いつもの年なら桜が満開なのに、今年はまだ蕾の状態が続いている4月
6日の午後3時過ぎ、葬儀が続き疲れた身体で、前日に終わった葬具
類の後片付けをしていると一本の電話が入った。
一人住まいをしている姉が認知症で、もしもの時はお願いしたいと2度
ほど事前相談に来ていた76才の お爺さん本人が逝去された一報と
搬送依頼の電話でした。 早速準備を整えて指定された病院に到着
すると、待っていたのは息子さんらしき人と初老の男女の3人でした。
ご遺体を寝台車に乗せて「行き先は自宅で良いですか?」と聞くと暫し
3人で相談した後、相談していたお姉さん宅に搬送して欲しいという。
何で故人から聞いていた自宅ではないのか? 息子さん以外の2人は
誰なのか・・・何が何だかわからないまま、息子さんの車について姉宅に
到着すると室内はちらかり放題です。
息子さんと僕と千明で片付けを始めますが、病院にいた2人の男女は
片付けも手伝わず車の中で待機・・・ますます何が何だか分かりません。
それでも何とか片付けて安置をし、末期の水をとって線香をあげる頃は
2人も部屋にいました。 2人が誰か分からないまま帰った後、死亡届を
書き終えると息子さんが言います。
「武井さん何が何だか分からないですよね。 全てお話ししますね」 と言
って話してくれたのは、故人である父親は、母親と別居をしており、長年
一緒に住んでいたのが先ほどまでいた女性だと言う。 父母は昨年離婚
しているが、息子が喪主の葬儀に母親も出席するだろうとのこと。
続けて息子さんが言う「父親の残したノートに自分にもしもの事が起こっ
たらあんしんサポートに連絡すれば良い。 全てを任せて安心できる人達
であることは、自分が色々話しをして確信している」 というメモと、電話番
号が書いてあったので連絡をくれたということらしい。
これから母親、親族にも伝えるが、この先の流れの中で、母親も傷つけず
晩年を一緒に過ごした女性にも別れはさせてあげたい。 葬儀は50名程
だと思うが、どうすれば良いかという内容であった。
それを聞いた我々は、息子さんの優しさを実現するため、更に色々確認
すると、前妻と彼女との面識は無く、前妻は彼女の顔も知らないようなの
で、なんとかなりそうに思えた。 これでやっと色々が納得です。
この先3日間、誰も傷つかないような対応を我々3人で行う事になった。
①安置した部屋等の片づけ ②湯かん納棺の儀 ③葬儀告別式
④焼骨の安置場所 一連の流れを誰も傷つかずに、何かを悟られずに
進めることは可能なのか? 50名程度の葬儀に何年も一緒に住んで
きた女性は列席できるのか?
早い段階で、我々に全てを話してくれた息子さんの優しい気持ちに応え
る為にも何とかしなければなりません。・・・つづく
次回は『事前に分かっていたからできた対処方法の数々』
↓↓↓↓
にほんブログ村
僕自身がひとつひとつの葬儀を確認・反省・向上する為に書く実践日誌ですが、
これから葬儀を経験される方々が後悔の無い葬儀の役に立つ事が出来たら
との思いを込めて書いています。 宜しければクリックをお願いします。