夕方葬儀をした家族が帰り、やっと我々も解放され自宅に戻って風呂

場で足を洗い、2階の部屋へと階段を上り始めると電話が鳴った。

現在時刻18日午前0時を過ぎたところ、、階段に立ったまま電話に

でると「沼田市の○○クリニックまで搬送依頼です」の言葉に「えっ

沼田?」と聞き返す。 前橋から車で1時間の距離にあり、支援地域

外、、「先日事前相談された○○さんです」の言葉に「あっそうか」

『県内遠隔地域火葬式パック』の事前相談をした方と依頼者が分る。

前橋市の隣接地域より外側に位置する群馬県内は全て遠隔地域です。

離婚した元旦那でしたが誰も最後を看取ってくれる人もなく、自分の

子供が早くに亡くなり、墓を建ててあるので、そこに入れてあげたい

との事で復縁した奥さんからの依頼でした。

ただ旦那の住所は沼田市の施設にあったので、出来れば自分の住所に

転居しておけば高崎市民だから無料で火葬できるが、沼田市民の場合

火葬に1万円掛かるのと沼田まで行かなきゃだと説明をしておいた人

だったのを思い出したのです。 「火葬は沼田? 高崎に住所変更は

済んでるの?」と改めて確認「高崎に変更済みだそうです」の言葉に

ホッとし、高崎市斎場19日以降で最短の火葬予約をとっておくよう

伝え息子と2人あんしん館に向かう。幸いドライアイスは一人分程度

なら在庫があるので搬送シートを積み、3人乗れる寝台車で沼田市へ

向けて午前0時30分出発、搬送は2人で充分なのですが、あんしん

館にいるだけなら同乗したほうが退屈しないのと、沼田市到着は午前

1時30分頃だろうから、死亡届書の申請書を病院で記入して貰えば、

あんしん館から40分以上掛かる場所に住む家族は、前橋まで来なく

ても済むと考えたからで、その部分は千明が慣れてもいるのです。

普通は家族も来て、末期の水をとり線香を供えてから打合せですが、

今回は少し特殊な事情があって、納棺安置付の遠隔地域火葬式パック

130.000円+消費税=140.400円に決まっているのです。

家族より我々のほうが早く到着し病院で家族の到着を待機します。

到着した家族に、あんしん館まで来て死亡届を記入するか、沼田市の

病院で記入して預かるかを確認、案の定病院で書くことになった。

故人を寝台車に乗せ沼田を出発、夜中でスムースに走り、前橋到着は

45分後の午前3時を少し回ったころでした。

納棺、ドライアイスの処置を済ませると息子が言います「今日は沼田

でも手前だったから往復は約80㎞だね」 市内なら往復100㎞は

走るって事だから、やっぱ遠いなぁと改めて思うと、県内遠隔地域で

もっと遠いところはいくらでもあるので、遠隔地火葬式パックは継続

可能なのだろうか?という気もしてくる。

片道50㎞だとしても、お迎えの寝台車+あんしん館~地元火葬場の

霊柩車だけでも100㎞の往復、実質200㎞以上走り、さらに地元

役所への死亡届と場所によっては火葬場に行っての手続きもある。

税抜き料金13万円は『白布棺』『納棺安置2日間』『線香具一式』

『銀張箱7寸白骨壺』『安定枕付搬送シート』『ドライアイス15㎏』

『全日程の人件費』そして寝台車と霊柩車費用の全てを含むのです。

今回は高崎市役所までの死亡届出で済んだが、それでも40分ほどは

走らなければならない。

深夜料金追加もなく、走行距離追加もなく、県内全域が対象なだけに

13万円+消費税だけで対応しきれるかちと心配になります。

考えてみれば5万円火葬支援パックも、絶対に出来ないと言われたが

3年間続けてこれたし、条件付ではありますが今は県内全域対応する

ことにした訳で、、こちらは間違いなく赤字ですからね。

なんでそこまでするの? と時々聞かれますが、条件付の低料金火葬

パックを利用するのって本当に困っているか、よほど神経が太く厚か

ましいかのどちらかでしょう。  あり得ない生活保護申請者のような

もので、我々は行政ではないし、依頼を受ける受けないは我々の自由

ですから厚かましい依頼は
断りますので、本当に必要とする方だけの

利用となります。 

それなら赤字でも続ける価値はあるでしょう。 

あんしんサポートが存在する価値もあるでしょう。

一般の葬儀社と明確な違いも生まれるでしょう。

それが、あんしんサポートで仕事をする人達の生き甲斐であり、遣り

甲斐でもあり仕事をする上でのプライドにもなるはずです。

今回実質値上げに踏み切ってから、会員さん達にその旨を伝える度に

「値上げして当然だし、値上げしたって圧倒的に安いし、なによりも

あんしんサポートが無くなる事になったら困るのだから・・・」との

声しか聞かないと、会員さんと一番多く話す千明から聞かされてます。

人の役にたてる事が、自分の喜びに繋がり、人に感謝される事が、胸

を張って生きる事に繋がり、その日々が自分達の自信に繋がる・・・

設立前から言っていた言葉を改めて思い返します。

人口の約1%が死亡すると群馬県民200万として年間2万件葬儀が

あるのだから、年間365件の葬儀をすれば食えるはず、、

たった1.825%の葬儀で365件なら可能性はいくらでもある。

一件、一件の葬儀を親切で、高品質の内容で、薄利で行い続けれられ

たら、それが一般の人達に認識して貰えたら、間違いなく生き残れる

だろうし利用者は増えるはず、利用者が増えないとしたら自己満足の

仕事でしかなく、一般消費者にとって不要な葬儀社だからだと・・・

設立から丸6年を迎え、そろそろ葬儀屋側からの感覚が強くなる頃、

時々初心、初志を自分で思い返す事が、より強く、より固く、我々の

存在理由と意志の継続になると再認識させてくれたのが、初めての

遠隔地域
火葬式パックだったようです。

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