紫陽花が綺麗に咲き雨空の多い季節の午後、男性からの電話が入り


すぐに初老の男女3名が事前相談に来られた。 


入院中の母親が危ないので、その時の事を相談したいとの事でした。


色々話しをしていると、自分達も決して楽な生活ではないが対象者で


ある母親が残してくれた100万円で葬儀が出来れば・・・という事です。


20名ほどの家族葬を希望されていたので、こんな提案をしました。


葬儀は後々まで費用が掛かる儀式であり、すぐに49日法要と新盆も


あるので費用を抑えてはどうか? というものでした。 親戚の人達から


頂く香典が15万円くらいにはなると思うというので、100万円から半額


50万円と香典15万円の65万円で葬儀が出来れば、49日や新盆


費用も出る計算です。 お母さんは市営住宅の2階に娘さんと住んで


いたようですから、自宅に戻らず民間施設に安置する事にしました。


3人は予定より費用が抑えられそうだと分かり安堵された様子で帰って


いきました。 葬儀 ・ 安置 ・ 料理 ・ 返礼品 ・ 宗教者これら


全てで65万円で抑える段取りをしていると、先ほど帰ったばかりの事前


相談者からの電話で、お母さんが自分達の到着を待っていたかのように


息を引き取ったとの連絡です。 すぐに搬送準備をして、民間施設への


連絡をすると2件入っており部屋が空いていないという。 さぁ困った・・・


すっかり予想が外れてしまいました。 時刻は午後5時を回っているので


斎場霊安室にも預けられません。 そこで再度息子さんに連絡を取って


「お母さんを自宅に連れて帰れるなら連れて帰りたいですか?」と聞く。


すると「連れて帰れるなら少しだけでも連れて帰りたいです」という返事


だったので、すぐに斎場予約をする。明日の夕方から通夜で式場を借り


翌日の午前式で借りる。 ようは夜、朝と2回借りることにしたのです。


前橋の外れにある指定病院までお迎えに行き、市営住宅の2階まで


ストレッチャーで運んで自宅の部屋にご安置をすると、再度打合せを


します。 今日はこの部屋に寝て、明日の夕方5時には斎場に行き、


湯かん納棺の儀を行います。 お母さんは一晩式場で過ごして貰って


翌日の午前10時30分の葬儀という段取りです。 安置が済み最終


打合せをしていると孫娘さん2人が来て妹さんは泣きじゃくっている。


お婆ちゃん子だったのは初めて会う僕らでも明らかに分かるほどでした。


斎場での湯かん納棺は初めてですが、改めて計算すると民間施設を


利用するより費用が抑えられ65万葬儀には結果オーライのようです。


翌日の夕方4時過ぎに千明達が会場設営に入り、僕は4時半斎場


への移動を行う為に自宅に行く。 部屋に入ると昨日泣いていた孫娘


さんの顔が赤い・・・「ん?どうしたの?熱がある?」そう聞く僕に対して


父母が答える「そうなんです。風邪をひいたらしくて熱があるんですけど


本人は行くって・・・」孫娘といっても子供ではなく大人なのですが、手を


おでこに当てると熱いくらいです。「今日の湯かんは行かずに寝てなよ。


そのかわり湯かん納棺にする旅支度の中から君のする事をちゃんと残し


ておくから、明日会場に行ってからすれば良いよ。 今日はしっかり寝て


熱を下げておかないと明日の葬儀に行けなくなっちゃうよ」 孫娘さんも


明日の葬儀だけは行きたいと思ったのでしょう。 すぐにパジャマに着替


えて寝られる状態になった時、1本の電話が入りました。 相手先名は


僕の友人だったので一旦切ります。 しかし、すぐに再度電話を掛けて


きたので電話に出ると「ごめん忙しそうだね。 実は同級生の○○君の


従妹の父親が亡くなったんだけどお金が無いっていうからさ、電話をして


あげてくれる?」という内容でした。・・・つづく


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