公営斎場での葬儀、自宅での葬儀、民間施設での葬儀と様々な葬儀経験をし

ていると、葬儀の流れや、慣例的なものが見えてくる  葬儀社に勤務をした人

達は、この辺りから概念が作られるのだろうと思えるほど、こーでなければ成

らない、これは葬儀の常識だと言い切る人達が多く、ど素人の消費者でさえ、

たった数回の葬儀経験なのに、葬儀の全てを知っているかのような言い方を、

公然と人前でするのだから不思議だし笑えます。

 その目線で言うなら、我々はすでにプロフェッショナルの領域とも言えるで

しょうが、ひとつだけずっと心掛けてきた事があります。 それは葬儀屋さん

の言う常識や、偏った知識、考え方などは吸収せず、いつでも依頼した家族の

事を第一に考え、家族だったらどう考えるかの目線でものを見る習慣を身に付

けることでした。 この感覚を持ったのは最初の、最悪な葬儀社に依頼をした

清めの席だったのです。

 火葬炉に棺が入ると拾骨までの時間、親族によるお清めが始まりました。 

喪主からの挨拶、続いて献杯の発声と続く挨拶のあいだは皆さん静かに話を聞

いていましたが「献杯!」の発声直後、場の雰囲気は一気に変化し普通の宴会

のように変ったのです。「おい、最近の景気はどうだ?」「おばさん元気か?」

「うちの息子がさぁ・・・」など葬儀とは無関係の話が一斉に飛び交い、声高

らかに笑い声も聞えます。 まぁ久々に会った親戚同士それも仕方の無い事だ

と理解は出来るのですが、せめて最初の数分くらいはパフォーマンスでも言い

から故人の思い出などを語ってくれたら、家族の心は少し癒されるのに・・・

と思ったのを思い出します。

 その対応策として作ったのが「故人を偲ぶ」というA4サイズの用紙に、故

人にちなんだ文を書いて料理の下に置いておく用紙だったのです。 故人それ

ぞれで書く内容は全く違うのですが、用紙下部には僕の言葉が書いてあります

のでご紹介しておきます。

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 最高の供養とは、豪華な葬儀を行うことでしょうか? それとも立派なお墓

を建てることでしょうか? いいえ そうではありません。 最高の供養に費

用は掛かりません。 自分が故人だったらと考えれば分る。 1日だけの豪華

な葬儀をして貰えたら、いつまでも満足ですか? 人は来ないけど立派なお墓

を建てて貰えたら満足しますか? 人の心が癒されるのは、人の心にです。 

自分の存在が無くなっても、いつまでも自分の事をみんなが忘れずにいてくれ

たら、これが最高の供養なのです。 時々で良い、故人を思い出す、誰でも、

いつでも、心があればできる事です。 でももっと大切なことがあります。 

残された家族が、毎日を元気な笑顔で過ごしている姿こそが、故人にとっては

最高の供養ではないでしょうか。NPO あんしんサポートはそう考えます。

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家族目線なら見える葬儀の疑問【お清め料理】

 葬儀経験者の話しを聞いていると、不思議な事に気付きました。 火葬場に

行き火葬炉に棺を入れると90分ほど待機しますが、多くの人は火葬場の待合

室では乾き物と言われる裂きイカ・チョコレート・クッキー・せんべいなどと、

おにぎり・飲物を用意して過ごし、拾骨が済むと、葬儀社の施設に戻ってから、

最低3.675円~6.300円もする料理を食べながら、さらに2時間ほど

を掛けて清めをしたと言うのです。 いかがですか? 不思議でしょ? 火葬

の90分は何もせず待機だけさせて、後からのお清めなら、火葬90分を使っ

て清めをすれば集まった親戚も助かるはずだし、乾き物やおにぎりは不要とな

るので、時間も、費用も節約できます。 それに本膳と呼ばれる清め料理は、

平均でも4.200円+飲物が平均1.000円だとしても5.200円×人

数です。 たっけぇーと思うだけでなく、普通の人が5.000円以上の食事

をするって、そうそうある事ではないと思えるし、みんなは食事をしに行って

いる訳ではないはずです。

 確かに、東北地方では、すごく豪華な食事を用意する習慣があると聞いては

いますが、食事をする人達はちゃんと別に包みを用意していくと聞きましたの

で、それならば、仕方ないかとも思えるのですが、群馬辺りでは料理用の包み

はありません。 ついでに言うと、家族4人で行き返礼品はひとつでも、食事

は4人でして、包みが一万円・・・なんて話しも良く聞くのですが、葬家に余

分な支出はさせない気遣いは必要でしょう。

 本音で言えば、食事なんて何でも良いんじゃないの?って言いたいところで

すが、世間の目や今までの流れがあるので何も無いという訳にはいきません。

そこで、あんしんサポートでは、比較的低料金でボリュームあるオリジナル本

膳料理を用意しています。 斎場で火葬をしている九十分間を利用して、お清

めを行なうので終わりの時間もハッキリしているし、飲物は自治会運営等が多

いので、民間の半額以下となり好評です。 葬儀を始めた当初は【清め法要の

場所】【料理の価格】【斎場での対応】など全てが不思議で理解に苦しむこと

ばかりだったのです。

家族目線なら見える葬儀の疑問【お布施・謝礼】

 葬儀は神式・教会式、或いは無宗教式など様々な葬儀の形態がありますが、

ここでは最も多い仏式で僧侶をお願いした時に発生する【布施】を取り上げた

いと思います。 初めての葬儀で、ど素人だったからか、お寺に行きお布施の

交渉をし、結果として30万円が下がった事で、そんなもんだと思っていまし

たが現実は違いました。 初めに分ったのは【葬儀屋さんはお寺への布施に関

しては一切関わらない】という事で、聞けばお寺さんが拒否反応をするらしい

のですが、実際のところは分りません。 ですから、何も分らない葬家は唯一

の頼りである葬儀社に拒否され、友人知人・親戚などから利用するお寺の布施

相場を教えて貰うことになるのですから、ここでも言いなりが基本となってし

まいます。 肝心の布施ですが、【布施】と呼ぶにはあまりに高額です。葬儀

経験者110名に聞いた限り20年以上前の経験者の中には、院号付きで10

万円だったと言う人もいますが、今は居士・大姉戒名の場合、30万円~60

万円で、平均40万円程度のようです。 信仰心の厚い人達ならば40万円で

も高くは無いのかもしれませんが、普段会った事もなく、どんな人間かも分ら

ずに、拝んで、戒名を付けて貰うだけで40万円は、無信仰の僕にとってはあ

まりに高額過ぎですし、話しをしてくれた人達の大多数は、僕同様の意見なの

です。 なのに墓を建てたら、お坊さんに拝んで貰うでしょ?

という自称無信仰者も居るのです。 日本人は、子供が生まれると、おくるみ

に包んで神社に行き、七五三で神社に行き、結婚式は教会で挙げ、亡くなると

寺にお願いする。 実に不思議な国民とも言えますが、その程度の信仰心なの

が、一般的な日本人の姿なのだという事でしょう。 そこで一般の人達にどん

なお坊さんが良いのか聞くと、こんな回答が多かったのです。

1、葬儀・法要など必要な時に依頼し、普段の付き合いが要らない人

2、一、と重複しますが、寄付の要らない寺やお坊さん

3、大柄な態度や話し方をしない、偉ぶっていない人、という内容でしたが、

一般消費者なら誰でも当たり前に言うであろう回答でした。 つづく

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