総額50万円葬儀を決め、遺影用の写真を預かり事務所に戻った時
には午前3時を回っています。 とりあえず遺影写真だけは作ってから
帰ろうと椅子に座ると、すでにグッタリ疲れを感じる状態でした。
それでも何とか遺影用の写真加工だけは仕上げます。 向かいの机では
各依頼書を作っています。 一通りの作業が済んで自宅に向かったのは
午前4時30分。 読者のみなさんは、そんなに無理しなくてもとりあえず
家に帰って寝てから作業すれば良いのに・・・って思うでしょうね。
確かにそれも一理ありますが搬送依頼はいつ来るか分からないのです。
そのまま続けて2件の搬送が入ったら、収拾がつかない状況になります。
だから少し大変でも出来るだけ早く作業しておく! これが高品質でも
低料金を実現し続ける為の少数精鋭経営の大原則であり、家族には
できるだけ早い段階で全て揃ったご安置状態にしてあげたいからでもある
のですが、正直なところ肉体的には辛いことも多いのが現実です。 でも
今回はこの予想が当たりました。 事務所から出てわずか10分、午前
4時40分、自宅に戻る途中で千明から電話が入ります。
ん? なんだ 言い忘れたことでもあるのかな、と電話に出ると「○○さん
から搬送依頼です。私もこのままUターンして戻りますのでお願いします」
との内容だった。 我々のように普段は2人だけで活動しているところに
とっては最もきつい依頼の形です。 前日の朝起きてから一睡もしない
ままに明け方の搬送依頼です。 でもものは考えようで2人だけの体制
とは、連続で・・・一日で・・・いったいいくつまでの依頼なら可能なのか?
等が実践の中で分かる機会でもあります。
電話を受け、すぐにUターンして事務所に戻ると千明もほぼ同時に到着
して搬送準備を済ませ、ドライアイスを持って指定病院に向かいます。
午前5時30分、いつもなら桜の花が散り、新緑の緑が鮮やかな季節
なのに今年はやっと桜が満開になるところなんだな・・・と寝台車を運転
しながら夜明け冷たい空気の中、桜の下を通って病院に到着。
市内の自宅に連れて帰ると、いつものようにドライアイスで処置を済ませ
ますが、僕の中でひとつのこだわりがあります。 それはドライアイスです。
ドライアイスを当てるポイントがあり、その最たる場所が首の左右にある
頸動脈を冷やすことです。 当然のようにドライアイスが布団の外に出て
しまいますが、ドライアイスは包んであるので見た目として例えれば・・・
真っ白レンガ2本が、あごの先端下を支点として上に広がったV形です。
いかにも遺体・・・って感じがして嫌なので僕はタオルやタオルケット等で
ドライアイスをくるんで寒い時に首筋に冷気が入らないように首筋を覆う
ような形にしています。 これによって家族は布団をしっかり掛けて寝て
いるように感じられるようです。 今回もいつものように処置をして末期の
水をとって貰い、線香をあげると葬儀の打合せをします。 菩提寺がある
ので住職の都合を聞かないと決められませんが、まだ6時30分ですから
連絡もできません。 とりあえず、予測を立て式場、火葬日時を予約し
お寺に確認をとって貰うことで一旦事務所に戻ります。
帰りの車中で千明に言います「事務所に着いたら、このまま自宅に戻り
シャワーを浴びて、少し寝て、11時に事務所に集合な」
自宅に戻ると7時30分、そこから3時間後に自宅を出ると2時間程度
睡眠が取れる計算です。 たった2時間ですが、この2時間を取るのと
取らないのとでは、後々大きな違いが出るのを実践の中から学んでいた
結果の判断でした。・・・つづく
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