安置2日間9.600

+消費税で決まりました。

すると、家族からいくつかの質問が出ます

■ この後に必要な手続きとは?・・・

■ 墓と菩提寺に対して・・・

■ 自宅の相続問題の3つでした。

⑧ 国保からの葬祭費支給手続き、各手帳類の返却を説明

⑨ 年金は8月中旬に6月と7月分まで普通に支給されること

⑩ 今年一杯は相続税の基礎控除5千万+法定相続人1名1千万なので

  相続税は掛からないが、登録免許税が不動産評価額の1000分の

  4掛かる旨を伝えると同時に、今回はお母さんをパスして娘に名義

  変更したほうが後々費用が抑えられる事と、司法書士を依頼せずに

  自分で登記変更することを勧める(一人娘の為、難しい要素がない)

⑪ お父さんが乗っていた軽自動車は、一旦相続してから廃車する事に

  なると説明し知り合いに費用は確認してみると話しておいた

⑫ よく話題になる通帳の現金に対しても話しておいた

ザッと考えただけでも、やるべき事はこれだけありますが、現実はより

多くの手続き等があるでしょうし、周囲の人達に対し何と言えば良いの

かも迷うところでしょう。

耳が遠くなり、補聴器を付けるとキーンと耳鳴りがしていた事以外には

理由など一切分らない家族・・・

しかし世間や、親戚は勝手な憶測をするはずです。 それも決して良い

方向ではなく、話しに尾ひれがつく・・・のが現実でしょう。

そこで例えば・・・としてお父さんが亡くなった作り話と菩提寺への対

応策をも話しておきましたが、本ブログへの記載はせずにおきます。

なぜそうしたか!? 僕はこんな風に思います・・・

真実が必ずしも良いとは限らない・・・ 時には家族や周囲の人を必要

以上に傷つける事だってある・・・ そんな予測ができる時はそれこそ

仏教用語である『嘘も方便』だってありだと思うのです。

ずっと一緒に生活し、前日も普通だったのですから一番近くにいた家族

にさえ分らない事なら、真実が真実として伝わらない事も多々ある。

ならば、あえて危険を冒さず、多少の違和感はあっても嘘でも良い。

その結果として、残る家族の生活の今後に支障の無い事のほうが大切!

中には決まりや真実が大事だと言う人もいるでしょう。

が僕はそう思いません。 例えば『決まり』『法律』は何の為にある?

決まりや法律とは本来『人』の為にあるものなはずだからです。

何事もそうですが、決まりだから守るのでなく、人を活かす為のきまり

であり、弱き者を助けるのが決まり・・・であるべきです。

男性の80才なら、そう遠くない未来にお迎えが来るのに・・・

突発的な発作かもしれませんし、鬱などの病気だったかもしれないし、

或いは他に原因があったのかもしれませんが、自分が何才であろうとも

家族という存在がある限り、自分で自分の命を絶つことは多大な迷惑を

掛けることになる・・・ って心身健康な時から潜在意識に教え込んで

おくことで、少しは自殺防止になってくれないかなと思った日でした。

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