収骨はスタッフに任せ、千明と二人で前橋に戻ると、霊柩車に積んだ
荷物だけ下ろしてすぐに搬送準備を整えてドライアイスを取りに行きが
てら指定病院に行く、午後5時30分病室に入りストレッチャー準備が
整ったところで携帯が鳴る。 以前から事前相談をされていた方の母親
であるお婆ちゃんが亡くなったという知らせ。 折り返し電話をすることを
伝えると、搬送し寝台車に乗せる。 お迎えに来る途中で安置場所が
無いとの連絡を受け、民間施設を確保してあり、そこに搬送をする。
我々二人と故人を乗せた車中、故人には申し訳ないが病室に連絡の
あった方に電話をすると、高級な老人ホーム施設なのでお迎え時間は
多少遅くても問題ないのと、これから医師の確認や処置があるとの事。
全ての処置が終了した時点で再度電話を貰うことにした。
民間施設に到着するとすぐに安置をして線香をあげて貰うが、事前に
相談に来ていた甥御さんは仕事で新潟におり、その弟さん一人だけが
安置する施設まで同行していた。 台風の影響で何でも遅延傾向に
あり、我々も安置後、簡単な打合せが完了する頃には、湯かん納棺
予定時刻の10分前であった。 すぐに事務所に戻り湯かん納棺準備
と少し遅れる旨を伝える。 この頃になると車外に出ただけで全身ずぶ
濡れになるほどの暴風雨である。 予定より15分遅れで到着すると、
すぐに湯かん納棺の儀に入る。 安置直後は体温が高過ぎて化粧も
出来る状態では無かったので、一旦自宅に戻り、午前11時事務所に
来てから化粧をし、放射線治療で頭髪の抜けた頭部は可愛い帽子を
被せておいたのですが、火照りも無くなり、むくみも取れて、穏やかな顔
になっていてくれました。 窓の外は風雨のうなりが部屋の中まで聞こえ
いつもより少し大きな声で納棺師を勤めます。
内心少し焦っていますが、家族にとっては大事な時間ですから手抜きは
一切できません。 いつものように穏やかに、いつものような話しをする。
本日は綿衣裳が無く時間的には20分ほど早く終了するのも幸いする。
納棺後、明日の出棺時間や火葬時間、火葬中の流れなどを話して
いると、病室に電話の来た方から全ての処置が済み、いつでも搬送が
できる状態で待っているとの電話が入る。
葬家にこれから搬送がある旨を伝えて外に出ると、本日一番の暴風雨
2階から1階まで降りて、車に乗るまでのわずかな距離を移動しただけで
全身びっしょりである。 タオルで顔と頭を拭きながら指定先の老人施設
まで移動した。・・・つづく
次回は『気がつくと台風一過の静かな夜に・・・』
↓↓↓↓
にほんブログ村
僕自身がひとつひとつの葬儀を確認・反省・向上する為に書く実践日誌ですが、
これから葬儀を経験される方々が後悔の無い葬儀の役に立つ事が出来たら
との思いを込めて書いています。 宜しければクリックをお願いします