最近とかく耳にする言葉に『家族葬』というのがある。

相談に来る家族が、一番多く希望する葬儀の形ともいえますが、どうも

話しをしていると家族葬のとらえ方は人によって様々のようです。

第1位 : 何の根拠も無く家族葬なら安いと思い込んでいる・・・

第2位 : あまり人を呼ばず小さな葬儀にしたいから・・・

第3位 : 火葬式のような安置して線香あげて焼く葬儀・・・

殆どは3パターンのどれかで本来の意味は『列席者全員分ってる葬儀』

ってことになるのが現在行われている家族葬儀なのだと思います。

しかし僕の考える家族葬とは、上記とかなり違うものです。

「家族」 = 「気を遣わずに済む人」であり、親戚だとしても普段から

付き合いの無い人達や、やたら気を遣う親戚の人、家族の意思を無視し

てものを言う人などは家族葬には含みません。

また他人だとしても日頃故人との親交が深く、家族同然の付き合いなら

家族葬の一員として声を掛けるべきでしょう。 

これが本来あるべき家族葬の構成人員だと思うし、会員さん達にも同じ

ことを言っています。 とくに湯かん納棺で大人数を呼んだほうが良い

と思っている家族には、最低限まで減らすように言うことさえあります。

理由はあとで述べますが、少人数にする意味あってのことです。         

でも現実は家族葬の言葉だけが独り歩きしている感が強くあります。

家族葬だから安いという理論は成立しません。 どちらかと言えば自腹

で支払う費用は祭壇や式場など10名でも100名でも同じ祭壇や式場

なら少人数のほうが高くなる事も多いのが現実でしょう。

火葬、家族、一般の葬儀形式を決めるには、まず家族が葬儀に望むもの

それが何なのかをハッキリさせることから始めるべきです。

『・は葬儀の特徴』『+は葬儀のメリット』『-は葬儀のデメリット』

① 故人を温かく送ってあげたいと思っている人での葬儀を望む

 ・当然、人数はかなり限定されるはずです

 +故人を自分達の手で送った実感の持てるお葬式も可能です

 -家族にプラスアルファだと香典収入は殆どない

② できるだけ沢山の人達が会葬に来てくれる葬儀を望む

 ・分る全てに声を掛け、新聞にも掲載する

 +会葬人数が多ければ香典収入も増え自腹の支出は抑えられる

 -温かく家族で送る葬儀は難しく故人より会葬者に神経を使う

③ 可能な限り費用を抑えた葬儀を望む

 ・基本は火葬式で1名~少数での葬儀となる

 +費用的にはもっとも抑えられ10万円以内から可能

 -華やかさや賑やかさは無く質素な感は否めない

大きく分けると、こんな感じでしょうが、今回もっとも書いておきたい

のは『家族葬』についての部分です。

「家族」=「気を遣わずに済む人」→「温かく送る」という図式が唯一

成立する葬儀の形ではないでしょうか。

ただし僕の言う家族葬は皆さんが思う形とは少し違うかもしれません。

宗教者の有無は関係ありません。 宗教者の無い葬儀も有りと考えれば

形式は「火葬式」+「湯かん納棺」でも良いし、「火葬式」+故人が大

好きだったカラオケやゴルフやダンスなどでも良いでしょう。

場合によっては「火葬後」に好きな温泉で偲ぶ会でも良いでしょう。

葬儀費用が安いからだろうと思い込みだけで家族葬を選択するのでなく、

葬儀に対する思いや財布事情を、家族で葬儀社の人に本音相談してみる

のが最善です。 よく名前を聞く葬儀社だからとか、会員になっている

からとか、積立しているから・・・そんな理由で葬儀を決めるのは後悔

葬儀への第一歩は間違いありません。 あんしんサポートを選択しても

それは同じこと、自分達家族の感性、価値観にもっとも近い葬儀社選択

であり、話しの通じる担当者であることも大事な要素です。

上記で湯かん納棺は少人数のほうが良いと書いたのは、以前にも書いた

とおり、温かく送ってあげたいと心底思う人だけなら、その空間は全て

同じ空気になってくれますが、義理で来た人はどこまでも義理ですから

余分なおしゃべりをしたり、旅支度ひとつでも心の無さが伝わるような

対応となることも多く、うちなら最も大切な1時間が台無しになる事も

あり得るからです。 人生でたった一度の葬儀、湯かん、納棺であって

唯一家族が自分達の手でしてあげられることの時間でもあるのに・・・

湯かん納棺の1時間、家族は故人を偲び泣いたり、笑ったりするもので

故人のことをずっと考え続ける、葬儀期間の中で唯一の時間だからです。

それが大人数を良しとしない最たる理由です。

昨日、葬儀一軒、法要三軒があり、最後の家族が県内でも少し離れた市

での家族だけ10名足らずの葬儀に列席したようですが、費用はうちの

3倍以上だったのに驚いたと言っていました。

事前にしっかり打ち合わせをしていれば、出て来ない言葉なのです。

高い安いの問題だけでなく、自分達の思いを形にできるお葬式こそが、

家族葬最大の魅力なのですから『思い』と『内容』と『費用』くらいは

事前に納得できるまで何社でも相談しておくことです。

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