まだ正月気分も抜けない小正月前、中年男性が事務所を訪ねてこられ
母親の事前相談をしたいという。 話の中では『高額葬儀は意味がない』
『火葬だけで充分だし豪華と供養は別物だ』という。 火葬支援パック+
枕花で事前相談が済み事務所から帰って数時間後、母親逝去の一報。
いつものように指定病院までお迎えに行き、自宅に搬送し、ご安置をして
火葬予約をとり、火葬当日に納棺をして枕花を棺に入れて火葬。
火葬時間は無料休憩所にて待機して貰うが、待っているあいだに色々な
話しをすると「あんしんサポートは必要だ」「知り合いの市会議員にも話す」
「選挙に出れば当選するよ」などなど やたらと褒めまくってくれたのです。
火葬葬儀は何事もなく済んでから1か月ほど経った頃、ある公共施設に
用事があって行くと、そこには我々同様に用事で来ていた喪主さんの姿が
あったのです。 気づいた我々はすぐに挨拶をするが当の本人は何となくの
挨拶程度・・・あんしんサポートの葬儀後としては珍しい光景と言えるほど
そっけない挨拶に『ん?』と思うが、時間にゆとりが無いので急いで作業を
していると、暫くしてからスーッと近寄ってきて小声で一言「火葬の事は内
緒ね」と言いすぐに離れていった。 その瞬間、今までに経験した事のない
寂しさを感じたのでした。 僕の頭の中では『火葬だけは恥ずかしいの?』
『本当はもっと豪華な葬儀がしたかったの?』 『ならあの時、何であんなに
絶賛までしたの?』 『内緒ね!って事は一緒に来ている仲間の人達にも
お母さんの死は伝えてないんだ・・・なんで??』 などなど頭の中であれや
これや色々な憶測だけが ほんの一瞬ですが飛び回っていました。
確かに結婚式や葬儀は高額費用を、自分は金持ちだと言わんばかりに、
「参ったよ、親父の葬儀で4百万円も掛かっちゃってさぁ、ガハハ」みたいな
変な自慢をする人だっているし、高額葬儀=最高の供養だと勘違をいして
いる人達も依然多いのは確かだし、それが高額な葬儀費用に拍車を掛け
ていたり、弱者には費用面で厳しい葬儀環境になっているのも確かですが、
葬儀前、当日と、何も言わない人だったら、何も感じなかったでしょが・・・
今の状況に苦言を呈し、葬儀の低料金化や火葬だけの葬儀をやたらと
絶賛した人だけに、本音では寂しくもあり、ガッカリしちゃいました。
と同時に葬儀に関しては旧態依然の感覚が色濃く残っているだと痛感を
させられた葬儀後でもありました。
火葬だけでも立派な葬儀であり、葬儀よりも残った家族の生活のほうが
大事であり、葬儀は自分達のできる無理の無い範囲で行うべき儀式だと
世間一般のみんなが思ってくれるようになるまで頑張らなきゃ! と改めて
実感させられたのは良かったかもしれません。
今回の葬儀費用は下記の通りです。
【葬儀費用】
火葬支援パック 50.000円(火葬葬儀一式)
枕生花 6.300円
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葬儀費用計 56.300円(あんしんサポート集金額)
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※ 市民の火葬は無料地域です
次回は『今の自分にできる範囲の葬儀を実践された喪主』・・・つづく
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