久しぶりに県外までお迎えに行きました。

隣接県の観光名所にほど近い警察署で前橋から片道120㎞、

数日前、事故で亡くなられた方の検死が完了しての引取りで

したが、殆ど高速道路が使えるので片道2時間は掛からない

予定で午後2時過ぎに出発、ストレッチャーに棺とドライアイス

搬送シートに消臭剤、活性炭防臭マスクを積んで走ります。

引き渡し予定時間の5時を1時間ほど過ぎて、警察の係官に

声を掛けられると庁舎裏の検死室に向かいます。

事故とはいえ、100m以上の高さから落下すれば原型を留め

ているはずもなく、体液が棺から漏れるがどうすれば良いかと

係官に呼ばれご遺体との対面です。

この後の搬送だけでなく、翌日の葬儀後、火葬炉に入るまで

体液等が漏れないように対処する事のほうに意識がいってた

せいか、、幸いにもご遺体の記憶がありません。

ご遺体の搬送準備をする中、一人の係官が言いました。

「今日は3人いて、まだあと1人居るんですよ。 昨日は2人、

毎日にように続いてて、名所みたいになって困りますよ」

初めは何を言っているのか、意味が分かりませんでしたが

あー自殺の名所ってことか、、、とすぐに理解できました。

お迎えのご遺体は事故死でしたが、事故でも自殺でも遺体の

状態は一緒でしょうし、100m以上の崖底からどうやって引き

あげるのか? そのあとの処置は? など考えただけで大変

なのは明白でした。

高所から見る自然の絶景を近くに控えた警察署、、、

観光地で、何となくのんびりした印象ですが、なまじ街にある

警察署とは違った大変さがあるのですね。

もうひとつ、、、人の原型を留めない、大きく損傷したご遺体を

毎日のように見て、自身の精神状態に影響はないのか?

なんでだよ、またかよ、人の迷惑も考えろよと言いたくなって

当然のように思いますが、それでも家族や関係者には神経を

使いながら話しをしなければならないはずです。

官職とはいえ、実に大変な仕事だと頭の下がる思いでした。

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