知り合いの人から電話で「親戚の叔父さんが危ないのだが、本人は生活
保護だからお金がないし、火葬だけで良いと思うけど近いうちに連絡する
ことになると思うんで、その時は頼みます」と連絡が入った。
話した感じでは、すぐすぐでは無さそうだったので一応頭には入れておこう
程度の感覚でした。 その夜は奥さんと息子の三人で食事をしに出掛け
注文をして待っていると千明から電話・・・現在時刻9時30分です。
普通に考えれば間違いなく葬儀依頼のはず・・・まだ夕飯食ってない。
と思いつつ電話に出ると「葬儀依頼です。昼間電話をくれた○○さんの
叔父様が亡くなったと連絡があり、10時45分お迎えと伝えてあります」
「分かった、悪いけど△△まで迎えに来てくれる。 今家族で夕飯注文
した所なんだけど車一台で来ちゃったからさ」 そういうと電話を切ります。
息子は「もしかして葬儀?」「うん、葬儀・・・ご飯食べてる時間ないな」
千明が到着するまで15分程度・・・その間に注文した物が出てくれば
少しは食えるかも・・・といった感じで待機しますが、落ち着きません。
頭の中では迎えが来たあとの動きをシュミレーション。
電話で伝えた時刻には、指定された隣接市の病院に到着しなければ
なりませんが、指定病院は行ったことが無いので搬送口も分かりません。
そうこうしていると、注文した中から一品『すいとん』が届きました。
よりによって熱くてすぐに食えないものが最初に来ました。 取り皿に少し
とってフーフー冷ましながら食べると もう迎えが来る時間です。
外に出でるとすぐに千明が迎えに来て事務所に戻り搬送準備を済ませ
寝台車でドライアイスを取りに行きながら、指定病院に向かいます。
到着すると思っていたより小さな病院で、玄関先には親族らしき数人が
待っていました。 搬送シートにくるんで親族一人を乗せ案内して貰った
のはワンルームのアパート一階です。 玄関を入ると右側に台所があり
左側はトイレと風呂、奥の部屋にはベッドと2畳ほどの空間だけです。
ベッドに寝かせるとドライアイスで処置をし線香具を用意しますが、部屋
には数名が立って入れる状況です。 交代で末期の水を取って線香を
あげて貰うと葬儀内容の相談です。
「5万円火葬支援パックと聞いていますが、それで良いですか?」 息子
さん達3人に聞きます。「はい、それで良いと思います」と話がまとまりそう
になった時、年配の親族数人がくちを開きます。「葬儀しねぇのか!?」
この言葉をきっかけに『火葬賛成派』と『葬儀しなきゃ派』の意見が飛び
かうことになったのです。 場の雰囲気から察するに、葬儀しなきゃ派の
年配組は性格の強い叔父さん叔母さんのようで、火葬賛成派の人は
小声ではブツブツ言いますが、面と向かっては言えないようです。
暫しワイワイしたあと、葬儀しなきゃ派の叔父さんが言います。
「息子のお前たち三人で費用を出して足らない部分は俺達叔父叔母
親戚で何とかしてくださいって言うなら話は分かるけど。最初から何もし
ないってのは納得できねぇ」これを聞いた息子さん達の頭の中は想像が
できます。『そんな事言ったって仮に安く100万円掛かってとして親戚の
人達がいくら出してくれるって訳? 25万円出してやるから息子達は
ひとり25万円出せとでも言うの?俺達そんな金ねぇし・・・』 あくまでも
想像の域でしかありませんが、こんなところでしょう。
10分・・・20分・・・いっこうに結論が出ないまま時間だけが過ぎていく。
こりゃ、いつまで待っても駄目だとこんな提案をしました。・・・つづく
次回『親族みんなで費用分担した葬儀-後編」
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