虫歯は虫歯菌(主にミュータンス菌)によって起きることは、多くの人は知っています。

生まれたばかりの赤ちゃんの口の中は無菌状態です。

母乳も無菌です。

離乳が始まり、お母さん(家族)が口移しで食べ物を与えた時、そこに付着した唾液を介して虫歯菌は移ると言われています。

 

注意していても、どこかで虫歯菌は移ってしまうのでしょうが、その時の年齢が重要なようです。

スウェーデンのイエテボリ大学の研究では、2歳までに虫歯菌の感染がなかった子供が4歳になった時の虫歯の数は0.3本でした。

ところが、2歳までに感染した子供は5本もありました。

その差は、実に15倍です。

2歳までは、何とかしてお子さんの口の中に虫歯菌を入れないようにしたいものです。

 

2歳半を過ぎると、口腔内が悪さをしない菌で占められてし、虫歯菌が入り込めなくなると言われています。

そこまでに気を付けることは

・自分の使った箸やスプーンを子供の口の中に入れない

・嚙み砕いたものを、子供の口の中に入れない

・息をかけてさましたものを、子供の口の中に入れない

ついついやってしまいがちですが、将来子供が虫歯になり、痛い思いをしないためなので、頑張って守るようにして下さい。

 

時々ですが、ブラッシングを丁寧にやっていないのに、虫歯がひとつもない患者さんがいます。

患者さんの歯が虫歯菌に強いのではなく、子供の時に虫歯菌を移されなかった運の良い人と考えられます。

もしかしたら、その患者さんのお母さんも虫歯菌がいないのかもしれません。

おばあさんも虫歯菌がいなければ、代々虫歯にならない家系と言うことになります。

 

もし、お父さんやお母さんの口の中に虫歯菌がいなければ、子供に移す心配はありません。

自分に虫歯菌がいるのかどうかは、歯科医院で唾液の検査をすればすぐ判りますが、口の中を見て虫歯の治療をした歯が複数あるのであれば、いると思って間違いありません。

 

親から子へ虫歯菌を移さないのは、結構大変なことかもしれません。

まずは、ご家族がブラッシングを丁寧に行い、虫歯菌の数を極力減らしておくことが大切だと思います。

 

今、コロナウィルスの流行で、感染に関する意識が高まっています。

これを機会に、虫歯も移る病気であるという認識が広まって行けばと思います。 《文責:周治》