今年の施行数は対前年比で200%はすでに確定しており、当事者で

ある我々自身、凄いなぁ、、と思うのが本音です。

知名度が上がり前橋での施行が増えるのと反比例するように他市での

依頼が受け難くなっています。 以前は一市またいでの依頼も普通に

受けられましたが、今では殆ど無理な状況です。

以前は県内に数か所、離れた地域にあんしん館を配置すれば県内全域

の支援が可能と考えてきましたが、少し様子が変わってきました。

群馬に大都市はありませんが前橋34万、高崎37万、伊勢崎21万

太田22万と、そこそこ人口のある市が平野部に並んであります。

今のように依頼数が増えてくると、各市毎に安置室と小式場を完備の

あんしん館を設置しなければ対応しきれない状況になってきました。

しかし問題なのが、人の増員と料金体系で、この2つは切り離しては

考えられませんし、あんしんサポートの根底に係わる問題なのです。

■ 火葬支援パック5万円

・病院へのお迎え(安定枕付搬送シート)

・ドライアイス15㎏

・線香具一式(末期の水セット)

・役所届出、火葬場予約(死亡診断書コピー3枚)

・白布棺6尺

・7寸白骨壺(銀張箱付)

・火葬場までの霊柩車

・火葬場案内含む全日程の人件費

・消費税(2.380円)なので、税引47.620円です。

病院へのお迎えには深夜や早朝も普通で2名が入り、役所の届出にも

1名、棺への納棺で2名、霊柩車1名、火葬場でも1名必要です。

どう考えても、人件費を計上したら赤字は間違いありません。

棺、骨壺、ドライアイスなどの直接原価に人件費や時間外手当なども

計算すれば10万円は軽く超えて当然ですから、15万円程度の料金で

火葬式を設定している葬儀社なら、かなり良心的だと言えるでしょう。

ってことは、我々3人以外の人手が必要になり、お迎えの都度人件費

が掛かり、深夜、早朝の手当が必要になったら、とても5万円火葬は

成立しなくなります。 ならば料金を上げれば良いのでは? と言う

人も多いでしょうし、その通りですが、5万円火葬は前橋市だと国保

から支給される葬祭費5万円だけで病院へのお迎えから焼骨になって

壺に納まる全てが賄える料金設定なのです。

前橋はじめとして多くの市町村で、火葬無料ではありますし行政でも

火葬は無料ですよ・・・という感覚を持っているようです。

しかし家族は火葬して骨壺までに20万円ほど掛かるのが実態です。

著書にも書きましたし、本ブログで何度も書いていますが、人がこの

世に生を受けた以上、誰にでも終幕は必ず訪れます。

20才で社会に出て80才で終幕を迎えたなら、60年間は税金を払

い続けるわけですから、市と県と国で焼骨になるまでは面倒を見ても

良いんじゃないの? 葬儀うんぬんは焼骨になってから家族の裁量で

決めれば良いこと、全国民が平等に受けられる権利となる訳で、同じ

税金を使うならこれ以上平等な使い道はないはずです。

そう、あんしんサポート事業は本来行政が行うべき事業であるという

大前提で行っているので、簡単には料金改定したくはありません。

また人手があれば良いわけではなく、家族の持つ様々な事情を汲んで

対応できる人間性も必要です。 とくに怖いのは低料金ゆえに家族も

一般葬儀社のように利益が無いのは分るので、面倒をみて貰っている

という感覚が強く、さもすれば、我々の側が『してあげてる』という

言動になるのは簡単です。 毎日のように入会者がいて、葬儀依頼が

あると勘違いをする人間が出てきます。 これは過去に美容室を経営

する中でも多々起きています。 開店前から係わった人はお客様が再

来店してくれるようにと、自分の持てる力量の全てを出し、とにかく

喜んで貰おうと精一杯の仕事をする。

その結果として多くのお客様が再来店されたり、紹介等もあり客数が

増えて繁盛店となるわけです。 そこで新規スタッフを投入する。

すると新しいスタッフはお客は勝手に来るもの、いくらでも来るもの

極端に言えば、こんな感覚で仕事をするのです。

その結果、少しづつ客数が減り、気が付けばかつての賑やかな店内で

はなく暇な店になっている、、、なんてのは当たり前にある話です。

今から11年前、現在あんしん館の場所に50坪の美容室を開店して

わずが2か月で、この経験をしました。

当時の僕がとった措置は、やる気の無い、お客様を大事にする感覚を

持たず、向上心のない5人の首を切ることでした。

当然間に合いませんが、忙しくて出来ないぶんにはお客様は再来店を

してくれるし予約もしてくれますが、駄目な接客や技術をされたお客

様は二度と来店しないだろうと考えるからです。 

後にこの判断が正解だったと分かるのは、長年通ってくださるお客様

方々の「辞めたから言うけどさぁ あんな子達に何度も髪をいじられ

たら美容室替えてたわよ」という言葉からでした。

今あんしんサポートは成長するがゆえの過渡期とも、岐路とも言える

状況にさしかかっています。 利用者の事を考えれば広い範囲で支援

活動をしたほうが良いのは間違いありませんが、あんしんサポートの

事業に対応できる人材確保は可能なのか? 或いは若干料金が上がる

ことがあっても拡大路線をとるべきなのか迷うところです。

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