満開の桜も散り始めた頃、葬儀後弔問に来られる方用に自宅に置いて


あった返礼品を引上げに行った家は、前橋から北に1時間弱の距離。


ここまで来たならと千明の実家まで足を延ばし、母親を連れて30分程


走った街中で食事と少し遊んでから、実家に戻って暫く親子が談笑して


いた午後7時前に携帯が鳴る。 48才になる知り合いの弟さんが立体


駐車場に停めてあった自分の車の後部座席で亡くなって発見され、今


家族は警察に来て遺体検死が終わるのを待っているという連絡だった。


すぐに実家から出発、1時間掛かって家族が待機する警察の部屋に


伺うと数人の家族が待機していた。


「あ、お世話になります。 まだ検死が終わってないので遺体は渡して


貰えないのですが、少し待って頂けますか?」という。 「我々なら心配


要りませんので、良かったら事情を聞かせて貰えますか?」そういう僕に


発見者である故人の姉の旦那さんが話してくれました。


公営駐車場の監視カメラに映る場所に停車してあり、VTRを確認した


ところ飲んで帰ってきた故人が車に乗りこむ姿や、1時間後に5分ほど車


から離れトイレに行ったであろう映像があるので、この時点までは何もなく


普通であったらしい。 その後、車から出た映像もなくそのまま逝った。


というのが現段階の所見だが、念のため隣接市の病院でCTスキャンを


撮っていてまだ戻ってないのだという。 CTは飲んで喧嘩となり殴られた


のが原因の突然死を想定した対応らしい。 さらに亡くなったのはどうも


5日ほど前のようで、後部座席にいた事もあり4日間発見されなかった


のでご遺体は若干傷んでいるらしいとも言う。


ある程度の話しは理解できたので、ご遺体が戻ってきてからどうするかを


決めておかねばなりませんが、いつ戻ってくるのか、今晩引き渡しになる


のかも分からない・・・と考えていると警察の担当者が部屋に入ってきた。
 
その人の話しによると、遺体はこれから戻ってくるが 今晩の引き渡しは


無く、場合によっては司法解剖もあり得るという。 担当者が部屋を出て


から少し考えて、こんな提案をしました。


「遺体が戻ってきても、相当傷みが進んでいるとしたら実家に戻って布団


の中に安置は無理がある。 ただいつ戻って来るか警察からの電話次第


ですから、連絡が昼間だったらすぐに手続きをして斎場冷蔵庫に預けて


火葬するか、そのまま葬儀をするのが良いのでは? 幸い本市に故人の


お姉さんが住んでいるので弟さんなら市民と同じ扱いになります。そのあと


で今後のことはじっくり相談されてはいかがですか?」


そんな話をしているとご遺体が戻ったと連絡があり、故人の兄弟姉妹は


対面に行くことになったが、母親はみんなが会って、大丈夫なら会えば


良いし、兄弟が見て会わないほうが良いと思うなら、そうしたほうが良い


というのが僕の判断でした。 結局、母親は会わずに警察を出て帰り、


いつ来るか分からない警察からの連絡を待つことになったのです。


・・・つづく


次回『翌日午後1時過ぎ引き渡し連絡・・・時間が無い!』


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