今日が友引で火葬場が休日の為、2件のご遺体を管理させて頂いて
いますが、一件のご遺体は法廷後見人がいる方です。
後見人制度は痴呆等で判断能力に欠けてきた人達の財産を守る為
として制度化されたのが骨子ですが、痴呆が進むのは当然、お金のある
人ばかりではなく身寄りの無い人や、親族が関わりを拒否された方々も
いるわけです。 まぁお金があればいくらでも面倒をみてくれる人もいるし
自身が分からなくても、それなりの生活はできるのが日本でもあります。
ところが少額年金しかない人達に付いた後見人も大変です。
施設費用、医療費用だけでなく終幕後の心配もするのが現実だからで
法的には逝去すれば後見人では無くなるので、そのまま放り出しても
問題はないのですが、結局誰もみてくれないから後見人の人が、無償で
残業のようなことをすることになります。 今回お世話する事になった方も
例外ではありませんでした。
・まず大前提として対象者の残金が10数万円しかないという事です
・病院で逝去しても帰る場所がない(当然入院費は掛かります)
・一般の葬儀社では火葬だけでも20万円掛かると言われたという
・火葬が済んでも焼骨はどうすれば良い?
所持金の範囲内で何とかする方法を提示してあげるしかありません。
後見人の方が相談に来られた時、ひと通りの話しを聞き、あんしん
サポートが力を貸してあげるべき、と判断した方法を聞いた後見人は
ありがたいと涙を流してくれるほどでした。 その翌日夜、逝去の一報が
入り前日に話した通りの段取りで進めています。
後見人さんも対象者によっては、ほぼ無償のボランティア状態になるの
ですから大変です。 今回のような対象者を見ると人としての生き様を
考えさせられます。 僕が中学生で経験した稼業の倒産も、迷惑を
掛けたからでしょう。 父親が蒸発して居なくなっても残った家族にとって
その後の親族との関係が大変でした。 でも同じように倒産をされた方
なのに周囲との和をちゃんと保っている人もいるのです。 その辺が多分
人間性・・・ってことなのでしょうね。 人は長く生きても100年ですし、
どんなに元気な人でも、自身の終幕後は自分ではどうにもなりません。
元気な時は誰の世話にもならない!と息巻いてみてもいつか何もでき
なくなるのです。 ならば本当に近い家族、家族が駄目なら友人でも
良いから、良い関係を作っておくべきなのでしょうね。 派手で豪華な
葬儀なんて必要ありませんが、自分の死を一人も悲しんでくれない・・・
誰も弔ってくれない・・・というのは結局他人に迷惑を掛けることになる。
人生最後の時は誰でも必ず来るのですから、意固地にならずに、出来
る事はしておくのが人としての道理かもしれません。・・・つづく
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