葬儀パック、セットのカラクリを見抜くポイントを記す前に知るべき
事として『人の死にまつわる法律』があります。
事として『人の死にまつわる法律』があります。
今回は良く聞かれる法律に絞って書いてみます。
人が亡くなると、、、っていうか亡くなり方によっても法的な拘束を
受けることになります。
①自宅を含む医師不在の場所で亡くなった場合、病死、自殺も含めて
警察の検視が入り、検案書(死亡診断書)は医師又は歯科医師にしか
書けないので警察が依頼した民間の医師が検案書を書きます。
過去の経験で検案書の受け取りには2万円~8万円の費用が掛かる。
中には明らかに亡くなっていも、救急車を呼べば大丈夫? だろうと
と思っている人もいますが、死亡が明らかなら救急隊か担当医師から
警察に連絡が入るので、病院に搬送後でも警察は調べます。
調査は4~5時間も係り、多く亡くなり方によってはMRI撮影等も
行われますが、一度警察署に入ったご遺体は全裸で、遺体専用の袋に
入れて引き渡されるのが一般的で、あんしんサポートに限って言えば
MRI撮影は何度も経験しましたが、司法解剖の経験はありません。
ちなみに医師不在の場所とは、最後の看取りまで行う特養以外の施設
でも自宅と同じ扱いであると思えます。
3か月で退院させる病院が増えているのはご承知でしょうが、治療を
しても改善されない状況下で、自宅療養を宣告される事も増えており
退院は良くなった人ばかりではないのが実情です。
①の対策として・・・
夜中でも往診して貰える医師を探しておきましょう。 明らかに病死
だと判断して貰える程度の診察は事前にして貰っておくべきです。
また群馬県の場合で言えば、各市にひとつは数年でも入院させて貰え
る病院もありますので、担当医とよく相談をしておくことです。
②亡くなると死亡診断をした医師又は歯科医師の書いた『死亡診断書』
を受取り、初めてご遺体の搬送ができる事になります。 ご遺体搬送
には自家用車でも問題はありませんが、自分達で搬送する時は、毛布
程度は最低限必要です。 またご遺体が横になれるスペースも必要で
あると言えましょう。 法律では死亡診断書記載の死亡時刻から24
時間以内の火葬や埋葬はできません。 ちなみに日本は全て火葬する
のが法律で決まっているわけではありません。 法的には土葬も問題
ないのですが、都道府県市町村の条例で土葬を禁止している事もある
のでよく確認をしましょう。
③死亡診断書を提出する役所は、居住地ではなく、火葬場のある役所
への提出が基本です。 旅行先で亡くなり、旅行先で火葬する場合は
旅行先の役所ということです。 死亡届をし受理されると火葬許可証
が発行されますが、火葬後は埋葬許可証も兼ねた書類です。
死亡届は誰でもできる訳ではありません。 法務省ページに記載され
ているのは『親族,同居者,家主,地主,家屋管理人,土地管理人等,
後見人,保佐人,補助人,任意後見人』となっています。
親族とは六親等内の血族および三親等内の姻族を言います。
血族とは血の繋がっている親戚の事、姻族とは配偶者の親戚です。
4親等で高祖父母(こうそふぼ)、玄孫(やしゃご)、大叔父叔母、
従兄弟姉妹(いとこ)、てっそん(甥・姪の子)まで入るのですから
血縁なら殆ど大丈夫だと思って良いでしょう。 姻族に関して言えば
1親等は配偶者の父母、本人の子供の配偶者。
2親等は配偶者の祖父母、配偶者の兄弟姉妹、本人の孫の配偶者。
本人の兄弟姉妹の配偶者までが二親等です。
3親等は配偶者の曾祖父母、配偶者のおじ・おば、配偶者の甥・姪、
本人の曾孫の配偶者、本人の叔父叔母の配偶者、本人の甥姪の配偶者。
とこれまた結構な広範囲ですから、親戚が居れば大抵問題ありません。
④最近よく話題になる孤独死の中に行き倒れのような終幕もあります。
事件性のある遺体は警察の管理下に入るので国家予算もありますが、
事件性の無い場合は亡くなっていた場所の行政が火葬等行う決まりと
なっています。 孤独死でも扶養義務者が葬儀をするのが決まりです
ただその人が葬儀をできる状況でない時、扶養義務者の居住地を統括
している福祉事務所に申請し、扶養義務者でない者が葬儀を行う場合
故人の居住地の福祉事務所に申請をすることになります。
この部分結構ややこしいので、この部分だけを抜粋して書いても数回
書かなければ理解し難いのが現実でしょう。 また決定までの段階で
『調査』をした上で判断する・・・というあいまいさもあり担当者に
よって異なる判断・・・なんて事も充分考えられます。
⑤火葬が済むと『火葬証明書(埋葬許可証)』が発行されますので、
骨壺と一緒に保管をします。 この焼骨は正当な手続きを経たもので
ある事を証明するもので公営墓地、寺の納骨時にも必要となります。
ただし焼骨を何処で保管するかの決まりはありません。 自宅に何年
何十年と保管しても法的には全く問題ありません。
⑥次は相続に関してです。 人が亡くなって相続すると全て相続税が
係ると思っている人は多いですが、相続税には基礎控除があります。
現在は5000万円+1000万円×法定相続人となっているので、
配偶者と子供が2人いた場合8000万円が基礎控除額となります。
法定相続人とは『配偶者+子供、孫、ひ孫』だと思ってください。
子供がいない場合、両親、祖父母と上の代、そこも不在なら兄弟姉妹
という順で法定相続人は変化します。
但し平成27年1月1日から変更になり3000万円+600万円×
法定相続人数と基礎控除額は引き下げさられます。
ようは相続税を徴収しやすくするって事です。
相続には現金、預貯金、不動産、有価証券などありますが負債(借金)
も相続することになると覚えておきましょう。
わりと勘違いするのが『死亡保険金』で、保険は必ず受取人がいる訳
ですから故人のお金ではありませんので、相続でもありません。
また残した財産より、借金のほうが多い場合には『相続放棄』という
手段があり逝去から3か月以内に家庭裁判所に申請します。 但し、
連帯保証人だった場合、相続放棄できない事のほうが多いので注意。
また家や土地などの不動産は名義変更しますが、その際に不動産評価
額の1000分の4が登録免許税として必要です。 評価額とは毎年
来る固定資産税の用紙の中に記載してあります。
良くあるのが、亡くなったお爺さん名義の家をそのままにして、お婆
さんも亡くなった後、子供達の代になって誰も住まない家を遺産分配
する時になって初めて気づく人達です。 手続きも面倒ですが、最初
お爺ちゃんが亡くなった時に滞納した税金に利息も付き、お婆ちゃん
が亡くなった時からの利息も付くことになるでしょう。
悪質であると判断されたら重加算税の対象って事もあり得ます。
葬儀の時、家族に良く聞かれる法律に関してはこんなところです。
最後に、、葬儀を境に仲違いする家族は結構多いのが現実です。
財産が無ければ争いようもありませんが、財産を残すなら生前それも
元気な時に明確な文面を残すべきでしょう。 遺言など何も無ければ
法定相続人が決められた分配率で受け取る事になるので、生前あいつ
には相当な額を使ったのだから財産分けは不要だ!なんて言ってても
全く関係なく権利分は、その人に渡るってことです。
口約束で遺産は要らない・・・なんてのは法的に全く通用しません。
次回は『②パック等の落とし穴が見抜ける知識を持つ』です。
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