事前相談をしていると、あんしんサポートの料金設定が安いからか、

或いは相談者としての社交辞令なのか『適正価格』とか『適正料金』

という言葉が出てくることがあります。

四字熟語の意味なら分かりますが、何をもって適正と称しているか

分らないので「思わず適正価格って?」と聞き直すことになる。

すると「あんしんさんはNPOだから安いでしょ、でも普通の葬儀社は

高過ぎますよね。 まぁ大手は建物も大きいし、人も沢山いるから高く

ても仕方ないのでしょうが・・・」などと平気な顔で言います。

正直NPOだから安いなど、何の根拠もない思い込みだけで話をして

いる方と議論をしても仕方ないので、話題を変える事が殆どですが、

ネットには『適正価格』をうたう葬儀社が多いことに気づきました。

① 自社式場を持たないから経費も掛からず適正価格の葬儀実現

② 今まで葬儀社はボッタクリでしたが、原価に適正な利益だけを

  加えた適正価格にしたら他社を圧倒する安さになった

③ 当社は二重価格がなく誰でも適正価格な葬儀ができます

まだまだあるでしょうが、こんな訴えの印象が多かったのです。

実際よその葬儀社が何をいくらで、どうしようと気にはなりません。

それは自分達の進むべき道がハッキリしているからでもあります。

ただ適正価格という言葉は、どう考えても理解できませんし、納得も

できない言葉である事だけは、みなさんに知っておいて欲しいと思い

今回のブログに書いている次第です。

① 自社式場を持たないから適正価格とはどういう意味でしょう?

公営なり、民間式場を使えば確かに日々ランニングコストは掛から

ないでしょうが、借りる式場が安いでしょうか? 全てを入れ替える

ような式場なら、人件費のほうが高くなる場合も充分考えられます。

② 原価に『適正な利益』これが意味不明です。 たとえばですが、

当社は原価に3割の適正な利益を加え売価設定をしております。

とでも書いてれば、なるほど・・・と思えたでしょう。 あとは3割が

適正かどうかという問題は残りますが・・・

③ 二重価格が無いのは良しとして、だから適正とは言えません。

また、これら全ての葬儀社が全項目の単価を掲示しておりません。

結論を言えば、誰もが認める適正価格など存在しません。 

葬儀社からは、毎月掛かる経費+利益の合計が、その月に施行

した葬儀の売上とマッチングすれば適正価格って事になります。

でも、10人のスタッフのうち、半分はいなくても良い状態なら本来の

適正価格はもっと下がるはずです。

建物も同様で、利用者の多くが求めたなら話は別ですが、葬儀社の

自己満足で建てたのに、風呂にジャグジーとテレビが付いて豪華な

のですから・・・なんて事もあったりします。

隣で故人が安置されているのに、風呂でテレビを見る人がそうそう

いるとは思えませんが・・・豪華な霊柩車や、高額な清め料理も同じ。

なら依頼する家族からの適正価格って、個々の家族で全く違う判断

になって当然でしょ? 金額重視もあれば、葬儀社名重視もあるはず。

中には高ければ良いと思う人だっているでしょう。

よって適正価格など存在しないし、するとしたら、それは葬儀社毎に

違うものであり、消費者にうたうものではないと最近つくづく思います。

ちなみに、あんしんサポートは『誰もが終幕後の葬儀費用を心配する

ことなく、自分の人生を精一杯楽しめる世の中にしたい』という理念に

もとずいて突き進んでいますが、最初にチャレンジしたのが『国保から

支給される葬祭費5万円だけでできる火葬式』を作り上げる事でした。

でもこれが適正価格だとは思っていません。

葬儀社は自分達の理念に基づいた内容、価格の設定を行うだけの話

当然、過去~現在~未来と時代の変化予測をしながら行うはずです。

あとは利用する人達が自分達家族に最適な葬儀を選ぶ・・・

消費者の真意を射れば繁盛となり、外せば淘汰される・・・

これが本来の商道であり王道であるはずです。

みなさんは熟語に惑わされることなく、自分達家族の土俵で考えたり

決めたりすれば良いんです。 ってことだけ覚えておきましょう。

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