みなさんこんにちは。

技工士の飯塚です。

 

歯科技工士はセラミック(陶材)などを使った人工の歯を作る際に、患者さんのご希望もうかがって、周囲の歯と調和する色や明るさ透明感を有する人工の歯を作っていくことが求められます。

 

前回は「何を基準に色を決める?」

色に対する解釈は人それぞれで、多くの人が全く同じ色を想像するのは不可能...というお話でしたね。

今回は「色ってどういうもの?」について少し書きたいと思います。

 

まず歯の色を見るために、絶対に必要なものとして、色の三属性・・・

「明度・彩度・色相」

というものがあるんです。

 

マンセルの色立体概念図という、色の三属性に基づき色彩を体系化したものがこの図。

 

この図は、垂直の軸が明度、円形の周囲が色相、垂直の軸に対して水平な長さが彩度・・・と、色のすべての要素が入っている図なんです。

これだけ見ていてもわからないので、ひとつずついきましょう。

 

まず「明度(Value)]とは?

明度は、読んで字のごとく、色の明るさを示します。

簡単にいえば、白から黒までの色の変化の事です。

このマンセルの図でいえば、明度が低いと黒。明度が高いと白。となります。

明度は、歯の色を見るうえで、いちばん重要な要素だと考えられています。

 

この明度・・・慣れないうち(今も?)は見分けづらいものなんです・・💦

昔...明度というものを理解しようと、本を読んだり、マンセルの図とにらめっこしたり...頭で理解するのはダメでした(笑)

なので体に叩き込んで覚えるしかないと...。

 

デジカメや携帯で写真を撮って、それを白黒にして、彩度と色相を排除して、明度のみの観察に明け暮れたもんです(笑)

どういう感じかというのを、シェードガイド(歯の色見本)で行ってみますね...

 

 

これは普通のシェードガイドです。

同じ白なのに、色々ありますよね。

 

 

これは白黒にしたシェードガイドです。

カラーのときより、白から黒までの色の変化...明度の段階的な変化がわかりやすくなっていませんか?

 

先ほども言いましたが、明度が歯の色を見るうえでいちばん重要な要素...。

なぜそんなに明度がいちばん重要な要素なのか...。

それは、補綴物の色が合わなかった失敗例の多くは、明度に起因するもので、口腔内で白浮きしたクラウンになってしまうからです。

 

最近は、ホワイトニングやオールセラミック(ジルコニア)など、白くてキレイな歯にする人が増えてきているので、昔ほど「明度」に気は使わなくなりましたけどね...(笑)

 

次回、続きいきます。