昨日午前9時15分、どこの警察署でもある遺体保管冷蔵庫の建物に
寝台車を着け、棺の乗ったストレッチャーを検死台に横付けする。
寝台車を着け、棺の乗ったストレッチャーを検死台に横付けする。
ビニールの遺体袋から出されたご遺体が全裸で横たわっていました。
「あれ? 袋に入ってないのですか?」と係官に訊ねると、「すみま
せん袋が不足してて・・・」との返答。 室内の奥を見ると冷蔵庫の
外に緑色の納体袋が台に乗っているのが分かった。
という事は冷蔵庫に2体入るのですから、4体のご遺体が保管されて
いるって事のようです。 納体袋は安くても数千円~するし目の前に
ある納体袋は2~3万円はするでしょうから、時に不足する事もある
のは仕方ありません。 念のために用意していったゴム手をはめて、
我々3人と係官の4人で納棺の準備にかかります。
60代前半男性のご遺体は、推定死後から6日経っており、発見まで
3日経過していたそうです。 ご遺体は少し傷んではいますが真冬だ
ったからで、夏場なら凄惨な遺体になっているはずです。
検死は警察が依頼した医師によって必要な検査をされますが、当然の
ように裸にされ、最後まで何も着ることはありません。
冷たいステレンレスの台、遺体専用の冷蔵庫で保管、全てが完了する
まで家族の元には帰れません。 警察は事件性を調べるのが仕事です
から、葬儀のようにご丁寧には扱ってくれなくても当然でしょう。
今回の故人は、ハイツの2階に住んでいたようですが、階下の人から
数日足音がしないと3日後に発見されたのだそうです。
孤独死があった部屋の周囲に住む人達も、暫くは微妙な感覚で過ごす
ことになるでしょう。
多分、多くの人は孤独死を対岸の火としてとらえるでしょうし、実感
など無いでしょうが、明日は我が身なのです。
今日本には500万人、65才以上の独居老人がいますし、若い人の
一人住まいも含めたら相当数になるでしょう。 孤独死に関しては、
老若男女問わず、いつ起こるか分りませんし、医療機関が3か月間で
退院させたり、治療の余地が無くなった患者は、ベットを空ける為に
自宅での療養となる人が増えています。
しかし自宅に戻ると、家族の誰かが看ている必要が生じ仕事も出来ず
収入は減り、在宅看護師等の費用は増え、自宅で夜間や家族が目を離
した時に終幕を迎えると、何をどうして良いか分らない家族は119
番に電話して救急車を呼びますが、明らかに亡くなっていると判断を
した救急隊員は警察に連絡をする事もあるし、病院から警察に連絡を
することもあり、大きな総合病院の患者さんのほうが、すんなり死亡
診断書が出ずに、検死が入る確率が高いように感じます。
警察が動けば税金も使うし、家族にも故人にも良い事はないのです。
元気だった人が突然亡くなるなど検死が入って当然の場合は別として
明らかに病気での逝去だと分るようなケースでの検死を避ける方法は
あるような気がしてなりません。
治療段階が終わった患者さんが自宅で療養する時等は、総合病院から
看取りをしてくれる医師へ逆紹介システムが、制度化されても良いの
では?って思えて仕方ありません。
孤独死は無くなりはしませんが、家庭状況や状況によっては避けられ
る方法があるかもしれません。 また近所で何かあったら、自治会や
民生委員が対処知識を持っているか否かでは、その後の対応に大きな
違いがでるはずです。 やっぱ勉強会実施するかなぁ・・・
と改めて痛感させられた警察へのご遺体引取りをして、火葬場に搬送
した日の午後5時30分、都内で一人住まいをしていた兄が病院で、
亡くなったとの連絡が会員さんから入りました。
『都内在住者用火葬、永代供養散骨パック』初の適用となりました。
次回は都内へのお迎え・・・その様子を書いてみたいと思います。
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