歯科医院に行く時に、多くの人は緊張します。
今日はどんな治療をするのだろうか?痛くないだろうか?そんなことに思いを巡らしながら、来院する人も少なくないと思います。
治療中に具合が悪くなる人がいます。
1番具合が悪くなる時間帯は、局所麻酔をしている時と言われています。
針が刺さった時の痛みにより、緊張感が極まって、気分が悪くなるようです。
ただ、心因的なものなので、安静にしていれば回復することがほとんどです。
具合が悪くなるのを防ぐために、局所麻酔をする前に、何回か深呼吸をしましょう。
そうすることで副交感神経の働きが優位になり、緊張が和らいで、具合が悪くなるのを防ぐ効果があります。
局所麻酔の後に心臓がドキドキするのを感じる人がいます。
これは局所麻酔薬の中に入っている「アドレナリン」という物質が心臓に作用しているためです。
しばらくすると体内で代謝されるので治まって来ます。
治療中に、息苦しさを覚える人が時々います。
そんな人は、『過換気症候群』になっていることが多いです。
過換気症候群は、緊張により呼吸回数が増えることによって起こります。
血液の酸素が不足しているのではなく、二酸化炭素をたくさん吐き出してしまうために、息苦しさを感じます。
そんな時は、酸素を投与しても意味がありません。
紙袋を密着するように口にあてて、ゆっくりと呼吸をすることで、血中の二酸化炭素濃度が高まって来ると、息苦しさは解消されて行きます。
息苦しくなった時に、ご自分の手をご覧になって、下の写真のようにこわばっているのなら、その可能性はきわめて高いです。
このように、治療中に具合が悪くなるのは、精神と密接に関係しています。
安心して治療を受けるためには、医療スタッフとの信頼関係が大切です。
何をされるのか分からないまま治療に入ると、不安感や緊張感が高まります。
説明が不十分だと感じたり、治療に納得できないことがあったら、遠慮なく尋ねるようにして下さい。《周治》