先日ブログを書いている時、映画「おくりびと」の中で山崎 務さん
演じる納棺師会社社長の「うまいんだなこれが。困った事に・・・」
演じる納棺師会社社長の「うまいんだなこれが。困った事に・・・」
が正確に分らず、You Tubeで場面を探している時、いくつかの場面に
見入ってしまう自分がいた。 葬儀の仕事を始めた頃だったと思うが
DVDで見たけど、納棺師をするようになって見たことは無かった。
かつては外側からだけ見た「納棺師」の仕事、今は自分自身が行って
いる「納棺師」だけに自分の中でどんな風に変化しているのか、それ
とも変わらないのかも知りたいと思った。
画面は5分遅れた納棺師の2人が、故人のご主人に「遅い」と叱られ
納棺に入り、全てを終えて家を出ると最初に怒ったご主人が追いかけ
「すみません」とお土産を渡し「あいつ今までで一番綺麗でした」と
お礼を言う場面でした。
その中に、納棺師がご遺体を見てから、振り返って遺影を見る場面が
出てきますが、きっと皆さんは何気なく見るでしょう。 僕も以前は
ご遺体と生前の顔は違っています。 髪形や顔色なども分りません。
だから遺影を見て生前の雰囲気を知った上で化粧したり、くちなどの
含み綿も行ったのです。 できるだけ生前の顔にしたいと思うからの
優しさでもあります。 次に「奥さんがお使いになっていた口紅ござ
いますか?」と聞き、その口紅を指しますが、これもいつも見慣れた
「あいつ今までで一番綺麗でした」の場面では涙が溢れました。
映画おくりびとの納棺師は、ほとんどしゃべらず行う納棺師ですが、
現実には難しさのある納棺だと思えます。
映画では効果音楽も流れるし、おししゃべりをする人もなく、最高の
シュチエーションですが、現実はそうではありません。
一歩間違えると納棺師の技術鑑賞会にもなり兼ねないからです。
殆ど話もせず、これだけ人を惹きつけ、感動させられたら素晴らしい
納棺である事は間違いありません。
故人の顔と髪を綺麗に整え、旅支度は見事な手さばきで行うさまは、
ある種の芸術を見ているようで凄いのは間違いありません。
ただ同時に僕の目指す納棺の儀とは少し違うと感じます。
「僕が目指すのは、葬儀に詳しい親戚のおじさんがする納棺師」で
家族親族と一緒になって、自分達の手で送ったと思える湯かん納棺、
湯かん納棺1時間の中に、泣き笑いがある温かみのある時間・・・
それが僕の目指す湯かん納棺であり、納棺師の姿なのです。
千明が言うに以前の葬儀社では、感情を出さず仕事は淡々とこなせと
指示をされたと言うし、ある葬儀社の人は葬儀が悲しいのに、改めて
泣かせる必要はないと言う。 確かに無理矢理お涙ちょうだいは不要
だと思うけど、感動して貰うのが悪いことだと思えない。
感情を表に出さず淡々と作業としてこなす・・・なぜそうすべきかが
僕には理解納得できません。
家族と同じ空気の中にいる担当者が泣いたら、誰かが気分を慨すわけ
でもありません。 家族が嫌な思いをするわけでもありません。
家族と同じ思いを共有してくれるスタッフのほうが、家族にとっては
ありがたく、嬉しいのではないでしょうか!?
僕が経験した葬儀の家族は、皆さんそうでした。
納棺師として湯かん納棺の儀を始めて、家族より先に泣いてしまう事
だって何度もありました。 そんな僕を見て家族が泣くことも珍しく
ありません。 先の葬儀社なら失格でしょう。
でも家族はそんな僕だからこそ、心を開いてくれたように思えます。
心のこもった葬儀とは、、、ロボットのように無感情で動くことでは
なく、家族と同じ立ち位置で一緒に葬儀をする人の事では!?
僕はこれからも、泣いたり、笑ったりする、感情のある、人間味の
ある納棺師であり続けたいと思うし、うちの人達にもそうであって
欲しいと思います。
ある納棺師であり続けたいと思うし、うちの人達にもそうであって
欲しいと思います。
↓↓↓↓
にほんブログ村
ひとつひとつの葬儀を確認・反省・向上する為に書く実践日誌でもあり、
これから葬儀を経験される方々が後悔しない為に役に立てたらとの
思いを込めて書いています。 宜しければクリックをお願いします