電話連絡をくれた翌日の午前10時、事務所に来たのは三人の女性でした。


対象者の娘である姉妹と友人のようだ。 末期癌で入院中の父親が危ない


状態に入り慌てて相談に来てくれたらしい。


安置は長女自宅で、費用は抑えた50名ほどの一般葬儀が希望だと言う。


仏式だが知り合いの宗教者もいないというので、当方で紹介する事にした。


事前相談の雰囲気も良く、時々笑い声もあっての打合せが2時間ほど続き


ご家族が帰ってから5時間が過ぎた頃電話が鳴った。 午前中に相談をした


お父さんが逝去、事前相談をした内容での葬儀依頼でした。


指定された病院の病室にお迎えにいき、自宅に搬送してドライアイス処置を


してご安置すると、いつものように末期の水をとって貰い線香をあげて最終の


打合せ入る。 依頼する宗教者の確認まで話が進むと姉妹の様子が午前

とは違って


いる・・・『ん? どうしたんだ』 2人の間に何かがあるのは確かだがハッキリ


しない。そうこうしていると妹さんに用事があるらしく出掛けていった。


するとお姉さんがくちを開いた。 「お願いしようとしていた宗教者の事ですが、


元々の菩提寺はあるけど、お寺の外に墓はあるし、謝礼が高いので紹介して


くれるという宗教者に依頼するつもりでした。 ところが先ほど妹が来て自分の


知り合いの宗教者が関西にいて、その人達にお願いしたいと言い出した」と


言うのです。「え!?菩提寺があるの? なら事前に住職に話しをしたの?」


「ううん 何も話してないけど・・・駄目?」「うーむ駄目とか、良いって問題じゃ


なくてさ、何処の誰に依頼するか、最終的には家族で決めれば良いと思うけど


ずっと先祖を供養してくれてたのなら、事前に相談するのが筋じゃないかな。


それに妹さんが依頼しようとしている僧侶だって普通に考えれば引き受けない


と思うけど・・・ もし逆の立場ならって考えれば引き受けられないと思うけどな」


こんなやりとりがあったのです。 結果は妹さんが依頼した宗教者が関西だか


北陸から来て読経してくれたのですが、結局は交通費だなんだと当方紹介の


ケースより高額になり、菩提寺には不義理をした事になったようです。


僕が驚いたのは菩提寺があると分かっているのに、別の僧侶が引き受けた事


でした。 宗教の世界も弱肉強食なのか、普段行き来しない地域だからなの


でしょうか・・・宗教者うんぬんに関しては早めに降りて正解だったようです。


勿論、葬儀は湯かん、納棺の儀も含めて全て順調に済みました。 がしかし


5か月が過ぎ、新盆を迎えようとしている今、姉妹間の行き来は無くっている


のだそうです。 葬儀を境に兄弟姉妹の仲違いは以外に多いのです。精一杯


家族の為にと葬儀をしても、どこかスッキリしないまま終わります。


次回は姉妹が仲違いしたポイントと、修正案を書いてみますので皆さん方の


家族間で似たような状況が起きたら参考にしてください。・・・つづく


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