そして、いつの間にか定着して非常に好評なのが【葬儀アルバム】です。事の発端は

葬儀とはなんぞやとネット内を検索してみると、葬儀祭壇程度の写真はあっても、葬儀

の様子が分るような画像は全く捜せなかったのです。何人の葬儀でいくら、と書かれて

も祭壇だけで、安置の様子も無ければ、家族の様子や、打ち合わせの写真も無い、これ

じゃあ、僕同様の素人には何も分るはずがねぇと、葬儀をされる家族に「葬儀の一部始

終の写真を撮らせてください。場合によってはホームページやパンフレットにも誰だか

分らないように加工された写真を使わせて頂くかもしれません。その代わりに葬儀のあ

とで気持ちが落ち着いた時に見れば、良き思い出となるような写真アルバムにして無料

で差し上げますが、宜しいでしょうか?」と家族に確認をするのですが、いまだかつて

一軒も断られた事がありません。 それどころか、出来上がった写真アルバムを、葬儀

の翌日、集金時に持っていくと、加工した写真や、文字の入った写真なので、手が掛っ

ているのは分るからでしょうが、「凄い! 早い! 綺麗!」と驚かれ、葬儀後に線香

をあげに来た人達には葬儀の様子が手にとるように分って良いようです。時には一〇〇

名で七十万円の葬儀だなんて言うと、どんなにケチッたのかと、一瞬嫌な顔する方もお

られるようですが、アルバムを見せると、結構豪華な祭壇や葬儀風景写真に「その金額、

本当なのか?」と驚かれるそうです。さらには、三十五日や四十九日の忌明法要時には、

写真を持っていくことで、親戚の方々にも好評だそうで、自分や家族が写っている場面

などの話をするので、結果的には故人や葬儀の話題となり供養になると言われます。

家族目線なら見える葬儀の希望【明確に費用表示】

 葬儀費用の話が出たついでに書いておきますが、あんしんサポートのホームページや

パンフレットには葬儀実践を記載して、写真類・人数・使用品・会場までも、一円単位

まで明確に料金を提示しています。この理由としては、どの葬儀社のパンフレットを見

ても、不明確で分り難くくパック料金では全く葬儀の出来ない内容が当然であったり、

馬鹿高い定価設定をして、半額!と表示するなど、あまりに適当な価格設定がまかり通

っている現実を、消費者が分った上で判断できるようにと考えて、本当に集金をした総

額・単価金額を提示しているのです。また、会員さんは半額で利用できます! なんて

堂々と書いてる葬儀社もありますが、これが本当だと思いますか? もし本当なら普段

はどんな商売をしているのでしょう? 会員以外は法外な料金を請求されるって事です

か? また、うちは全て会員さんになって貰っているから、法外な料金にはなりません

って言うとしたら、全員が会員なら、半額が定価って事なんです。

 料金関係ではもうひとつ、とにかく訳の分からない項目が多すぎます。試しに、これ

なんだ?って思う項目があったら全て説明を求めてみれば分ります。 きっと、聞いて

も良く分らない説明の項目が出てくるはずです。多分、葬儀社の社員でさえ、良く分ら

ない項目が・・・なんて事だって決して珍しい話しではないはずですが・・・とにかく、

自分が納得できるまでは葬儀の内容や費用は、何度でも聞き返す事も大事です。適当に

聞いていたり、どうせ葬儀の事は分らないからという態度や応対をしていると、葬家主

導葬儀打ち合わせから、業者主導の高額葬儀となり、結局は納得の出来ない、後悔が残

る葬儀へと自らがしている事も覚えておくべきでしょう。葬儀の事なんて考えたくない。

気持ちは分りますが、後で後悔をしたくないなら、家族全員が元気で笑って話しができ

る時や、冷静な判断ができるうちに、賢い消費者として必要な事は学び我が家にとって

無駄な費用は抑えて、浮いた費用で人生を楽しむ選択だってあるってことです。

家族目線なら見える葬儀の希望【死化粧をするタイミング】

 葬儀経験のある方は、その時の様子を思い出して頂き、映画おくりびとをご覧になっ

た方なら湯かん・納棺の儀の場面を思い出してください。死化粧は湯かんの前後にして

いませんか? 化粧の話しをする前に、湯かん・納棺について、簡単に説明しておきま

しょう。湯かんとは、故人の身体を洗い清める事で、納棺とは文字通りで、ご遺体を棺

に納める事です。湯かんには、簡易湯かんと呼ばれ、故人の手足を清浄綿やぬまる湯に

浸したガーゼなどで、家族親族が拭くものと、業者湯かんと呼び、専門の業者さんが移

動式の風呂を部屋に組立て、故人を裸にして風呂に入れて身支度を整えてくれる二つの

方法があると思ってください。映画おくりびとで行なっていた湯かんは、簡易湯かんで

したが、この時に化粧をしていたのを覚えていますか? また葬儀経験のある方や、親

族の湯かん・納棺の儀に参加された事のある方も思い出してください。 湯かんの前後で

【死化粧】をしていませんでしたか? あんしんサポートが施行する葬儀も、数十回を

数えた頃、病気で亡くなられた四十代の女性の葬儀前日、いつものように湯かん・納棺

の儀を始める直前、提携葬儀社の女性納棺師が言います。「只今より準備を始めます。

もう少しお待ちください」と故人の死化粧を始めてから暫くすると、髪もムースで整え

られた小奇麗な女性の姿があらわれたのです。 当の故人には失礼な話しですが、化粧

をするまでは、もっと老けた印象だった事もあり (おー、綺麗になったぁ) って思った

し家族も同様の反応でした。内心(うん、良し)と一瞬思ったのですが、すぐに(ん?待て

よ。何かが違うんじゃねぇか・・・)と思い直したのです。皆さんはどう思いますか?

 僕はこんな風に思いました。化粧・整髪をして綺麗になったのは今で、先ほどまでは

年令より老けて見えてたって事は、臨終から今までに故人と会った人達は、全て素顔を

見た訳で、綺麗になった直後には、棺に入っちゃう。女性の故人に「お化粧はいつしま

すか?」って聞けるなら「出来るだけ早めにしてください」って言うだろうなぁ。なら、

もっと早い段階で化粧してあげれば良いのに、何で今ごろするんだろ? 答えは簡単で

した。納棺師費用の問題です。湯かん・納棺時に化粧すれば一回の出張費で済むけど、

自宅に搬送された直後だと計二回の出張となるからなのです。費用を抑える為に化粧は

湯かんまでしないでいる。実に微妙な判断ですが、故人が女性ならきっと納得しないだ

ろうし、葬儀社は故人が・・・故人を・・・と言うのなら他の費用は抑えても化粧は早

めにと思える。いつか、自分で納棺師の仕事ができるようになった時は、安置の処置が

済んで、打ち合わせが終わったら、追加費用無しで死化粧をしてあげよう。そうすれば、

夜中の搬送なら翌日来る隣保や親戚、友人知人などには綺麗な顔で会えるから、故人も

家族も納得するだろうと考えたのです。 

 その日から一年後、納棺師として湯かん・納棺の儀を行う僕の前に寝ている故人は、

搬送された直後に化粧をされ、髪を整えた寝顔のような顔で横になっているのです。

つづく

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これから葬儀を
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